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格闘界が引退の朝青龍にラブコール

 09年1月4日、石井慧(右)とがっちり握手を交わす朝青龍
 09年1月4日、石井慧(右)とがっちり握手を交わす朝青龍

 4日に電撃引退を表明した横綱朝青龍で今後、注目されるのが“第二の人生”だ。以前からうわさに上がっていたプロ格闘技関係者は早くも「魅力はあります」と横綱に多大な関心を示している。一方で朝青龍は、母国・モンゴルでいくつもの事業を起こす実業家でもあり、一体、どのような道を選択するのか。

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 モンゴル国籍で年寄名跡を取得できない朝青龍は親方として協会に残れず退職する。ただ「永住者」という形で日本の在留資格は持っている。“最強”のまま土俵を去った現役バリバリの横綱だけに、かねて転向がウワサされてきたプロ格闘技界は敏感に反応した。

 柔道五輪金メダリストから総合格闘家に転じた石井慧が契約する「SRC(戦極)」のアドバイザーで日本レスリング協会の福田富昭会長は「その気があるなら、歓迎したい」と前向きだ。暴行騒動も「刑事事件になったり、前科があるならともかく」と障害にはならない考えを示した。

 総合格闘技イベント「DREAM」の笹原圭一プロデューサーも「魅力はあります」。元横綱・曙をスカウトしたFEG(K-1を主催する興行会社)と提携関係にあり、タッグを組んで獲得に動く可能性もある。TBSが地上波放送するDREAMとK-1の集大成的な年間最大イベント「Dynamite!!」は今年も大みそかに開催予定。FEGの谷川貞治代表は「引退後の動向に興味はある」とした。騒動のほとぼりが冷め、準備期間を経た年末デビューが浮上するだろう。

 かつて朝青龍の兄ブルーウルフが在籍していた新日本プロレスも興味を示す。IWGP王者・中邑真輔は「相撲という型を取り払った先にどんなものがあるか体感したい。客観的には(総合より)プロレスがいいと思う」と対戦要求した。

 しかし、朝青龍はモンゴルに「朝青龍基金」を設立し、親族が経営する形で留学生の仲介、メディア、不動産業、ホテルなどリゾート施設の運営といった実業家の顔もある。昨年、日本の在留資格を取得した際も、一宮マネジャーは「引退後、ビジネスがしやすくなる」と説明した。「弱冠29歳なんで、どこまでいけるかこれからが楽しみ」と語った朝青龍。どんな進路をたどるのか。

(2010年2月4日)
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