記者日記

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

延命治療の線引き /埼玉

 富山県の病院で人工呼吸器を外された末期患者が死亡した問題で、昨年末、殺人容疑で書類送検された医師2人が容疑不十分で不起訴になった。私も5年ほど前、同様のケースを北海道で取材した。その医師もやはり不起訴だった。

 遺族にも居場所を探し出して取材したが、ある時「もう放っておいてほしい」と怒りをあらわにされた。医師には恨みどころか、親を治療してもらった感謝の念さえあった。それなのに、捜査機関やマスコミに振り回される。複雑な思いがあったことだろう。

 医療関係者にも意見を聞いてまわったが、大半が延命治療の中止について法律の定義づけを求めていた。国や学会が07年以降に作った指針は、医師が刑事責任に問われない基準を事実上先送りにしている。遺族や現場の医師たちの苦悩を少しでもなくすため、私も明確な線引きを求めたい。【岸本悠】

毎日新聞 2010年2月2日 地方版

PR情報

 
郷土料理百選
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド