【狂気なる十字架】背負った者たち

<オープニング>


「オクタンス……小生意気な女め」
 美しい顔を歪め、アレキサンドラは憎々しげにオクタンスの顔を思い浮かべる。
「先の敗北は、あの女の明らかな作戦ミス。にもかかわらず、嫌味だけは一人前……。あの女の顔を思い出しただけでも、腸(はらわた)が煮えくり返る」
 アレキサンドラは怒りに任せ、控えていた若い男の従属種ヴァンパイアの首筋に牙を立てると、その血を一滴残らず飲み干す。
 毒々しい色をした唇を歪めると、双眸を炯々と輝かせた。
「観ていなさい、オクタンス! 私の力を! 私の力を持ってすれば、町の一つや二つ滅ぼすなど、造作もないこと。さぁ、始めましょう、華やかなる血の饗宴を。お行きなさい。私の可愛い子供たち!!」
 アレキサンドラが大きく両手を広げると、その体内から生み出された大量のゴーストたちが、一斉に町へと放たれる。
「恐怖せよ、人間ども! 私が新たなるステージに登るための、糧とおなりなさい!! あははは……!!」
 その狂気なる笑い声に月も怯え、厚い雲に身を隠す。
 闇夜の下、ゴーストたちの雄叫びが響く。
 一つの町が壊滅するのは、このままでは時間の問題だった。


「アレキサンドラが現れたわ」
 幹島・やなせ(高校生運命予報士・bn0249)のその一言に、驚く者は誰もいなかった。
 自分たちに召集が掛かったということで、ある程度の予想はできていた。
 あの日、討ち取ること叶わず、アレキサンドラは原初の吸血鬼となった。あの日共に戦った、ケルベロスを連れた少年は、もういない。
『ゲーム』に勝利したアレキサンドラは、その後ヨーロッパから来襲したオクタンス率いる艦隊と合流。銀誓館学園と一大決戦を展開した。しかし、またしても討ち漏らす結果となった。
「場所は九州。宮崎県よ。アレキサンドラは、宮崎市内を流れている大淀川に架かる宮崎大橋に陣取っているわ。原初の吸血鬼の力を使い、体内のゴーストを町に放って、町の人たちを殺戮し尽くそうと目論んでいるの。そんなこと、絶対に許すわけにはいかないわ」
 世界結界が働いて交通は完全に遮断されているから、その点は気にしなくていいということだ。
 急ぎ現地に向かい、そして今度こそアレキサンドラを倒して欲しいと、やなせは言った。

「みんなが言いたいことは分かってる」
 原初の吸血鬼を、たった10人で倒せと言っているのだ。無茶を言っていることは、やなせが一番分かっている。
「アレキサンドラは体内のゴーストを、全て放出している状態よ」
 つまり、妖獣の蹂躙や地縛霊の弾丸といった、原初の吸血鬼としての能力の一部が使えないということに他ならない。必然的に、貴種ヴァンパイアとしての能力を用いて戦うことになる。
「今がチャンスなの」
 やなせは訴えかけるように続ける。
「町に放たれたゴーストたちの掃討は、他の人たちが担当してくれるわ。みんなは、アレキサンドラに集中すればいい」
 ただ、アレキサンドラの元には、町に行きそびれた何体かのゴーストが残っているということだ。
「クラウドガイストに似た、怨霊の集合体みたいな地縛霊が1体。大型のフォレストタイガーが2体。それと、チェーンソーを持ったリビングデッドが2体よ」
 地縛霊は20m視界内に猛毒を噴射し、近寄ってきた者は体内に取り込んで体力を吸収するらしい。
「フォレストタイガーの能力は分かるわよね? 通常の固体より大型だから、侮っては駄目よ。リビングデッドの方は、闇雲にチェーンソーを振り回してくるわ」
 戦闘が開始されると、ゴーストたちはアレキサンドラを守るように動く。言わば、彼女の護衛だ。
「アレキサンドラの逃亡の可能性は、低いと考えていいわ。原初の吸血鬼となった彼女にとって、残念ながらみんなは格下になる。尻尾を巻いて逃げるなんて、彼女のプライドが許さないはずよ」
 だから、勝敗は戦闘に勝つか、負けるかのどちらかのみ。

