【カイロ和田浩明】3月上旬に予定されているイラク連邦議会選挙に、イスラム教スンニ派の有力政治家や政党が参加を拒否される可能性が浮上している。現在は非合法化されている旧政権党バース党との関係を問われたためだが、政治家らは法廷闘争も辞さない構えで宗派間対立による混乱も予想される。
イラクでは旧バース党関係者は公職就任が制限されている。AFP通信などによると、審査担当の議会委員会は8日までにスンニ派のサレハ・ムトラク氏ら14の政治家・政党が「親バース党」的だとして立候補を禁じるよう勧告。中央選挙管理委員会が最終決定する。
ムトラク氏は8日の会見で、立候補が禁じられれば撤回を求めて提訴する意向を表明した。同氏はアラウィ元首相らと政治会派を組織しているが、同会派報道官のハイダー・ムッラ氏は毎日新聞の取材に「選挙ボイコットもありうる」と発言。今回の勧告は「イランの影響によるもの」などと主張した。
毎日新聞 2010年1月10日 東京朝刊