岡山放送局

2010年2月5日 19時24分更新

性犯罪の裁判員裁判 判決


性犯罪を審理する県内で初めての裁判員裁判で岡山地方裁判所は被告の男に保護観察のついた懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

裁判員が審理したのは住所不定、無職の松永圭史被告(33)が去年8月、県内で女子高校生に後ろから車で近づき、わいせつな行為をしたうえ、顔や頭を素手で殴る暴行を加えたとして強制わいせつ傷害の罪に問われた事件です。

今回の裁判は県内で初めて性犯罪を審理した裁判員裁判で、審理は被害者の名前や住所などの個人情報を常にふせるなどプライバシーに配慮して進められてきました。

5日は午前中から裁判員が判決について話し合う評議が行われたあと、午後2時過ぎから法廷が開かれて判決が言い渡されました。

このなかで、岡山地方裁判所のたか山光明裁判長は「女性のような社会的に弱い立場の人々に対する犯罪については厳しい処罰で臨むことが社会一般の要請である」と指摘しました。

一方、「われわれが最も気になる再犯のおそれについては被告が2度としないと強く誓っているためおそれがあるとまでは言い切れない」と述べ、保護観察のついた懲役3年に加え執行猶予5年の判決を言い渡しました。

判決のあと、裁判長は「被害者の心の傷は長く残ります。社会に復帰してからも、常に被害者に配慮しながら生活して下さい」と被告に語りかけていました。