「みんな、リベンジ……いえ、仇討ちよ」
 やなせは力強く言い放つ。
「貴種ヴァンパイアの力しか使えないとは言っても、原初の吸血鬼であることには違いないわ。だから、生半可な気持ちでは返り討ちに遭うだけよ。でも、もう負けは許されない」
 悲劇は、ここで止めなければならない。そしてそれは、彼らの手で止めてこそ意義がある。
「お願い、勝って。今度こそ」
 泣くまいと歯を食いしばっていたやなせの目から、一滴の涙が零れ落ちる。
 必勝を誓い、あの日重い十字架を背負ってしまった者たちは、仇敵との決着を付ける為に、死地へと赴く。その時の悔しさを胸に。果たせなかった「彼ら」との約束を、今度こそ果たす為に。
 そして、仲間の仇を討つ為に――。

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参加者
天見・日花(朝明けの風・b00210)
アラストール・セブンセントラル(高貴なる義務・b05350)
氷狩・蒼哉(氷鏡・b10543)
舛花・深緋(ブルズアイ・b27553)
鏡・優樹(瑠璃の誓い・b37405)
ポルテ・トルテ(エンドオブティアリングナイト・b37411)
達川・薫(射抜く漆黒の瞳・b44475)
村上・輝(夢見る奏者・b47795)
日照・戮屠(ラブシュウイチローエターナル・b55057)
幾迥・穹(夜明け色の現想・b63322)



<プレイング>

プレイングは1週間だけ公開されます。

天見・日花(朝明けの風・b00210)
「敵討ち」だとか「今度こそ」だとか言う気は無い。口先の決意じゃなく行動で示す。

■準備
ライト持参。身体に固定できる物が良い。

■分担
・前衛
原初:アラストール、戮屠、日花
ゴースト:優樹、ポルテ
遊撃:穹、菫
・後衛
蒼哉、深緋、薫、輝

■作戦
アレキサンドラが接近→ゴースト行動前に原初班が原初に接近、ゴーストと原初を分断。割り込み失敗時はゴースト狙い。
ゴーストのみ接近→前衛で壁を作り迎撃。原初が動いたら原初班が対応。

■隊列
現場到着前に整える。
後衛は前衛から17m(前衛と接触した敵に射撃が届き、1ターンでは格闘攻撃が届かない)程度距離を開ける。
サポートはその後方。

■攻撃順
フォレストタイガー>怨霊>リビングデッド
後衛へ向かう敵は優先度上昇。同程度ならHPの少ない敵を集中。
遊撃班はゴーストが減った段階で、原初班は最初から原初に対応。

■戦法
原初対応。3人で前と左右を固め進路を妨害。攻撃と挑発で注意を引く。
側面担当。アラストール君が後退するか、連携失敗で足並みが揃わなかった場合は前を塞ぐ。
攻撃は弾切れまでデモンストランダム。武器封じ継続中かつ周囲にゴーストが残っている場合は温存。
防具HPを下回る前にラジカルフォーミュラかリフレクトコアで回復。
回復役の援護で追い付く場合は任せるが、エンチャントが掛かってない時は自分で。ガードアップが先。

■撤退
ゴースト殲滅前:戦闘不能者5名以上、殲滅後:7名以上が目安。
撤退時は照明を破棄。

アラストール・セブンセントラル(高貴なる義務・b05350)
瞼を閉じればまざまざと思い出される
戦友の死、残留思念達の無念

万感の思いがある…だからこそ、全身全霊でその起源を断つ


/作戦
●敵の行動により二種に分岐
【1】原初が前に出る場合
I先陣を切ると予想される原初を原初班三名で前と左右を塞ぎ抑え
ゴースト班と遊撃班、後衛により他敵を殲滅
敵勢力減少と共に順次対原初の戦力を増加し打倒する
原初班の人員が欠ける、大きな負傷者が出る、または何らかの不備が発生した場合、遊撃班に人員補充等の要請

