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なるほドリ:県内の南北格差って何? /奈良

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 ◇高齢化、医療面などに違い 大阪近郊・北和と山間部・南和

 なるほドリ 「県内の南北格差」って、よく指摘されるけれど、どういうことなの?

 記者 一般的に、奈良市や生駒市、大和郡山市など大和平野に広がる大阪府に近い北部地域と、吉野郡や五條市といった山間部の南部地域の所得や住環境などの格差を指します。北部地域を北和、南部地域を南和と呼ぶこともあります。

 Q そんなに差があるの?

 A 例えば、05年の国勢調査によると、高齢者比率で大きな違いがみられます。県内で高い順に、川上村(46・9%)▽東吉野村(43・7%)▽天川村(43・3%)▽下北山村(41・3%)で、いずれも吉野郡です。低い順では、香芝市(15・1%)▽広陵町15・5%)▽生駒市(16・8%)▽橿原市(17・6%)で、中部・北部地域です。若年者層(1975~80年生まれ)の人口流出入動向でも、南和地域は約30%が流出しています。

 Q 住環境の面ではどうかな?

 A 08年4月に県が調べた道路改良率は、天川村や十津川村、下市町が20%台なのに対し、三宅町や上牧町、安堵町など中部・北部地域は80~90%台となっています。医療面では、人口10万人当たりの一般病床数が、県平均で740・7床なのに対し、南部地域は728・7床。人口10万人当たりの医師数は、県平均で208人、南部地域は194・9人です。地域経済でも、従業員1人当たりの製造品販売額は、県平均で約350万円ですが、南部地域は約210万円です。

 Q どうしてこんなに格差があるの?

 A さまざまな要因が考えられますが、産業構造の変化が影響しているとみられます。林業を中心に発展してきた南部地域は、第一次産業就業者の割合が県平均の3・2%に比べ、12・4%と高いのです。林業の衰退とともに、格差が広がったと言えるでしょう。

 Q 格差はどうやったら埋められるの?

 A 簡単に解決する問題ではありませんが、県は重点的に取り組むため、11年度にも「南部振興局(仮称)」を設置する方向で検討します。ただ、どの地域を南部とするかさえ決まっておらず、設置場所も県庁内か、現地かなどで反発も起きかねません。地域の声も考慮したうえで、丁寧な議論が求められるでしょう。<回答・阿部亮介(奈良支局)>

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 〒630-8114(住所不要)毎日新聞奈良支局「質問なるほドリ」係(o.nara@mainichi.co.jp)

毎日新聞 2010年2月3日 地方版

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