「嫌なら言ってね」「迷惑だったら言ってね」と言われたときの対処法
では、「嫌なら言ってね」「迷惑だったら言ってね」と、正直に答えにくい疑問を投げられてしまった場合の対処法について考えてみましょう。
(1)「嫌ではないですが」で応戦する
「嫌ではないですが、ちょっと難しいですね」「迷惑ではないですが、ちょっと困ります」という返し方は有効です。冷静に考えてみると、ちょっと難しい、とか、ちょっと困る、という状況は、限りなく嫌がっている状態に近くて、事実上、「嫌だ」と言っているに等しいのですが、拒絶しているムードがかなり緩和されます。
(2)「前の○○は嫌でした」と過去の話をする
「嫌なら言ってね」と言って「まさに今すごく嫌です」というと、目の前で否定された気分になってしまいますが、過去の話として「前の○○は困りましたが…」と言っておくと、過去に嫌だと思った事実を伝えることができ、相手の反省を促すことができます。
(3)同じ行動を取っている人の陰口を言う
陰口はストレスを解消する方法として一般的に知られていますが、より前向きな方法としては、遠まわしに目の前にいる相手の行動に制限を加える方法としても有効です。
あの人の悪いところは、無茶ぶりして、「嫌なら言ってね」とか言うんですよ。嫌だなんて言えるわけがないじゃないですか。しかも、それをわかってて言ってるんですよ。無茶ぶりするんだったら嫌われ者になる覚悟くらいすればいいのに、そこで、「自分は人の話を聞く上司である」というポーズを見せたくて「嫌なら言ってね」…まったく、嫌われたくないんだったら無茶振りしなきゃいいだけの話なのに、本当に器が小さい!
などと、他の人の批判を通しておくと、言いたいことが言えます。
なお、そこで「え……それって自分も当てはまるかも」などと言われたら、「いえいえ、違います。○○さんは大丈夫ですよ」と言っておけば、先方も安心しつつ、今後の行動がマイルドになります。
嫌かどうか確かめる方法
ここまで書くと、「嫌なら言ってね」がどれだけまずいかについて、ご理解いただけたかと思いますが、じゃあ、「嫌なら言って」と言わなければ、どんどん嫌なことをお願いしてしまうかもしれない、と不安な方もいらっしゃるかもしれません。その場合の対処法について考えてみましょう。
(1)当てはまらないかどうか常にチェックする
あまりにも当たり前で書くこともはばかられますが、嫌な行動を取っていないかどうか、自分自身でチェックする姿勢はとても大切です。今回挙げた言葉に限らず、問題行動の多い人は、それが問題であることに気づいていない場合がほとんどで、常にチェックする姿勢を怠っていなければ、最低限の社会生活は保証されます。具体的には、この連載で何度も触れていますが、人の悪口を聞いて自分にあてはまるところがないかを確認することです。また、もっと簡単な方法は、Google検索することです。ためしに「迷惑なら言ってね」で検索してみたら…どうでしょう。実生活で口にしてはならない言葉がわかるなんて、やっぱりインターネットって本当に便利ですね!
(2)相手の積極性に期待する
もしがまんできるのであれば、自分から手を挙げてくれた人にお願いするのがよいです。特別な状況でない限りは、自分から言っているのだから、いやいやながらではないだろう、と確信を持つことができます。プライベートでも、迷惑かどうか気になるのであれば、いっそのことこちらからメールするのをやめればよくて、「自分からはメールしないが、メールをもらったら感じよく返事をする」ことを心がければ、少なくとも迷惑に思われることはありません。
(3)嫌だという前提で話す
彼氏がいるかどうかチェックする方法として、「彼氏がいる前提で話す」という方法が有効ですが、それと同じ原理で、相手が嫌だと思っている前提で話します。「ちょっとこれは嫌だろうけど、今日大変なだけだから我慢してもらえるかな?」などと言って「我慢できます」と返されたら、嫌だということになりますよね。
ということで、言う方も言われる方も得をしない言葉「嫌なら言ってね」。なるべく耳にすることなく平和な日常を過ごしたいものですね!