【2】原初が前に出ない
前衛陣により壁を形成、迎え撃つ
各対処班は予定の敵を念頭に攻撃
原初班は適度に攻撃と挑発を織り交ぜ原初の注意を引く
原初が前に出た場合原初班は【1】に準拠した対処

●原初班
基本的に原初を挑発し此方を狙う様に仕向ける
露骨にならない様に会話や剣戟の合間にさり気無く出来れば重畳
「だがな御老体、所詮は貴女も上役の指図に踊る手駒だ」

攻撃される
「僕すら倒せないなら原初としては欠陥品か、オクタンスは遠く及ばないのではないか?」


/戦闘
白燐奏甲
初手己、機を見て原初班の二人
後他者回復専用

ダークハンド
【2】作戦の場合に挑発交え此方で原初を攻撃


【以下共通事項】
/隊列
●前衛
原初:前/僕、左/天見、右/日照
ゴースト:ポルテ、鏡
遊撃:幾迥、菫

●後衛:村上、氷狩、舛花、達川

●補助支援:天臥、翔一、三笠


/撤退条件
怨霊、虎が現存する場合五名
しない場合は戦闘不能七名
その時点で勝機が見えない場合撤退が目安

氷狩・蒼哉(氷鏡・b10543)
【心情】
ただ勝つ、それだけだね。
信じて、冷静に。最後まで油断せず、確実に。

【戦闘】
後衛。可能なら村上さん及び原初を抑える人達と連携。
敵との距離は一度の移動で接近されない前衛の17〜18mあたり。
どの場面でも基本同様。
サポートの人が前衛を回復出来る位置、
かつ自分達の後ろにいるか確認。
サポートとの兼ね合いで多少は前後。

基本仲間の指示に従い、細かくはその場で対応する。

自分はアレキサンドラ以外のゴーストから撃破。
撃破優先は
フォレストタイガー>怨霊>リビングデッド
敵が攻撃の届きにくい後方にいる場合、達川さん、
又は他の仲間からでも指示があればそれから撃破。

ただ自分は足止めなのでリビングデッドを少しでも止められるよう茨の領域奥義を使用し止める。
少しで倒れそうな敵がいれば、吹雪の竜巻改を使用。
可能であれば原初も巻き込む。
また必要があれば回復に回る。

ゴーストを倒したら原初の撃破へ。
回復で援護を中心に、余裕があれば吹雪の竜巻改と
茨の領域を放つ。
アビ切れの場合は神秘攻撃の射撃。

回復はサポートの人を頼りつつ、追いつかない場合に。
ヤドリギの祝福を使用。基本HP半分以下。
それ以上でも必要に応じて。
優先は、より残りHPの少ないものと回復役。

【撤退】
指示に従い、自分が無事なら戦闘不能者を支えつつ退く。


「負けるわけには、いかないんだ。」
「君は、止めるよ。」
「……こんなにも…っ!」
「彼らもこれでやっと、眠れるよね…」

舛花・深緋(ブルズアイ・b27553)
心境>
私は、今、生きていなきゃ出来ない事を、精一杯するって心に誓ったんです…
あの館で会った残留思念との約束を、今度こそ果たしたい…ですね


