個人型401kのシンプルな選び方
掲載日時:2010.02.01 12:00
年始のセールで19800円でPSP GOを入手して大喜びしているガジェット大好きFPの山崎です。SONY製HDDレコーダーから録画したアニメ(デュラララ!!とか)を電車の中で見てはちょっと得意げになっています。Bluetoothで音声ワイヤレスにするとさらに気持ちいいです。音声ケーブルがワイヤレスになるのって、いいですよ。これでダウンロードソフトがもっと安ければうれしいのですが。
さて、今回は、個人型確定拠出年金(個人型401k)を選ぶ方法を伝授します。
個人型401kは税制上のメリットが強力な(掛金は所得として非課税になるため所得税が軽減され、運用益も非課税なので全額手元に残して効率的に増やせる)、国の行う制度(国民年金基金連合会が主管)です。
国の制度ではありますが、個人型401kでは金融機関ごとに運用商品の選択肢や手数料体系を自由に決定できる仕組みとなっています。つまり、「どの金融機関にするか」が、あなたの老後資産の運用に影響する可能性があるわけです。
ところが、個人型401kの相談を店頭で応じていない金融機関が多いこともあり、ほとんどの金融機関が個人型401kを取り扱っているにもかかわらず、金融機関選びは難しいものとなっています。
せっかくのいい制度なのに、面倒さが先にたって活用に躊躇している人も多いことでしょう。そこで今回は個人型確定拠出年金選択のヒントをご紹介したいと思います。
チェックポイントは以下のとおりです。
チェック1) 事務手数料
個人型401kは各種事務手数料を自分で負担しなければなりません。
具体的には
- 国民年金基金連合会(月額100円)
- 資産管理機関(信託銀行等。月額60円前後)
- 記録関連運営管理機関(レコードキーピング会社ともいう。月額260円前後)
- 運用関連運営管理機関(月額70円前後)
が、かかります。おおむね月額500円、年額6000円程度がかかり、これらは内枠で個人型401kの資産から引かれます(ただし、掛金を毎月1万円程度納めていれば所得税の軽減効果がありますので、十分元がとれます)。
この手数料について、まずチェックしてみてください。いくつかの金融機関では資産額が多い場合(残高が50万円以上など)の条件が揃えば、事務手数料の割引を行うことがあります。
SBI証券(年額3912円)、スルガ銀行(年額1956円)などが割引手数料を設定しているようです。条件を確認してみるといいでしょう。
チェック2) 運用商品の手数料
次にチェックしたいのは、運用商品の手数料です。特に投資信託の運用手数料(信託報酬という)を見てみます。具体的には、
- (A)日本株式で運用するインデックス型の投資信託
- (B)各種投資対象を組み合わせて運用するバランス型の投資信託
の2種類を探して手数料比較してみてください。(A)が年率0.7%以上、(B)が年率2%以上のものしかない場合、手数料が割高な可能性があります。例えば野村證券の個人型401kの場合、(A)が約0.6%の手数料(年率)、(B)が年率1.1~1.55%程度(実質的な信託報酬の年率)となっています。いくつかチェックしてみるといいでしょう。
運用手数料はバカにできないコストです。仮に資産残高が100万円あったとき、運用商品の手数料が年1%高い場合、1万円多く運用手数料を払うことになります(全額を投資信託で運用したと仮定)。せっかく事務手数料の安い金融機関を選んでも、高い運用手数料を支払えば結果としては損をしてしまうこともあります。チェックポイント1の事務コストとあわせてバランスの良いところを選びましょう。
また、余裕があれば定期預金や生保商品の最新の利回りも見てみるといいでしょう。全般に高利回りの定期預金等がたくさんあります。例えば中央労働金庫の提供する定期預金の場合、0.22%を提示していたりします。普通に定期預金を組むと0.05%程度の利回りですから、これも見逃せない有利な条件といえます(いずれも執筆時点の情報)。
チェック3) 運用商品のラインナップ
最後が、運用商品のラインナップです。チェックを始めるとき、ついつい商品リストから比較をしたくなるものですが、先にコストを見極めることが重要です。
国内株式、国内債券、外国株式、外国債券で運用するインデックス型の投資信託が1本ずつあり、自動的に組み合わせて運用してくれるバランス型と呼ばれる投資信託が3本程度あれば、基本的な運用は行える選択肢といえます。バリエーションがある場合は、自分の好みに合致した商品が含まれているかを検討してみてください。
投資信託が何十本もある個人型401kは確かに魅力的ですが、手数料の高い商品ばかりで結果として運用がうまくいかないことのないようにしたいものです(手数料以上の運用成績が上げられるという自信があれば別ですが)。
まとめ) とりあえずいくつか資料請求をしてみよう
ホームページを見ていて、事務手数料や運用商品の手数料情報をきちんと表示していない金融機関は、候補から除外してしまってかまいません。有利な情報でしたら喜んで開示するはずですから。
国民年金基金連合会のホームページには取り扱い金融機関のリンク集があります(→こちらから)。
また、投資信託の評価会社であるモーニングスター社のホームページにも比較サイトがあります(→こちらから)。
それぞれ参考にしてみてください。なお、個人的意見としてですが、スルガ銀行はなかなかがんばっているプランのように思いました(私が個人型401kを行っている金融機関ではないのですが)。
いくつか良さそうな金融機関が見つかったら、オンラインで資料請求をしてみましょう。最初から1つに決めず、銀行、証券会社、生損保など、4~6社程度請求をしてみて比較するといいでしょう。
良さそうなところがみつかり、老後に向けてしっかり備えていこうと考えたときには、個人型401kをぜひ検討してみてください。
また、「ここがいいよ」という情報がありましたら、ぜひ教えてくださいね。
(山崎俊輔)
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