戦後65年、実質「無罪」の決定となります。戦時下最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」で、有罪判決が出された雑誌の編集者らについて、横浜地裁は遺族らが請求した刑事補償を認める決定を下しました。
「横浜事件」は、戦時中、雑誌編集者らおよそ60人が共産主義の宣伝となる論文を雑誌に掲載したなどとして、当時の治安維持法違反の疑いで逮捕され、4人が獄死、およそ30人が有罪判決を受けたものです。
元被告の遺族が身柄を拘束されたことに対し、去年、刑事補償を請求していましたが、横浜地裁は4日、あわせておよそ4700万円の支払いを認める決定を下しました。
決定書は、元被告の自白が拷問によるものだったと認定。有罪判決を下した裁判所の過失にも触れ、戦後65年を経て、初めて冤罪だったとの判断を示しました。
「やっと勝ち取った。本当の答えが、やっと国から得ることができた」(元被告の遺族)
元被告らは無罪判決を求め、24年前から4度にわたり再審請求を行ってきましたが、有罪、無罪の判断をせずに裁判を打ち切る「免訴」となっていました。(04日11:17)