戦闘>

【後衛】で攻撃が届くぎりぎり少し手前(前衛より17m〜18m)に布陣

先ずはゴーストの殲滅を。
後ろで広く戦場の状態を注視し、異変があったら声掛けや対応を即座に取れる様にしつつ、連携をとって狙うべきゴーストを定める。

ゴースト優先順位 フォレストタイガー>怨霊>リビングデッドで先にアビを使用
切れたら射撃に変更

また、敵が回復手狙い等で後衛に突出してくる様であれば、
前に立ちはだかり壁を作る様にしてそちらを攻撃

菫(使役)は【前衛】で先ずはゴーストに当たって。

前衛の基本行動に通りで、あとはとにかく息を合わせて皆で早く倒せる様に、頑張ろう

※HPが2分の1を切ったら念の為、骨を拾うで回復
またその場での回復だけでは間に合わない時は一度離脱し、移動先にて使用し戦線復帰


原初>

ゴースト殲滅後、まだ動けるのであれば菫は原初に接近、私はそのままの位置から攻撃に加わる

正直、私は敵討ちとかどうだって、良いんです…
恨んだり怒ったりしたら、亡くなった人々や流された涙が戻ってくるって言うなら幾らだって、そうしますけど

とは言え、一発叩く位じゃないと気が納まりません。
「これで、こうゆうの、は終わりにしましょう…」
だから、命を賭す勢いで、渾身の一撃を
そして彼女の行く末をしっかり眼に焼き付けて。

鏡・優樹(瑠璃の誓い・b37405)
○目標
全員での帰還。
「もう誰も殺させない。終わらせるんだ。」

・準備
念のため照明を用意。

・行動
戦闘では最前線で前衛を。
初手は原初の抑えに回る予定の日照さんを黒燐奏甲で強化。
原初が突っ込んで来た場合、原初に隣接しないよう気をつける。

・ゴーストの足止め
基本的に後衛を背にするように位置取り。
敵が原初を護るように動くようなら、抑え班との間に割り込む事も考慮。
原初に次ぐ強敵と思われる怨霊と、回避困難持ちの虎の足止めを優先する。

・攻撃
虎を最優先、撃退後は近い敵から狙って行く。ただし原初は最後。
仲間と同じ目標を狙うが、他の敵の牽制が必要と感じた場合(後衛や傷の深い者を狙う等)そちらを優先する。
黒影剣は対原初用に6発程度残し、残りは積極的に使用。

・回復&支援
敵を1体倒すまでは極力攻撃に専念。
旋剣の構えは、原初の攻撃に回るまでに強化目的で使用しておきたい。
奏甲での他者回復の際は、後衛やサポートと声を掛け合って無駄の無いよう気をつける。

・対原初
僕が彼女の相手をするのはゴースト殲滅後。

前回彼女から放たれた『的』では無いとの言葉。
ならば必ず有るはずの感情の揺らぎや攻撃の癖など、少しでも隙に繋がる物が無いか、冷静に探る。
黒影剣や挑発の言葉も駆使して、何とか他の仲間の攻撃のチャンスを作りたい。

「水の上に陣取る貴女は、所詮まだ完全ではない。オクタンスと一緒だよ。」
「仲間を使い捨てるような奴に、僕たちは負けない!」

ポルテ・トルテ(エンドオブティアリングナイト・b37411)
■心情
サンドラって僕と似てるなとか、色々思うとこはあるけど…
越え征こう。あれは僕が至っていた姿かも知れないのだから。

■戦闘
役割は、ゴーストの抑えと撃破。
基本行動は仲間に合わせる。

適度な位置で待ちかまえ、
原初が突出する場合はゴーストの間に割り込み分断を狙う。
原初がゴーストの後ろからやってくる場合はそのままゴーストに当たる。
原初の攻撃を受けないように意識し、同じ役割の仲間と連携してゴーストを抑え、瞬断撃。
最初から全力で速攻撃破を狙う。
可能ならば対原初に備えて瞬断撃を1、2発残したいが、きついようなら出し惜しみはしない。
狙う順番は虎→怨霊→チェンソー。ただし遠いゴーストは後回し。
具体的には後衛が狙いをつけてくれるはず。なければ適宜対応。

