会見を終え、一人で部屋に戻った高砂親方=高砂部屋
真っ赤な瞳は涙で潤んでいた。大相撲の横綱朝青龍(29)=高砂部屋=が4日、知人男性との暴行騒動を起こした責任を取って引退。愛弟子と並んで臨んだ記者会見で、師匠の高砂親方(元大関朝潮)は神妙な面持ちで心境を吐露した。「万感。いろんな思い出がある。詰め襟(の制服)を着て当時の若松部屋に入ってきたことを思い出す」。自ら故郷の高知に足を運び、明徳義塾高に留学していた朝青龍をスカウトした当時を振り返った。
理事会で朝青龍引退の意思を伝えた直後、報道陣の前に現れた高砂親方の目には涙が浮かんでいた。矢継ぎ早に飛ぶ質問には「結論はこんなところでは話せない。会見をやるから」と声を荒げた。
会見では「メディアの方が先行して、調査委員会に資料を提出するしかなかった。横綱として迷惑をかけたというのが(引退の)一番大きな引き金となった」と語った。それでも最後は“らしさ”を発揮。「朝青龍はどんな弟子でしたか?」と問われ、「こんな弟子です」と笑顔で傍らの愛弟子に目を向けた。
(2010年2月4日)