“ヒール”横綱に疑問の声…どうなる引退相撲、断髪式
会見後、帰路につく階段から振り返り報道陣に手を振る朝青龍
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【朝青龍・電撃引退】土俵では鬼の形相で相撲ファンを沸かせてきた希代のヒール横綱の目から涙があふれた。新理事会での引退表明後、急きょ両国国技館の大広間で開いた会見。冒頭こそ「本日をもって、日本相撲協会に大変ご迷惑を掛け、また報道陣を大変騒がし、責任持って引退をしました」と淡々とした表情で話しだした。だが、会見途中で報道陣から土俵上での一番の思い出を尋ねられると、もう胸にこみ上げる思いを抑えることはできなかった。
声を絞り出すように「やっぱり両親の前で横綱の武蔵丸関を倒したことは…」とそこまで言うと一度言葉を切って両目からこぼれ出た涙を手とハンカチでぬぐう。それから気を取り直し言葉を探すように「…誇りに思います。初めて両親を招待して初めて横綱っていう凄い存在を倒したことが一番の思い出。それしかないと思う」と震える言葉で答えた。新小結に昇進した01年夏場所。初めて国技館に招いた父・ドルゴルスレンさんと母・プレブバダムさんの前で横綱・武蔵丸を撃破した一番を懐かしそうに振り返った。
07年名古屋場所後には夏巡業を休んでモンゴルでサッカーに興じ、2場所の謹慎処分を受けた。土俵上でも度重なるダメ押しや、御法度とされるガッツポーズなどで物議を醸した。厳重注意処分を受けること5度。それでも最後は「本当に何もない、水も違う、言葉も違う国で暖かい空気の中でモンゴルの大草原の少年をここまで、横綱の地位になるまで支えてくれた方々に感謝しております」と感謝の言葉を口にした。
優勝25回の輝かしい足跡を残した朝青龍の引退相撲は、従来の慣例にならえば両国国技館で行われる本場所後に行われるため、5月の夏場所後に行われることが濃厚。ただ、ある親方からは「あんな引退の仕方をした横綱の引退相撲をやっていいのか」と疑問の声が上がっており、最後の儀式である断髪式が無事、行われるかどうかも不確定なのが現実だ。
横綱の場合、通常であれば年寄名跡を取得していなくても5年間は現在のしこ名のまま協会に残れるが、朝青龍は日本国籍を取得していないため、このまま協会を去ることになる。「正直ちょっと休みたい。精神的にかなりダメージも受けた。だが、これからの人生も長いし、まだ自分は29歳なんで、どこまで行けるかという人生も楽しみなんで一生懸命努力していきたい」。12年間の相撲人生に幕を下ろした朝青龍は、沸き上がる拍手の中、寂しそうに会見場を後にした。
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