【結婚詐欺・連続不審死】木嶋容疑者を送検　パソコンから大出さんのメール削除、証拠隠滅か

　埼玉県で練炭自殺を装って東京都千代田区の会社員、大出（おおいで）嘉之さん＝当時（４１）＝が殺害された事件で、埼玉県警は２日午後、殺人容疑で再逮捕された住所不定、無職、木嶋佳苗容疑者（３５）の身柄を勾留（こうりゅう）先の川越署からさいたま地検に送った。木嶋容疑者は容疑を否認している。

　またこれまでの調べで、木嶋容疑者が大出さんとやりとりした電子メールをパソコンから削除していたことが２日、捜査関係者への取材で分かった。埼玉県警では、木嶋容疑者が犯行の発覚を恐れて証拠を隠した可能性があるとみて捜査している。

　捜査関係者によると、県警は木嶋容疑者を平成２１年９月２５日に詐欺容疑で最初に逮捕した際、木嶋容疑者が犯行当時住んでいた東京都豊島区のマンションを家宅捜索し、パソコンを押収した。しかし、木嶋容疑者が大出さんとの間で交換したとみられるメールなどのデータは消去されていた。

　捜査関係者によると、県警では、パソコンを押収した直後から専門の業者に依頼するなどしてデータの修復を試み、２１年中にほぼ終了した。

　１日に起訴された大出さんに対する約４７０万円の結婚詐欺の罪では、木嶋容疑者は大出さんと７月１３日〜２３日ごろまでの間に複数回メールを送信したとされていた。

　大出さんはすでに亡くなっているため、県警では大出さんに対する詐欺罪での立件では、木嶋容疑者とのメールのやりとりを重要な証拠の一つとして注目していた。県警は木嶋容疑者が犯行を隠すため、意図的にこうしたメールを削除していたとみて調べている。