ゴーストが2、3体後衛に向かってしまったら、フォローに入る。

原初抑えの交代要員としては出来るだけ最後。

事前のライカンスロープは忘れず、こまめに回復も心掛ける。

「背中は任せたよ。こっち片付けるまで待ってて!」

■対原初
ゴーストを殲滅したら、原初への攻撃にも加わる。
ダメージを受けたら下がり、常に余裕を持った状態で攻撃を加える。通常攻撃は気魄で。
瞬断撃は外したくないので、狙うタイミングをしっかり見定める。
原初のアビの回数は数えておく。
8回を目安にロンド切れがわかれば突撃。

「もう気付いてるんじゃないのか?…自分が何を捨ててしまったのか、さ。」

逃げるときはさくさく逃げる。

達川・薫(射抜く漆黒の瞳・b44475)
【心情】あの時、何も出来なかった。そのせいで尊い命が失われた。そして今もお前は誰かを傷つける。そんな暴挙、これ以上許しはしないさ。

【戦闘】
戦闘場所は暗いようなのでライトをベルトに取り付けるなどして光源を確保。
ポジションは後衛。
最初にラジカルフォーミュラで自己強化。
狙う順番は、虎→怨霊→リビングデット。
後衛で連携をとり、集中攻撃で素早く確実に倒していく。(イニシアチブの関係で後衛で最初に行動するかもしれないのでちゃんとどの敵から倒すか定める)
但し、あまりにゴーストが遠くにいて攻撃しにくい場合は近くのゴーストから狙う。
ゴーストが全部倒れたら原初へ攻撃する。
基本は強化後の雷の魔弾奥義を使い、切れたら通常の遠距離攻撃(術式)。
原初用に雷の魔弾を残せたらなお良い。
回復は基本他人任せになるが、どうしても危険な場合は自分でも回復をする。
前みたいに突然原初が目の前にきても冷静に対処する。
「同じ轍を踏んでたまるか!」

【戦闘後】
やっと倒せたか。これで散っていった命も少しは救われたのだろうか。

村上・輝(夢見る奏者・b47795)
●目的
アレキサンドラの撃破


●心境
また戦う事が出来るのは不幸なのか幸いなのか…僕には解らない
だけどあの時伸ばした手は届かなかった
その分僕は背負わなきゃいけないんだ…取り戻せない命をね
今度こそ、約束を果たしに行きます


●行動
・事前準備
事前に懐中電灯を用意
暗くて視界が確保できない場合は懐中電灯を左腕に括りつけて使用する

・戦闘
蒼哉、深緋、薫と共に【後衛】に所属
仲間と連携し孤立しないように注意
戦闘開始後即敵と距離を取りリフレクトコアを使い自身を強化
離れた場所にいる相手に対しては無理に近付かず、基本的に射程内に入って来た敵を迎撃してゆく
基本的に敵に対し光の槍で攻撃し、使い切ったら武器で射撃攻撃
敵攻撃優先順位は『フォレストタイガー>怨霊>リビングデッド>アレキサンドラ』

僕の役割は前衛の支援、後方からの射撃攻撃だね
最優先行動はフォレストタイガーが防御態勢を使ったら、呪詛呪言で攻撃し動きを封じる
次に前衛を突破しようとする敵に対し遠距離攻撃を仕掛け牽制する
それ以外の時は優先順位に従い敵を遠距離攻撃だね
「これ以上悲劇は起こさせない…今度こそ負けられないんだ」
HPが6割以下になったらリフレクトコアを使い回復

なくなった命は戻らない、でも約束を果たす事は出来る…これで良かったんだよね


・撤退条件
フォレストタイガーか怨霊が現存する場合は戦闘不能者5人以上
現存しない場合は戦闘不能者7人以上になった時点で勝機が見えない場合

日照・戮屠(ラブシュウイチローエターナル・b55057)
隊列・撤退条件は共通事項参照。
●心境
言葉は、ない。今度こそ勝利を手にするのみ。

●行動
アレキサンドラ(以下原初)のけん制及び後衛の壁として行動。
戦闘開始時に原初に向かって接近しながら、言動で挑発。
「ツァラァッ! 年増の血吸い鬼に二度も遅れをとる我々ではないぞっ!」

