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選ぶポイントはひとつ「やりたい」…貴乃花親方(下)

真相直撃インタビュー「気になるあの人あの話題」

 大相撲春場所は15日、大阪府立体育会館で初日を迎える。貴乃花親方(36)も部屋を興して今年で6年目。部屋初の関取誕生の期待もかかる。親方としての弟子の育て方、同世代の親に向けた子育て論などを初めて夕刊フジに激白した。(聞き手=夕刊フジ編集委員・久保武司)

 −−親方として、親として人を育てる、子を育てるノウハウとは

 「やはりまず挨拶です。挨拶をすることで自分の強さや弱さがよく見えますから。すごい大事な要素だと思いますね」

 −−新弟子も入りました。弟子を選ぶポイントを教えてください

 「たったひとつ。『やりたい。うちにきたい』という言葉が出るか、それだけです。それ以外は一切気にしません。それが私の方針です」

 −−けいこで親方が声をかけると、弟子が必ず目を見ながら話している。弟子もはっきりした口調で返事をしている

 「相撲道では目上の方より高くなってはいけない。だから、師匠の言葉を聞くときには必ず蹲踞(そんきょ)をします。体で覚えてくれたほうが彼らの後の人生に役立つはずです」

 −−礼に始まり礼に終わるということですね

 「それが日本では一番わだかまりがないのです。『いただきます』という言葉は『お母さんに対して作っていただいてありがとう』というもの。『いってらっしゃい』は『お父さんに家族のために働いてくれてありがとう』という気持ち。『おかえりなさい』『ただいま』は『今日も元気で過ごせました。ありがとうございます』という感謝の気持ち。そういう環境を部屋につくっていきたいと常に思っています」

 −−日本ではどこの家でも当たり前の風景でしたが、今はその歯車がおかしくなっている

 「そうですね。お父さんたちが疲れていますよね。働いて家に帰ってくるのが精いっぱいな時代になってしまった感があります」

 −−相撲の道を選ばなければ36歳とまさに働き盛りの年代。親方が普通のお父さんだったら

 「私はサッカーを生で見ることが弟子を教えることに役立っていると思っています。相撲とは違う世界を見て自分に投影できるというか…。でも今はそういう場に数多く行くのは疲れるからやめてしまう時代かもしれません。映画でも家で見るのと映画館で見るのではまるで違いますからね」

 −−ともかく一歩踏み出して見るということですね

 「自分が感じることで、まず子供に分け与えられるし、会社に行っても部下や仲間と話の華が咲くじゃないですか」

 −−いろいろな出会いも生まれる。出会いといえば、横綱昇進(22歳)のときの口上、「不惜身命」は故緒形拳さんから頂いたとも

 「そうなんです。名付け親みたいなもの。緒形さんからはたった一言『君に合っている言葉だよって…』。それだけでした。懐かしいです」

【いいと思ったら率直に受け入れる】

 −−親方が若い新弟子の頃はやはり、何でも見て盗んできたのですか

 「いいなと思ったら率直に受け入れる心ですよね。若い頃はともかくいろんなものを見ることが大事です。あとは人生のすべてをかけてやる。サッカーではブラジルの選手なんかそうですよね」

 −−サッカーフリークの親方らしい。そういえば、ドイツW杯も観戦しているそうですが、どんな思い出がありますか

 「あの時食べたウインナー、おいしかったなぁ。うちの息子もいまだに『おいしかった』って言いますから。子供にとってはそれも勉強ですよね。本場の味は違うんだって」

 まずは外に出て、本物をじかに見て感じること。その大切さを改めて教えてもらったような気がする。

 ■貴乃花光司(たかのはな・こうじ) 1972(昭和47)年8月12日生まれ、東京・中野区出身。本名・花田光司。第65代横綱。幕内優勝22回は歴代単独5位(成績は794勝262敗201休)。03年1月場所で引退し、日本相撲協会が大横綱の功績をたたえて贈る一代年寄として貴乃花部屋を興した。現在、弟子の育成とともに日本相撲協会の役員待遇委員・巡業部副部長を務めている。

ZAKZAK 2009/03/07

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