トップへ戻る ºÇ¿·¹æ ÄÌ¿®ÈÎÇä ¥Æ¡¼¥ß¥¹¤È¤Ï ¹­¹ð·ÇºÜ  
<お知らせ>
’05年1月から発売日が変わり、毎月1日の発売となります。今後ともご愛読の程宜しくお願い致します。

最新号の目次へ
最新号の目次はこちらです
次号は3/1発売です!
定期購読申込み
半年/年間定期購読のお申込を
ネット上で受付しています。
  購読の更新・中止について

過去のタイトルを検索する
記事のダイジェスト版が毎月
届くメールマガジンです!

配信停止申込み
  最新号の目次を更新しました
  朝日新聞の報道を正せば明るくなる
『日本人が勇気と自信を持つ本』 好評発売中!
テーミスの雑誌・書籍がネット上でお買い求めいただけます
雑誌コーナー
テーミス
バックナンバー
書籍コーナー
書籍コーナー
  往来之記
  今月の立ち読み記事
  がん特集記事
  広報担当者様へ
  テーミスとは
  ご意見はこちらまで
  テーミス編集部 ブログ
トップページ 今月号の目次立ち読み記事(無料)ページ

トヨタなどが標的にされて
米中は日本の自動車「排撃」で手を結んだ
組織的なクレームや「日本の環境車締め出し法案」に加えバフェット氏の中国支援も


■闇のラルフ・ネーダーがいる
’09年末、米国の消費者団体から、米国トヨタ関係者の心胆を寒からしめるようなリポートが発表された。
「米国で販売された自動車でクレームが多かったのはトヨタ。クレーム全体に占める割合もGM28%に対し、トヨタ41%とトップになった」
発表したのは米国の有力消費者団体専門誌『コンシュマー・リポート』だ。米国の運輸省高速道路安全局(NHTSA)が’08年型の車種を対象に調査したデータに基づくという。
「闇のラルフ・ネーダーがいる」
在米の日系自動車関係者の間でこんな見方が広がっている。トヨタを代表に日本車の起こした事故を徹底的に調査し、米国の調査機関やマスコミに持ち込んで事件化するのだ。
ラルフ・ネーダーとは米国で1970年代に活躍した消費者運動家の元祖だ。米企業の問題のある製品を徹底的に調査し、告発し、全米の大手企業を震え上がらせた。
実際、問題はトヨタの代表車種である「カローラ」に始まり、’09年11月には米国で最人気車種となった「レクサス」にも飛び火、アクセルペダルにフロアマットが引っ掛かる問題が指摘され、426万台の「リコール」に追い込まれた。さらに今年1月21日には、8車種、計約230万台を昨年とは別の不具合でリコールすると発表した。これらは米消費者からのクレームが発端だった。
あるトヨタ系ディーラーはいう。
「米安全局は日本車に甘いとビッグスリーや全米自動車業界から批判されてきた。風向きが全く変わった」
昨年12月、日本政府のエコカー補助制度に米国の自動車産業界が非難の声を上げた。日本車に適用される補助が米国のエコカーに適用されないのは「不公平貿易の象徴」というのだ。GMなどビッグスリーが加盟する全米自動車政策協議会(AAPC)に加え、民主党のスタベノウ女性上院議員も、改善に向け日本政府に圧力をかけるようオバマ大統領に求めた。さらに1月12日には、クリントン国務長官が岡田外相との会談で、「米国車を排除していると米議会で懸念が高まっている」と対応を求めた。そして、日本政府はこの1月、米国車も対象になるよう制度を見直す方針を打ち出したのだ。
米民主党の関係者によると、米国議会では、日本車を対象に米国市場での輸入規制を盛り込んだ報復法案が密かに準備されているという。報復法案の名称は「環境車技術互恵法案」(仮称)などが検討されており、環境車の各国ごとの競争条件の平等化を求めるのが趣旨だ。
しかし、自動車産業界に詳しいジャーナリストは「米国での日本車メーカーの雇用規模などを考えると、
’90年代の円高のときのような一方的な日本叩きは起こりにくい」とみる。



