知人男性に暴行したとされる騒動の責任を取り、大相撲を引退した元横綱朝青龍(29)=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ=の特別功労金を決める理事会が10日に行われることが6日、分かった。ある協会関係者は「これで朝青龍の問題は一段落つく」と“終結宣言”した。また、朝青龍が単身の“隠密行動”で米ハワイ入りしていたことがこの日、関係者の話で明らかになった。
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横綱・大関が引退した際は地位や在位期間に応じた養老金に加えて、理事会の決議により特別功労金が支払われる。最近引退した若手親方は「この額は何回優勝したかというよりも、どれだけの期間その地位にいたかが重視される」と話す。
最近の例では優勝22回、横綱として出場38場所の貴乃花に1億3000万円が支払われた。優勝25回、横綱での出場39場所の朝青龍には、これ以上の額が相場だ。暴行騒動による引退という特殊な事情とはいえ、別の親方は「それはそれ、これはこれ。線引きはする」とし、ほぼ満額が支給される見通し。3400万円の養老金と合わせ、1億5000万円から2億円の間の金額が朝青龍の退職金となりそうだ。
その朝青龍は単身でハワイに移動した。フジテレビ系で報じられた映像によると、引退会見翌日の5日夜、ジーンズ地のシャツに黒いニット帽、サングラス姿で成田空港に登場。周囲に関係者の姿はなかった。本人は「すみません。ちょっとプライベートなので…」と行き先を明かさず、気付いた乗客には笑顔で握手する場面もあった。日本時間6日早朝にホノルル空港に到着。同市内のホテルに入ったという。
マネジャーによると、今後、日本に戻るか、モンゴルに帰国するかは未定という。警視庁で事情聴取される可能性には「捜査は打ち切られたと聞いている」とした。
(2010年2月6日)