伏見区で09年4月、知人の藤井英雄さん(当時64歳)を殺害し現金を盗んだとして、殺人と窃盗の罪に問われた下京区、無職、片寄晴男被告(61)の裁判員裁判1日目が25日、京都地裁(米山正明裁判長)であり、片寄被告は起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、片寄被告が生活費に窮し、藤井さんに借金しようとして「金もないのにパチンコばっかするからや」と説教されたのに逆上し、金づちで殴ったり電話コードで首を絞めたりしたと指摘。藤井さんの兄が「被告を死刑にしてほしい。裁判員には弟を失った無念を十分分かってほしい」と述べていることも挙げた。
弁護側は「片寄被告は心の底から反省している」と主張し、遺族への謝罪文を朗読した。
公判に先立つ裁判員選任手続きには32人が出頭。裁判員6人(男性2人、女性4人)が選ばれた。【熊谷豪】
毎日新聞 2010年1月26日 地方版