■1千600cc以下優遇措置の真意
だが、すでに韓国の自動車メーカーは、この報復法案から韓国車を対象外にするよう猛烈なロビー活動を展開しているといわれる。疎遠になった日米関係を象徴するかのように、日本の自動車メーカーは情報遮断されているという見方さえある。
「環境車技術の先進性は日本メーカーの利点ですが、技術のグローバルスタンダードは政治の決めること。コンピュータのOSで日本の技術者が開発したトロンが、米マイクロソフトのウィンドウズに敗れ去った歴史が繰り返されようとしている」(ワシントン在住の産業アナリスト)
一方、新車販売市場で’09年に米国を抜き世界最大の自動車市場(1千300万台)になった中国はどうか。
日本メーカーが展開する二大戦略は「環境車と新興国市場」だ。中国市場は日本メーカーにとって米国以上に魅力的な「自由市場」に映る。
しかし、米国の産業ロイビストは「この『環境技術法案』の適用を中国にも打診しているフシがある」という。米中で共通の環境技術法案を作成し、米中共通のライバルである日本車を、市場から「合法的」に制約しようというグローバルな産業政策の動きが出ているというのだ。
実は、トヨタが米国で受けた逆風は、中国でも激しくなっている。
「リコール大王」??。中国の新聞各紙は、トヨタの北米リコールをこう大きく書き立てた。中国でもトヨタ車に対する抗議が相次ぎ、トヨタは「レクサス」などのリコールに追い込まれた。
さらに昨年、中国でトヨタを狙い撃ちしたとされる優遇政策が発動された。中国政府は内陸部の自動車需要を喚起するため、エンジン排気量1千600cc以下の小型乗用車を対象に自動車取得税を大幅に引き下げる優遇措置を打ち出したのだ。トヨタの販売車種は排気量1千600ccを超える車が大半というラインアップ。優遇支援対象外の車が販売店に並び、現場は苦戦に追い込まれた。
それだけではない。在米日系自動車メーカーの間で「中国メーカーに米国での電気自動車の販売認可が下りそうだ」との見方が出始めている。



■世界一を狙う中国電気自動車
その取り持ち役は、米国を代表する著名投資家、ウォーレン・バフェット氏だ。同氏の率いる投資ファンドは、中国の電気自動車メーカー、BYD(比亜迪)の株式約10%を取得し、大株主に躍り出た。同氏は二次電池メーカーであるBYDの電気乗用車進出を評価し、その将来性を高く買っているという。
関係者によると、今年に入り、バフェット氏は米国での販売網開拓についてBYD側と協議し、電気自動車に必要な電気ステーションの整備に関してもBYDの販売促進に助言を与えたという。米歴代政権は米金融危機での同氏の「救済投資」に一目も二目も置いている。
BYDは中国の深1に本社を置くリチウム電池メーカーだ。リチウム電池では世界トップクラスといわれ、中国の中小自動車メーカーを買収し、自動車メーカーの仲間入りを果たした。「電池大王」の異名を取る創業者の王伝福氏の旗振りで、昨年、家庭用の電気で充電できるプラグイン型ハイブリッド車「F3DM」の量産に乗り出し国内販売を始めた。次世代エコカーとして、日本や欧米メーカーが開発に鎬を削っている分野で、プラグイン型ハイブリッド車の量産開始は世界初という。
BYDは、トヨタに代わる世界一の座を虎視眈々と狙っている。国内販売は10万台に満たない後発メーカーだが、プラグイン型ハイブリッド車は価格が約15万元(約200万円)とトヨタが販売する「プリウス」より約10万元も安いのが魅力だ。
BYDが発表する新車には、日本の「カローラ」や独メルセデス・ベンツの「SLクラス」などを真似た「コピー車が多い」(日系自動車の技術担当者役員)との批判が多いのも事実だ。だが、BYDには中国政府の巨額の補助金と、米国投資家の支援という米中2か国の支援がある。
日本政府も減税だけでなく、日本の環境車を世界の標準にもっていくような強力な政策を推進すべきだ。

(2010年2月号掲載)
ページトップへ
 

Copyright (c) 2002- Themis Co.,Ltd All Rights Reserved.
このサイトに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
当ページへのご質問・お問合せは【こちら】までお願い致します。