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角界に衝撃…白鵬号泣「信じたくない」

 突然ライバルを失い、目に涙をためて悔しさをにじませる白鵬=東京・墨田区の宮城野部屋
 突然ライバルを失い、目に涙をためて悔しさをにじませる白鵬=東京・墨田区の宮城野部屋

 朝青龍引退の衝撃が角界に走った。同郷の後輩横綱・白鵬(24)=宮城野=は4日、都内の宮城野部屋で緊急会見。偉大なモンゴルの先輩が角界を去らねばならない状況に追い込まれたことを受け、涙を流しながら「信じたくない…」と言葉を絞り出した。また朝青龍と同時代にしのぎを削った玉ノ井親方(33)=元大関栃東=は「悔しくてしょうがない」と嘆いた。

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 朝青龍にあこがれて角界入りした白鵬は、会見で心境を尋ねる最初の質問に約1分、言葉が出なかった。「まあ、先ほど知りましたし…」と言葉を絞り出すと、絶句した。しばらく沈黙した後「事実ですけど、信じたくない」と涙を流した。

 引退発表を自宅のテレビで見たという白鵬は、朝青龍の「悔いはない」という言葉に「それが精いっぱいの答えじゃないですかね。まだまだ、やり残したことがあるんじゃないですか」と、先輩の真意を思いやった。

 08年夏場所では“にらみ合い事件”もあったが、現在の関係は良好。1月末、皇司と潮丸の引退相撲で連日取った2番について「いつもと違うな、という感じはした」と何かを予感していたことを明かした。結局、初場所千秋楽で朝青龍の現役最後の相手となった。

 「同じ出身で目標の力士だった。同じ時代に自分も(相撲を)やったことは光栄。自分を引っ張ってくれる横綱だった。お疲れさまと言ってあげたい。相撲界を忘れずにいて下さい、と一言かけたい」と先輩への思いを話した。一番の思い出には、涙をぬぐいながら「初めて勝ったことが一番印象的」と答えた。

 春場所から1人横綱となり、責任はより重くなる。「自分の責任をさらに上げて、横綱(朝青龍)の分まで頑張っていきたい」と前を向いた。

 一方、玉ノ井親方は「あれだけの横綱はいない。闘争心と柔軟な体がすごい。たいしたもんだよ。まだまだできることを(初場所で)証明したばかり。それがこんな形でやめてしまうのは悔しくてしょうがない。一緒にやってきたから寂しい」と無念をにじませた。

(2010年2月4日)





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