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【大相撲】

貴乃花親方が理事当選 造反3人で逆転

2010年2月2日 紙面から

理事選で当選し、理事会が始まるのを待つ貴乃花親方(中)=東京・両国国技館で(中嶋大撮影)

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 日本相撲協会の理事選挙が1日、東京・両国国技館で行われ、二所ノ関一門を離脱して出馬した貴乃花親方(37)=元横綱=が、10票を獲得して初当選した。理事選は4期8年ぶりに投票に持ち込まれ、111人の評議員の投票で争われた。貴乃花親方は基礎票が7票しかなく苦戦が伝えられていたが、ふたを開けてみれば他の一門から票が集まり見事な逆転勝ち。37歳での理事就任は1968年の現行制度以降5番目の若さで、平成になってからは最年少。“平成の大横綱”から“平成の青年理事”となった貴乃花。揺れる相撲界に改革の風を吹き込む。 

 歓喜よりも重責をひしひしと感じていた。選挙直後の理事会。貴乃花新理事は終始引き締まった表情を崩さずに臨んだ。「9人の評議員に選んでいただいた重圧を感じている。その名に恥じることなく、理事長のもと頑張っていきたい」。ひと言ひと言、かみしめるように話した。

 正々堂々とした戦いが奇跡の逆転を生んだ。貴乃花グループが固めていたのは自身を入れて7票。10票と言われた当選ラインには足りず、各一門が予想以上の票の締め付けを図ったことで、上積みは期待薄だった。

 だが、予想された苦戦にも、自ら他の親方に投票を呼び掛けることはなかった。「記者の質問に答えたことに、(評議員たちに)目を通していただける」と信じた。風も吹いた。一門の露骨な票の締め付けに反感が生まれ、選挙方法も過去と違う公正さを保持するシステムに変更された。選挙直前に飛び出した朝青龍騒動に、改革を求める機運も高まった。結果的に新たに3人が貴乃花親方へ投票。信念がついに山を動かした。

 「制度として(議決権を持ち)、立場や役割がある」という念願の理事になった。だが、あくまで10人のうちの1人。自らの意思を実現していく道のりはまだ険しい。2期目を迎えることになった武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も「ファン、協会内に良いことは聞いていきたい」とエールを送りながら「できることとできないことはある」とクギを刺す。

 貴乃花親方も「理事会で出るいろんな意見を相互理解し、理事長の下で頑張っていきたい」と神妙な表情。だが「当初から推してくださった(貴乃花グループの)6人の主義主張はもちろん、交流のある親方の意見を聞いて(理事会で)お話ししたい。ファンの気持ちを聞いていくのも急務と感じる」と、最高議決機関に新鮮な声を届ける意欲はいっぱいだ。

 一門という伝統の殻を破り、理事に上り詰めた貴乃花親方。新たな改革の手腕を発揮する“貴乃花の乱第二章”がスタートする。 (田中一正)

 

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