小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で東京地検特捜部に逮捕された元会計責任者の公設第1秘書・大久保隆規容疑者(48)が、大久保秘書らに裏金を提供したと証言した中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元役員から、接待を複数回受けたことを認めたことが、関係者の話でわかった。特捜部も同様の事実を把握している模様だ。
大久保秘書は裏金の受領自体は否認を続けているという。特捜部は、接待は小沢氏側と水谷建設が密接な関係にあった証拠の一つとみて、さらに詳しく調べている。
この事件で、特捜部は、大久保秘書と、陸山会の事務担当者だった元秘書の衆院議員・石川知裕容疑者(36)らを政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕。大久保秘書らは2004年10月29日、陸山会に入金した原資不明の4億円を使い、東京都世田谷区内の宅地を約3億5千万円で購入しながら、04年分の政治資金収支報告書に収支を記載しなかった疑いなどが持たれている。
関係者によると、大久保秘書は、自分が現金を手渡ししたと証言した水谷建設元役員から「東京・向島の料亭で2回接待を受けたことはある」と認めたという。特捜部も06年に水谷建設の脱税事件を摘発して以降、同社の向島での接待の実態については徹底的に調べた模様だ。
また、特捜部が石川議員の議員会館の事務所を13日に家宅捜索した際、部屋から元役員の名刺を押収していたことも判明。石川議員は関係者に対して、「すれ違ったことはあったのかもしれないが、会ったという認識はない」と弁明し、「黒いことは一切していない」とあくまで裏金受領を否定しているという。