押尾被告が保釈申請…却下が濃厚

　合成麻薬ＭＤＭＡを一緒に飲み、死亡した飲食店従業員・田中香織さん（当時３０歳）に対する保護責任者遺棄致死罪に問われた元俳優の押尾学被告（３１）が３日、弁護人を通じて東京地裁に保釈を請求した。保釈は、被告に証拠隠滅や逃亡のおそれなどがないか地裁が判断するが、この日中に保釈が認められることはなかった。

　昨年８月、麻薬取締法違反（使用）の罪で起訴されたときは、申請してから２日で保釈が認められ、さらに３日たってから保釈。しかし今回、保釈への道は険しい。

　押尾は今回の罪についての取り調べに対し、容疑を否認し続けた。先月２６日に会見した弁護人は「必要な保護措置を取っており、遺棄行為には当たらない」と、公判で無罪を主張する方針を明らかにしている。

　板倉宏・日大名誉教授は「保釈を請求することは、権利としてあるが、罪を認めていることが大前提。否認している以上、保釈が認められることはないでしょう。ダメ元で請求したのではないでしょうか」と、保釈の可能性はほぼゼロとした。申請が却下される場合も「２～３日を要すのでは」と見通しを語った。

　押尾被告は今後、拘置されたまま芸能人で初の裁判員裁判に臨むことになる。３月５日に公判前整理手続き第１回協議が行われる。