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【偽りの果てに】(上)恵まれた“名家”の娘、犯罪に手を染めたその原点は… (1/3ページ)
このニュースのトピックス:結婚詐欺・連続不審死
北方領土・国後(くなしり)島が見える北海道別海(べつかい)町。殺人容疑で逮捕された木嶋佳苗容疑者(35)は、人口1万6千人の町で育った。
郊外の幹線道路には「牛横断注意」の標識が立つのどかな酪農の街にあって、木嶋容疑者の一家は、「町の人間なら誰もが知っている」(地元の商店主)という“名家”だった。
祖母は元町長の妹、祖父は町議会議長を3期にわたって務める一方、司法書士として事務所も構えていた。父親は行政書士で、母親はピアノ講師。
周囲をシラカバに囲まれたしゃれた自宅にはピアノが置かれ、休日には室内からピアノの美しい旋律が流れていた。「父親はクラシック音楽が好きだったみたい。休日はパイプを燻(くゆ)らせながら散歩していた。“音楽一家”というイメージがあった」。隣に住んでいた女性(64)はこう証言する。
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4人きょうだいの長女として生まれた木嶋容疑者。近所の男性(67)は「両親は子供の教育に熱心だった」と話す。テレビは自宅に置かず、時間を決めて近所に住む祖父母宅に見に行かせていた。
「“お姉さん的”というのかな」と印象を語るのは小中学校で同級生だった男性。「成績はよく、字は達筆で絵も上手。朝礼で賞状を受けることも1度や2度ではなかった」
両親にとって自慢の娘だったようだ。近所の女性は、それを裏付ける会話を覚えていた。「母親は『ウチの子はクッキー作るのがうまいのよ』『ピアノが上手なのよ』とよく自慢していた」。ただ、こうも見えたという。「横で聞いてる佳苗ちゃんは、そう言われるのが嫌だったみたい」