サブちゃん　元朝青龍関にエール　「おれは応援する」

　大相撲の横綱朝青龍関（２９）の電撃引退から一夜明けた５日、東京・霞が関の東海クラブで行われた「第４６回日本クラウンヒット賞贈呈式」に出席した演歌歌手の北島三郎（７３）が、元横綱に向けて「負けずに新しい人生を頑張ってほしい」とエールを送った。

　北島は「イチ相撲ファンとしてはちょっと寂しい」「功績は立派だ」とたたえた上で、“お騒がせ横綱”の引き際には「人間だからつまずいたり転んだりする部分はある。彼は何かの形で頑張るだろう」「こういう時だから休んでほしい。彼も反省していると思う」と人生の先輩らしく励ました。

　九州場所中だった昨年１１月、元朝青龍関は、北島が務めた博多座の公演に来場。その際、「頑張ります」などと言っていたのが最後の会話だったという。角界と演歌界の大物同士として「おれたちが歌ってるステージも土俵も戦場。ジャンルは違うが精神的には同じ。失敗をバネにして頑張ってほしい。おれは応援する」とねぎらいの言葉を送り、相撲界には「横綱が（白鵬）１人では寂しい。もっと強い力士が出ると盛り上がる」と呼び掛けた。

　北島は、昨年６月発売のシングル「比叡の風」などのヒットで受賞。この日、演歌歌手さくらまや（１１）、「たつやくんとマユミーヌ」のたつやくん（１０）らも出席する中、北島は「先輩、後輩の垣根なく歌を一生懸命歌いたい」と気持ちを新たにしていた。

　ＮＨＫの福地茂雄会長は５日の定例会見で、元朝青龍関の引退問題で「個人的には最善の道を選んだと思う」と評価する一方、「横綱は強いというだけでなく品格が重要で、（暴行）問題が起こったことが問題。ＮＨＫにも視聴者から進退を問う声が届いていた」とした。「不祥事が続くのに相撲中継をするのか」という厳しい意見があったとも明かした。福地会長は横綱審議会委員を務めている。

　ＮＨＫ広報局によると、引退した４日は視聴者から電話などで１８０件以上の意見が寄せられた。「引退は当然」とする声がある一方で同情や引退を惜しむ声もあったという。

　ＮＨＫは６日午後１０時放送の報道ドキュメンタリー「追跡！　ＡｔｏＺ」の内容を「朝青龍　電撃引退の衝撃」に変更する、と発表した。

　番組のテーマは、「朝青龍はどのような思いで引退を決断したのか」、「相次ぐ不祥事で姿勢を問われた相撲協会内部でどのような議論が繰り広げられたのか」、「朝青龍が相撲界に残した功罪は何なのか」など。

　映像ドキュメントと証言をもとに“追跡”するという。同番組はＮＨＫスペシャルからの派生番組として昨年４月にスタートした。当初予定していた『“金メダル遺伝子を探せ”』は１３日午後１０時３０分から放送予定。

　また、福地会長は、昨年１２月に、来年１月の任期満了前に辞任する意向を経営委員に伝えていたと報道された問題に「私は言った覚えはない。出処進退については一切コメントしない」と話した。

　東京・日比谷のシアタークリエで６日に初日を迎える舞台「ＴＨＥ　３９　ＳＴＥＰＳ−秘密の暗号（コード）を追え！−」（デイヴィッド・ニューマン演出）のＰＲ会見が５日、同所で開かれ、石丸幹二（４４）、高岡早紀（３７）らが出席した。

　アルフレッド・ヒチコック監督の名作映画「三十九夜」をもとに、キャスト４人が１３９種類の役に挑戦するコメディー。石丸は「僕が演じる（スパイの）リチャード・ハネイは朝青龍の心境に似ている。カナダから（英国に）飛んでくるんですが、カナダでは仕事を引退しているだろうと思うので。朝青龍の気持ちを胸に込めて演じたい」と旬な話題に引っかけてアピールした。３月４日まで。