フィギュア:真央が語る「わたし、ヨナ、そして五輪」(下)

 浅田の考え方は少し違う。「芸術性は人それぞれだと思います。音楽に合わせリズムを表現するなど、何らかの物語を伝えながら芸術性を生かすこともできます。(プログラム自体に)ストーリー性が込められていないので、わたしはスケート自体の華やかさや強さで感動を与えたいです。ISUの新しい採点制はわたしにとって不利ではないと思います」

 浅田は五輪の金メダルが可能な演技の完成度まで80%くらい近づいていると考えている。衣装だけは満足しているそうだ。「デザイナーとコーチが相談して作ったんです。色合いや飾り、スカート丈はわたしが意見を出します。試着してみてよくなかったら直します。自分にはセンスがないと思っているから、けっこうお任せしてしまうほうです」

 「選手村生活が楽しみ」という浅田は「今回の五輪の成績に関係なく、選手生活を続けたいです」と言った。「本当にスケートが好き。最大のご褒美はいい演技ができた時の喜びです。ダイエット(身長163センチ、体重50キロ)もつらくありません」

 「もし、バンクーバー五輪の表彰台に立ったら、ほかの入賞者に何と言いたい?」と聞くと、浅田は「『お疲れさまでした』と言いたいです。韓国でもこういう言葉を使いますか?」と聞いてきた。もし、浅田がキム・ヨナに負けた場合は、下から上を見て「お祝いの言葉」になり、予想外にも浅田がキム・ヨナに勝った場合は、上から下を見て「慰めの言葉」になるわけで、全く違った意味合いになってしまう。浅田は表彰台のどの高さまで「突進」できるだろうか。

全州=成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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