＜連続不審死＞埼玉の事件、３５歳女を殺人容疑で再逮捕

　首都圏で男性の不審死が相次いだ事件で、埼玉県警は１日朝、昨年８月に交際中だった東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん（当時４１歳）を練炭自殺に見せかけて殺害したとして、大出さんに対する結婚詐欺容疑で逮捕していた住所不定、無職、木嶋佳苗容疑者（３５）を殺人容疑で再逮捕した。木嶋容疑者を巡っては昨年５月、彼女がヘルパーとして出入りしていた千葉県野田市の安藤建三さん（当時８０歳）が自宅で焼死しており、千葉県警も関連を捜査している。

【「聴取」の第一報】連続不審死、結婚詐欺容疑の女聴取　遺体発見現場の写真も

　埼玉県警は１日午前８時２５分に木嶋容疑者を再逮捕し、東入間署に捜査本部を設置。同１０時１５分から桜井雅彦捜査１課長らが記者会見した。容疑は０９年８月５日夜、同県富士見市の駐車場に止めたレンタカー内で練炭に火をつけ、大出さんを一酸化炭素中毒死させたとしている。県警によると、火をつけたのは午後７時半〜１０時半ごろと推定されるが、木嶋容疑者は容疑を否認しているという。

　県警によると、大出さんは昨年７月にインターネットの結婚紹介サイトを通じて木嶋容疑者と知り合い、交際を始めた。同８月５日に自身のブログで「今夜から２泊３日で婚前旅行に行きます」などと書き込んでいたが、翌６日朝にレンタカー内で死亡しているのが発見された。

　直後に県警の事情聴取を受けた木嶋容疑者は「５日に自分の部屋で一緒にビーフシチューを食べた。その後けんかになって駐車場で別れた。ショックで自殺したのではないか」と説明していたというが、県警は車の鍵が見つからないことや遺体から木嶋容疑者が処方されていたものと同一の睡眠薬の成分が検出されるなど不審点があったことから、捜査を続けていた。

　捜査関係者によると、司法解剖で遺体から睡眠薬の成分が検出された大出さんと安藤さんのほかにも、木嶋容疑者に約７４００万円を渡していた千葉県松戸市の男性（当時７０歳）が０７年８月に死亡したほか、交際していた東京都青梅市の男性（当時５３歳）も昨年２月に死亡している。いずれも当時の検視で病死や自殺と判断されたが、解剖は行われず、死因が解明されなかったことを問題視する声が上がっている。

　１日午前、拘置先の埼玉県警川越署で木嶋容疑者に接見した弁護士は「お話しすることはできません。裁判が終われば説明します」と話した。【浅野翔太郎、町田結子】

　◇おことわり

　首都圏連続不審死事件で、別の詐欺などの容疑で逮捕されていた木嶋容疑者を匿名としてきましたが、殺人容疑で逮捕されたため実名に切り替えます。

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