抜き書き
きつぱりと冬が来た 八つ手の白い花も消え 公孫樹(いてふ)の木も箒になつた きりきりともみ込むような冬が来た 人にいやがられる冬 草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た 冬よ 僕に来い、僕に来い 僕は冬の力、冬は僕の餌食だ しみ透れ、つきぬけ 火事を出せ、雪で埋めろ 刃物のやうな冬が来た 【『高村光太郎詩集』高村光太郎(岩波文庫、1981年)】
きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹(いてふ)の木も箒になつた
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た
【『高村光太郎詩集』高村光太郎(岩波文庫、1981年)】
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覚え書き
私が「柔らかなファシズム」と呼んでいるものを、ジャン・ボードリヤールは「透きとおった悪」と言っているのだろうか? そうだとしたら、話が合いそうだ。
sokaodo
小野不一/Fuitsu ONO