ブレーキ不具合について「踏み重ねれば止まる」と手ぶりで説明するトヨタ自動車の横山裕行常務役員=4日午後、東京都文京区後楽1丁目、相場郁朗撮影 |
トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」のブレーキが瞬間的に利かなくなる問題で、同社の横山裕行常務役員(品質保証担当)は4日、東京都内で会見した。公表せずに1月生産の車から対策を施したことについて「品質改善の一環で、クレーム隠しではない」と強調した。
トヨタは要望に応じて無償改修を始めているが、横山常務役員は「何らかの形で案内できる方策を考えている」と話し、リコール(回収・無償修理)にも含みを残した。
新型プリウスは昨年5月に発売された。日米の当局とトヨタへの苦情は現在、延べ200件以上に上っている。
横山常務役員によると、トヨタへの苦情は昨年秋ごろから。低速で滑りやすい路面などを走行中、一時的にブレーキが利かなくなるというものだ。とくに12月、北海道などで苦情が増えたことから、対策を施したという。
改善したのは、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)。滑りやすい路面でブレーキペダルを踏んでも、車輪がロックしてハンドル操作が不能にならないよう、ブレーキの利き方を制御する。調査の結果、ブレーキを軽く踏んだ状態でABSが作動すると、油圧ブレーキの利きが遅れる可能性があることが分かった。
しかし、トヨタは、運転者の感覚と車の動きが「少しずれている」という程度の認識で、公表は必要ないと判断した。横山常務役員は「お客様の期待値に対し、(開発の過程で)判断が甘かったと反省している」と述べた。