2010年2月4日 2時30分 更新:2月4日 3時0分
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件に絡み、同党衆院議員、石川知裕容疑者(36)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が同会事務担当者だった04年ごろ、東京都内の水産会社社長側から約800万円の政治献金を受領しながら、政治資金収支報告書に記載していないことが分かった。石川議員は陸山会への寄付金だったにもかかわらず、小沢氏の関連政治団体によるパーティー券収入に偽装したという。
石川議員は東京地検特捜部の調べに対し偽装処理を認めている模様で、石川議員による違法な会計処理がまた明らかになった。
関係者によると、水産会社社長は04~07年、毎年それぞれ114万~140万円を陸山会に個人献金して同会の収支報告書にも記載されているが、社長側はこれら記載分以外に04年ごろ、計約800万円を寄付。しかし石川議員は、自らが会計責任者を務めていた小沢氏の関連政治団体「小沢一郎政経研究会」のパーティー券収入として会計処理した。
1回のパーティーにつき購入額が20万円を超えると政経研究会の収支報告書に個人名を記載しなければならないため、20万円以下の小口購入を装って分散して処理したという。
政経研究会の収支報告書によると、石川議員が同会の会計責任者を務めた00~04年、計約6億9500万円のパーティー券収入があり、このうち約92.8%の計約6億4500万円は20万円以下の小口購入者だった。石川議員は逮捕前、毎日新聞の取材に「偽装していない」と否定する一方、「そんな話(パーティー券収入の偽装処理)で立件されるなら、1億円ぐらいのパーティー収入がある人は皆捕まるのではないか」と述べ、同様の偽装処理が広く横行しているとの認識を示した。
水産会社には昨年12月24日に文書で取材を申し込んだが、3日までに回答はなかった。