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554.ノートンの歴史はバイクの歴史 残光
 1972年ノートンはインペリアルタバコ社をスポンサーに米国デイトナ200マイルレースに出場しました。
750ccを超えるスーパー・バイクのレースは注目の的であり、結果を残せれば最大級の宣伝となるはずでした。

しかし、当時のノートンには最早、新エンジンを開発する力はなく、空気抵抗の軽減、車重の軽量化と
ハンドリングの向上
日、伊の強豪と勝負するしかありませんでした。
その結果、生まれたのが少しでも低重心化し、ハンドリングを良くするためのパニア・タンク
G・スタイル・フレームでした。

ノートン JPN ”Gスタイルフレーム” 1972年

このガソリン・タンクは通常よりズッと低い位置に振り分けられて設置され、まるで馬の鞍の様に見える事から
パニア・タンクと呼ばれたのです。

もちろん、振動軽減のため、アイソラスティック機構(553.参照)も採用していました。

Gスタイル・フレームの特徴は通常のダブル・クレードル・フレームに加え、ヘッド・パイプとシートを
繋ぐ太いメインパイプがある事です。

この辺り、エグリ・フレームの要素が取り入れられているのかもしれません。
このパイプを中心とし、ガソリンタンクが左右に振り分けられているのです。

エグリ・ビンセントのエグリ・フレーム

ブランズハッチのハッチソン100マイルレースではポールスマートが駆るDUCATI F750を打ち負かし、
潜在能力の高さを示しました。

私はこの目の覚める様な青色のJPN”Gスタイル・フレーム”レーサーが特に好きです。
まるでマン島TTレースで活躍したノートンの最後の輝きが込められている様です。
by SS992 | 2010-01-28 21:58 | メカ談義 | Trackback | Comments(2)
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Commented by d675 at 2010-01-29 02:00 x
パニア・タンクとG・スタイル・フレームですか~
ガソリンタンクを左右に振り分ける…

エンジン性能に頼らない、理にかなったアイデアが目白押しですね
バイク構造の、レイアウトのもつ重要性が伝わってきます
なんというか、
ノートンさんの底力をまざまざと見せられた気がしましたね

もう感心しっぱなしですよ
ものづくりのなんたるかを見る気さえもしますよ

パワーをもらいました◎
Commented by 峰風(SS992) at 2010-01-29 06:21 x
 パニア・タンクやGスタイル・フレームは旧式なギアボックス別体のコマンド・エンジンしか
使えなかったノートンが苦し紛れに搾り出したアイデアです。

歴史に「もし、」は許されませんが、もし、ノートンの財政事情が良くて
新エンジンを開発する余力があったなら、そしてパニア・タンクやGスタイル・フレームも
開発していたなら、今、スーパーバイクで活躍しているのはDUCATIでは無く、
ノートンだったかもしれません。

 まあ財政が豊かだったらノートンと言えども数字化が出来て評価しやすく、
シロウトでも理解しやすい、エンジン開発の方向に進んでいた可能性が濃いと
私は思いますが・・・。

確かにd675さんのおっしゃる通り、「物作りは簡単に諦めてはだめだ」と
言う事をノートンは我々に教えてくれました。

そこまで読み込んでいただけた事を感謝します。
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