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人(徳島県人またはゆかりのある人物)
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重度障害の一人娘とともに地域で生きる
圓井美貴子(まるいみきこ)さん   2008/1/1 12:03
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重度障害の一人娘とともに地域で生きる 一九九二年九月に誕生した一人娘の陽子さん(15)は、分娩(ぶんべん)時の異常で脳性まひとなり、重度の知的障害が残った。

 大学院時代に付き合っていた夫の就職で大阪から徳島に転居し、県庁職員として仕事に生きがいを感じていたが、出産から四年後に退職。その一年後、離婚した。

 人情や自然の豊かさが気に入り徳島の自宅にとどまったが、地縁血縁がない。娘を連れて療育センターと自宅を往復する日々に「社会との接点がなくなるのでは」と焦燥感を抱き始めたという。

 「陽子にもっと普通の生活をさせたい」。そう考えて行き着いたのが「地域社会での生活」。将来、地域で暮らすことになる娘には多くの仲間が必要だと思った。

 小学校への進学を考えたが、安全面などへの不安から学校側は受け入れに難色を示す。付き添いを条件に、三年がかりで入学を説得した。

 「子供たちの心は柔軟。楽器演奏やゲームなど工夫して障害の壁を乗り越える。放課後は毎日のように同級生が遊びに来て、地域で生きる喜びを感じた。中学進学は自然な流れだった」と振り返る。

 中学でも特別支援学級に在籍し、茶道部の活動や九州への修学旅行に参加した。

 悩んだのは中学卒業後の進路。特別支援学校を否定するつもりは全くない。ただ、せっかく小中学校で地域とのきずなを築き、人形劇団や障害児の余暇支援といった活動を通じて地域での居場所を見つけた。「そんなつながりが薄れ、活動が広がらなくなる気がした」

 重度の知的障害者が高校で授業を受けるのが難しいのは分かる。親のエゴとも言われるだろう。それでも「娘にしかできないことはある。看護や介護職を目指す生徒が集う高校なら娘がほかの生徒に役立てることもあるはず」と地域での生活にこだわり、城西高進学に挑戦することにした。

 前例がないため県教委は対応を検討していたが、十二月中旬、受験が認められる方向に。

 出産直後、別れた夫に「障害が残るなら(娘は)いらない」と口にした。あれから十五年。「今は陽子のために何ができるかを考えるのが私の仕事」と言えるようになった。

 入試まで一カ月余り。「今年は特別な年にしたい」と言う。両親との四人暮らし。徳島市上八万町西山。四十四歳。

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