年金問題

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公的年金の制度改革に向け、財源確保や制度一元化などについて議論されている。保険料未納対策も課題。[関連情報]

ヘッドライン

国側が控訴断念=知的障害者の年金不支給訴訟

 知的障害の程度を過小評価され、障害基礎年金の支給を拒否されたとして、滋賀県内の知的障害者6人が不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、厚生労働省は2日、訴えを認めた先月19日の大津地裁判決について、控訴を断念することを決めた。(時事通信)
[記事全文]

◇「不支給処分取り消し」の判決
障害者年金訴訟:不支給処分取り消し 「程度、対象に達する」−−地裁判決 /滋賀 - 毎日新聞(1月20日)
判決を原告側評価 滋賀の障害基礎年金訴訟 - 弁護士は「権利のある人はきちんと受給できるという情報発信になれば」と評価。京都新聞(1月20日)

◇2006年に提訴
障害者の年金問題解決を 滋賀・大津で支援団体が総会 - 産経新聞(2008年8月3日)

障害年金 - 「障害基礎年金」。支給要件など。社会保険庁

※ここより下は、メディア関係者と読者が作るガイドコンテンツです。   表示方法: 標準全部

年金制度の概要

日本の年金制度は、1階部分として全ての国民に加入義務のある国民年金(基礎年金)、2階部分として会社員や公務員に加入義務のある厚生年金保険・共済組合、3階部分として私的年金の企業年金がある。
年金制度のしくみ
3階部分
私的年金
企業年金職域加算
2階部分
(公的年金)
国民年金基金・付加年金厚生年金保険共済組合
1階部分
公的年金
国民年金基礎年金
加入者学生・自営業者等第2号被保険者の
被扶養配偶者
会社員公務員
被保険者種別第1号被保険者第3号被保険者第2号被保険者

公的年金の特徴

  1. 国民皆年金 - 自営業者や無業者を含め、国民すべてが国民年金制度に加入し、基礎年金給付を受ける
  2. 社会保険方式 - それぞれ保険料を拠出し、それに応じ年金給付を受ける(基本的には保険料を納めなければ年金はもらえない、納めた期間が長ければ支給される年金も多くなる)
  3. 世代間扶養 - 基本的には現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えるという世代間扶養の考え方で運営されている

民主党の年金改革案

民主党政権の成立により、年金制度も大改革される可能性が出てきている。
民主党政策集INDEX2009の「年金」によると、
  • 「年金通帳」で「消えない年金」
  • 公平な新しい年金制度を創る
  • 年金受給者の税負担を軽減する
  • 年金保険料は年金給付以外に使わない
  • 社会保険庁廃止と歳入庁創設
  • 無年金障がい者救済の拡充
といったことを掲げている。
担当大臣

政策の実行工程

マニフェスト2009」(PDFファイル)の工程表や上述の政策集によると、

いわゆる「消えた年金」「消された年金」問題への対応を国家プロジェクトと位置付け、2年間集中的に取り組みます

としており、2年間は記録問題への「集中対応期間」として、まずは「年金制度に関する国民的合意」を得る事に全力を挙げて取り組むとしている。
そして、年金記録問題(→年金記録問題トピ参照)の解決にめどをつけた後に、次の2年間は「制度設計期間」として、

危機的状況にある現行の年金制度を公平で分かりやすい制度に改め、年金に対する国民の信頼を確保するため、以下を骨格とする年金制度創設のための法律を 2013年までに成立させます
(1)すべての人が同じ年金制度に加入し、職業を移動しても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化する
(2)すべての人が「所得が同じなら、同じ保険料」を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算する「所得比例年金」を創設する。これにより納めた保険料は必ず返ってくる制度として、年金制度への信頼を確保する
(3)消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、すべての人が7万円以上の年金を受け取れるようにすることで、誰もが最低限の年金を受給でき、安心して高齢期を迎えられる制度にする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には「最低保障年金」を減額する
(4)消費税5%税収相当分を全額「最低保障年金」の財源として投入し、年金財政を安定させる。

を柱とした「公平な新しい年金制度を創る」としている。

民主党案への意見

国民年金・厚生年金保険の概要

国民年金・厚生年金保険は、原則として、
  1. 老齢になった場合
  2. 年金加入中の病気やけが等で障害を有することとなった場合
  3. 年金受給者または被保険者(加入者)が死亡した場合
に年金が支給されることになっている。

給付の種類

年金給付のしくみは非常に複雑であるが、おおまかに言えば、以下の給付の種類と内容がある
解説サイト集

国民年金制度

給付

保険料

第1号被保険者の月々の保険料は14,660円(平成21年度)である。第2号被保険者は加入している被用者年金制度から第3号被保険者の分を含めて「基礎年金拠出金」として年金特別会計の基礎年金勘定に拠出することとなっている。保険料は「保険料水準固定方式」に基づいて平成17年度から毎年度引き上げられて、2017(平成29年)度以降は16,900円に固定されるということになっている。保険料は、納付期限より2年を経過したときは徴収権が時効により消滅し、納めることができなくなる。

