「字が汚い」。小さいころからたくさんの人に言われてきた。そのため「字が読めない」と、テストの点数が下がったことも一度ではない。それでも真剣に改めることがなかった▼毎日児童生徒書き初めコンクールで大賞受賞者3人に喜びの声を聞いた。質問に的確に答え、落ち着いた話し振りから、「字は人柄を表す」と言われるのを思い出し、丁寧に字を書く行為は人の心を育てるのではと、本気で考えさせられた▼昨年、実家で中学・高校時代のノートを見返したことがあった。われながら驚くほど、汚い字だ。当時に比べれば、少しは私の性格も落ち着いているかもしれない。せめて人に見せる字は丁寧に書こうと改めて思った。【宮本翔平】
毎日新聞 2010年2月5日 地方版