日本相撲協会の理事選挙(1日投開票)で、大島親方(62)=元大関・旭国=が落選したことを受けて、同じ立浪一門の安治川親方(36)=元前頭・光法=が2日深夜、東京都江東区の大嶽部屋で記者会見し、理事選挙で貴乃花親方(37)=元横綱=に投票したことを明らかにした上で、「一門の親方に大変迷惑をかけた。自らのけじめとして退く覚悟でおります」と、3日に同協会に退職届を提出すると発表した。
会見で安治川親方は「インタビューを聞いた時に何かしてくれるという気持ちが強かった。協会を変えてほしいという思い。一門の立場も分かっていたが、最後は頭より心で動いてしまった」と貴乃花親方に投票した理由を説明。その結果、立浪一門の実力者の大島親方が落選したことについて「自分の1票でああなった。複雑な思いがあった」としながらも「後悔はない。今はすがすがしい気持ちです」と語った。
2日午前、東京・両国国技館で開いた立浪一門の一門会で、貴乃花親方への投票を自ら名乗り出たという。大嶽部屋の大嶽親方(42)=元関脇・貴闘力=は貴乃花親方を支持し、二所ノ関一門を事実上、破門された6人のうちの1人。記者会見の場所を提供した。安治川親方の年寄名跡は立浪一門の伊勢ケ浜部屋から借りていた。
安治川親方は宮城野部屋に入門し、89年春場所で初土俵。01年九州場所で新入幕を果たし、幕内在位4場所で最高位は前頭9枚目。07年九州場所後に引退し、年寄・安治川を襲名。宮城野部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たっていた。【武藤佳正】
毎日新聞 2010年2月3日 0時39分(最終更新 2月3日 1時11分)