福岡県警は2日、後期高齢者医療制度を運用する県広域連合の設立に絡み、県町村会に有利な取り計らいをした謝礼として現金100万円を受け取ったとして、収賄容疑で元福岡県副知事中島孝之容疑者(67)を、贈賄容疑で全国町村会長と県町村会長を務める添田町長山本文男容疑者(84)を逮捕した。県警によると、いずれも大筋で容疑を認めている。
県町村会の不正経理事件に端を発した元副知事をめぐる疑惑は、後期高齢者医療制度をめぐる不正に発展した。
中島容疑者の逮捕容疑は、県後期高齢者医療広域連合設立に際し便宜を図った謝礼として2007年8月上旬ごろ、山本容疑者から福岡市内で100万円を受け取った疑い。
関係者によると、広域連合の設立準備委員会の会長を中島容疑者、副会長を山本容疑者が務めていた。準備委員会では広域連合の議員定数を約30人と主張する市側と、全市町村から1人以上で計約70人とする町村側が対立。最終的に中島容疑者に一任され、町村側の意見に沿った結論となった。ほかに市町村の負担金をめぐっても、意見の対立があったという。