国民年金保険料の納付率推移

2008年度の納付率は62.1%で過去最低となった。
年度2006年度2007年度2008年度
保険料納付率の推移
保険料納付率の推移
率(PDFファイル)66.3%63.9%62.1%

国民年金保険料の未納対策

保険料免除制度

国民年金の第一号被保険者は、本人の支払い能力に関係なく20歳から60歳まで定額の保険料を納付しなければならないが、様々な事情で納付が困難になる場合に備えて保険料の納付義務を全部または一部免除する制度がある。

厚生年金保険制度

給付

離婚時の厚生年金の分割制度

離婚時の厚生年金の分割制度(合意分割制度(平成19年4月1日実施))と、離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金の分割制度(3号分割制度(平成20年4月1日実施))がある。

年金の財政見通し

給付水準50%とは

キーワード

年金一元化

企業年金の概要

企業が従業員の福利厚生の一環として任意に実施する私的年金。今日の先進諸国では、公的年金による基礎的保障に上乗せする役割を担う。

Yahoo!百科事典「企業年金

企業年金の財政は非常に苦しい
企業年金の大半が財政的に厳しい状態にある。代表的な企業年金である「厚生年金基金」と「確定給付企業年金」の2008年の積立金の運用は、マイナス17.8%だった。これら2つの企業年金の積立金は約70兆円。それがたった1年で10兆円の損失を出したことになる。
All About「マネー」ガイド記事「あなたの企業年金が危ない!」

企業年金の種類

適格退職年金廃止の対応

適格退職年金廃止に係わる移行について、厚生労働省の「適格退職年金の円滑な移行の推進に関する連絡会議」の調査によると、2008(平成20)年12月時点で、約70%の事業主が他制度の移行を検討中とし、移行手続き完了には1〜2年かかるため、移行は遅れ気味との見方がある。適格退職年金から他の制度への移行については、確定拠出年金・確定給付金法などの整備、措置はなされているが、2012(平成24)年3月31日までに移行が完了せず、制度廃止を迎えると、通常の企業年金として扱われ(税制上の優遇はなくなる)、解約する場合にも課税関係が生じることとなる。

厚生年金基金

基金制度は1966(昭和41)年10月からスタートし、現在では基金加入員数は厚生年金保険の被保険者の約3分の1までに成長している。
基金は、厚生年金保険法により設立を認められた「特別法人」であり、公法上の特別の権能が与えられ、国の特別の監督規制を受けるといった性格をもっている。
国の行う年金制度のうち、老齢厚生年金の報酬比例部分の年金を代行し、これに加えて企業の実態に応じた独自の上乗せ給付(プラスアルファ)を上乗せした年金給付を行う。

確定拠出年金

この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

確定拠出年金法 第一条

401k利用枠の拡大
2010年1月から、日本版401k(確定拠出年金)の利用枠の「拠出限度額の引き上げ」が拡大。2008年末の税制改正大綱で決められていたもので、すでに実施の予定が整っている。(All About「マネー」ガイド記事「2010年、401k拡大で節税して老後の貯金ができる!?」
個人が掛金を拠出できるように
確定拠出年金(日本版401k)の改正法案が2010年の通常国会にも提出される予定。その改正案では、今まで会社しか掛金を積み立てることができなかったものを、会社員本人も掛金の積立をできるようになる。
All About「マネー」ガイド記事「401k マッチング拠出実現へ再チャレンジ!」

確定給付年金

この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

確定給付年金法 第一条

確定拠出年金(DC)と確定給付年金(DB)の違いとは?

企業年金の削減問題

経営の悪化している日本航空をはじめとして、景気の悪化によって企業年金の支払いが大きな負担となっている企業が増えている。現在の法律では、年金削減のためには加入者と受給者のそれぞれ3分の2以上の同意を得なければならず、仮に同意を得たとしても、経営状況の悪化や年金運用に著しい支障が生じているといった条件を満たさなければ削減は認められないので、実際に企業年金を削減することは非常に困難である。削減が憲法上保障されている財産権の侵害にあたるのではないかという意見もある。
解説

減額差し止め訴訟の実例

JAL企業年金について

詳しくは(→JALトピ)へ

企業年金の未払い問題

年金にかかわるデータ

各国の年金制度

先進諸国ではいずれも高齢化の進行で財源確保が課題に。支給開始年齢の引き上げなども各国で進行中。以前からの各種制度とのしがらみもあり、抜本的な改革は難しい。また、国毎の社会保障制度や就業慣習には大きな違いがあり、一概に比較するのは困難。

コラム

関係法令

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