【結婚詐欺・連続不審死】詐取の４７０万円でローン返済か　木嶋容疑者

　東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん＝当時（４１）＝が埼玉県内で練炭自殺を装って殺害された事件で、殺人容疑で再逮捕された住所不定、無職、木嶋佳苗容疑者（３５）が、大出さんから詐取した現金約４７０万円をカードローンの返済などに充てたことが２日、捜査関係者への取材で分かった。埼玉県警では、大出さんが結婚資金として木嶋容疑者に多額の現金を渡した末に殺害された可能性もあるとみて調べている。

　木嶋容疑者は、大出さんから約４７０万円をだまし取った結婚詐欺の罪で１日に追起訴されている。捜査関係者によると、県警が木嶋容疑者の口座などを調べたところ、大出さんから現金を詐取する前には借金があったが、犯行後は無職だったにもかかわらず、不自然な収入があったという。

　木嶋容疑者はそうした収入をカードローンの返済に充てるなどしたほか、平成２１年８月中旬に引っ越した東京都豊島区の高級マンションの敷金、礼金などに充当。さらに、高級レストランで外食をするなどしており、すぐに元の借金生活に戻ったという。

　捜査関係者によると、木嶋容疑者は借金を抱えていることが多く、県警はカードローンで借りられる限度額を借りては詐欺で得た現金で返済することを繰り返していたとみている。

　また、木嶋容疑者はこれまでに大出さんのほかに５人の男性に対する詐欺などの罪で起訴されているが、大出さんの被害金額はほかの男性に比べて多い。県警は、大出さんが木嶋容疑者との結婚を真剣に考え、結婚が現実味を帯びてきた段階で殺害された可能性があるとみて慎重に調べている。