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え〜っ!朝青龍問題、本人聴取なし?

 事情聴取を終え、国技館を後にする一宮マネジャ-(右)と運転手の染谷氏=両国国技館
 事情聴取を終え、国技館を後にする一宮マネジャ-(右)と運転手の染谷氏=両国国技館

 大相撲の横綱朝青龍(29)=高砂=の暴行騒動について、調査委員会は2日、騒動の現場にいた朝青龍の運転手と、一宮章広マネジャーを両国国技館に呼び出して事情聴取した。当時、朝青龍が泥酔状態だったと報告を受けた友綱委員長(元関脇魁輝)は、朝青龍を事情聴取することの効果を疑問視。急転、騒動の当事者本人の聴取がなくなる可能性が浮上した。処分については、4日の理事会は中間報告にとどめ、10日をめどに最終報告をまとめる。

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 調査委員会の活動初日から、朝青龍への追及ムードが弱まった。友綱委員長は、横綱の事情聴取の必要性について「横綱は多分、(酔って)覚えていないんじゃないかなという感じ。呼んで話すといっても、チンプンカンプンなことになるかなと」として、否定的な見解を示した。

 完全に可能性を否定した訳ではないが、協会が真相究明に及び腰だと思われても仕方がない。会見後、真意を問われた同委員長は「(報道陣が)好きに解釈したらいい」とした。「横綱の事情聴取はある」としていた前日から一転、トーンダウン。本人の口から、事件の全容が語られない可能性が出てきた。

 運転手と個人マネジャーの事情聴取は午後2時過ぎから約1時間半にわたって行われた。騒動が起きた16日早朝、現場となった車内には、朝青龍と、被害者とされる知人男性、運転手の3人しかおらず、一宮マネジャーは騒動の発生後に西麻布の現場に駆けつけたことが確認された。

 被害男性のけがの程度については「報道されている骨折というのは確認できなかった。車の中にも表にも、血痕みたいなものはなかった」(友綱委員長)。事実なら、被害男性が取ったとされる「全治1カ月」の診断書の信頼性が揺らぐ。

 騒動が起こったきっかけについても、友綱委員長は「分からない。運転手さんは、車に乗り込んだ時に2人ともかなり酔っぱらっていたので、とにかく乗り込んで『行け』と言われて走ったと」と説明した。

 4日の理事会で中間報告を出し、10日をめどに調査を終える見通しだが、運転手とマネジャーの聴取だけでは不明点が多すぎるのも事実。今後、師匠の高砂親方(元大関朝潮)からも事情を聴く方針だが、肝心の朝青龍から話を聞く必要があるはずだ。

(2010年2月2日)





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