朝青マネジャー・一宮氏「でっち上げ」引責辞任へ

国技館での聴取を終え引き揚げる朝青龍の一宮マネジャー（右）と染谷ドライバー

　横綱・朝青龍（２９）＝高砂＝の暴行問題で日本相撲協会が設置した調査委員会が２日、朝青龍のマネジャー・一宮章広氏（３１）と運転手・染谷誠一郎氏から事情聴取を行った。マネジャーが現場にいなかったことが判明し、運転手は暴行の事実を否定。協会は師匠・高砂親方（元大関・朝潮）の聴取を示唆した。しかし、朝青龍や被害者の聴取については消極的な姿勢。早急な処分が求められているだけに当事者を呼ばなければ、多くの疑問が残りそうだ。

　調査委員会の事情聴取を受けた一宮マネジャーが２日、自身のブログで今回の不祥事の責任を取って辞任することを発表した。

　同マネジャーは朝青龍の泥酔暴行問題が発覚した直後に「暴行された知人は自分」と虚偽の事実をでっち上げた。実際の相手は一般人だったことが発覚し問題が大きくなった。ブログでは「高砂親方に自分の軽率な行動を注意され世間に大きな誤解を与えた事を痛感しています」と謝罪した上で「この件が解決したのち横綱のマネジャーを辞めさせていただくことになりました」と０５年から５年あまりのマネジャーを辞めることを宣言した。

　表向きは辞任も事実上の解任だ。高砂親方は「一番の間違いはマネジャーが殴られたのは自分と言ったこと。はっきり言ってこれは違う」と責任をすべて一宮マネジャーに押しつける発言を行っていた。責任を取って辞めさせ朝青龍と高砂親方は問題へのけじめをつけたとの思惑が見え隠れする。トカゲのシッポ切りで処分は軽くなるわけはない。朝青龍は力士としての潔さすら失ったようだ。