2008年度の市町村国民健康保険(国保)の保険料収納率(金額ベース)が前年度比2・1ポイント減の88・3%と、4年ぶりに悪化し、国民皆保険に移行した1961年度以降で過去最低となったことが2日、厚生労働省のまとめで明らかになった。減少幅も過去最大。大分県が同2・7ポイント減と全国最低だった。
同省は「後期高齢者医療制度創設で、収納率が高い75歳以上の高齢者が抜けたことや景気の悪化が影響した」と分析している。
収納率低下は全都道府県に及び、対象保険者の1788市町村の90・3%に上る1615自治体が悪化した。全国平均は96年度(93・0%)から2004年度(90・0%)まで下落が続いたものの、景気回復などで05年度から改善していた。
都道府県別では、08年度の収納率が最も高いのは島根94・1%、最低は東京84・2%。人口の多い市町村ほど悪い傾向が続く。減少幅で大きいのは大分に次いで東京2・6ポイント、神奈川2・5ポイントなどだった。
一方、09年の保険料の滞納世帯比率(6月時点)も過去最悪の20・8%(前年度比0・2ポイント増)。08年度の市町村国保の財政状況は、一般会計からの補てんを除いた実質収支で2384億円の赤字。制度変更で07年度から1236億円赤字幅が縮小したものの、厳しい財政状況が続く。赤字市町村数は45%の812。
=2010/02/03付 西日本新聞朝刊=