理化学研究所は、症状が急速に進む急性骨髄性白血病で、再発の原因とされる白血病幹細胞の増殖や腫瘍(しゅよう)に関係する25種類のたんぱく質を発見した。このたんぱく質の働きを妨げれば再発を防げる。副作用の少ない治療薬の開発につながる成果。3日付の米科学誌(電子版)に発表した。
急性骨髄性白血病は、患者の体内で異常な白血病細胞が増えて正常な血液などが作れなくなる。白血病細胞を抗がん剤で一時的に減らしても、しばらくして再発してしまうのが課題だった。
白血病の再発は、白血病幹細胞に抗がん剤が効かず、白血病細胞を作り続けることが一因とされる。今回、白血病幹細胞が白血病細胞を増やすのに欠かせない酵素や、腫瘍化に関係するとみられるたんぱく質を持つことを突き止めた。正常な血液をつくる別の幹細胞には見つからなかった。白血病幹細胞の働きを抑える標的になり、白血病の根治につながる成果という。(07:00)