国土交通省が10年度に行う公共事業の実施場所(個所付け)を民主党が都道府県連に通知したことに対し、野党は3日、一斉に反発した。自民党は衆院予算委員会の理事会で、経緯の説明を民主党に要求。回答を得られなかったため、この日の予算委で予定していた10年度予算案の趣旨説明が4日に先送りされる事態になった。
自民党理事は「われわれは予算成立前にこんなことはしなかった」と憤りを隠さず、通知を認めたとされる馬淵澄夫副国交相の処分を要求する構え。同党の石破茂政調会長は記者会見で「予算の私物化だ」と批判し、共産党の小池晃政策委員長も「国会審議を形骸(けいがい)化させる」と指摘した。
これを踏まえ、民主党では3日夕、高嶋良充参院幹事長が副幹事長と対応を協議。その後、衆院予算委の松原仁筆頭理事に「途中段階の予算の配分予定額を示しただけだ」と説明した。【高山祐、木下訓明】
毎日新聞 2010年2月3日 23時14分