原初が突出してくるようなら、アラストール、天見と協力して取り囲む。
できれば、アラストールに原初の正面を取ってもらい、天見と左右を担当(位置取りは、無理なようなら固執しない)。
鋏角齧りで積極的に原初に飛び掛っていく。
できる限り組み付いて、行動を阻害するように何度でも噛み付いていく。


ゴーストが先行した場合、原初の行動に気を配り、
できるだけ原初及び天見、アラストールから離れないようにしながら、
フォレストタイガー、怨霊、リビングデッドの優先順位で攻撃。
ただし、原初に近づける状況なら、天見らと近づいて行動を妨害する。
「お前の相手は、私たちだっ!」
ゴーストを相手にする場合は早期殲滅を第一義に。
鋏角齧り奥義を積極的に使用し、
超武器封じなどで無力化した敵がいたら、優先して倒す。

●回復
自分を含め、HPを4割削られたものがいた場合、ヘブンズパッションで回復する。
複数対象者がいる際の優先順位は、以下のとおり。
1.他に回復してあげられる人がいない。
2.BSを受けている者。

●撤退
条件を満たしたら、即時逃走。
すまない。修一郎を、幸せにしたいんだ。

幾迥・穹(夜明け色の現想・b63322)
【確認】
・ゴースト班:前〜中衛、遊撃
念のため、アクセサリ型のランプ所持。
開始時、武器は弓形、応じて双剣に。
近接は不得手と油断させられるなら好都合……これは元々、双剣だ。

【行動】
可能なら戦闘前に強化、後ゴースト班の前衛と共に布陣。
細かい部分は合わせる。
基本はゴーストの殲滅。
数が減り、自分が抜けても問題なしと判断できた時点で原初班へ加勢。

・基本
接敵した時は、迎撃からのカウンター・デモンストランダムを中心に攻撃。
遠距離攻撃を用いる場合は、敵の出鼻をくじく援護射撃と、よりダメージの蓄積している敵を優先。
特に、前衛を抜けようとする輩は真っ先に叩く。
危ないと判断したら即時回復。
横槍は御免被るからな、戦場全体の把握にも気を置く。

・対ゴースト
まずはゴーストが抜けてきた際に迎撃し易い中距離に陣取り、援護射撃。
前衛が厳しい場合は加勢する。
抜けてきた場合は接敵、攻め手を削ってでも正確に攻撃を防ぎ、抑え込む。
可能なら、元の位置まで押し返す。

・対原初
前衛に回り、敵の攻撃を叩き落とすことに専念。
隙が出来るまで粘り、見つけ次第、残っているならデモンストランダムを叩き込む。
まともに打って、当たる攻撃ではないんだ。
全力で食い下がる。

元より、ミスを誘う防戦で培った持久力だ。
その根底は『出来る出来ない』ではなく、『やる』……だからこそ。
生きて『勝つ』。
終わらせて……全員で、帰るぞ。

作戦相違点は仲間に合わせる。




<リプレイ>


 厚い雲が、月を覆い隠していた。
 交通が途絶えた国道10号を、彼らは西へと向かう。
 閑散とした幹線道路は、不気味この上なかった。
 風に乗って、戦闘音が聞こえてきた。どこかで、誰かが戦っている。
 やがて眼前に、大淀川に架かる宮崎大橋が見えてきた。
 等間隔に並んでいる外灯が、やけに綺麗に見えた。橋の袂から見える大淀川は、どこまでも暗く、地獄へと通ずる闇のようだと感じた。
 橋の中央付近に、幾つかの影が見えた。
「アレキサンドラ……」
 アラストール・セブンセントラル(高貴なる義務・b05350)は、ギリリと奥歯を鳴らした。瞼を閉じれば、まざまざと思い出される戦友の死、残留思念たちの無念。

「……に、にげ……ろ」

 あの時の鞍馬・浩司(魔槍使い・b11776)の声は、今も耳に残っている。万感の思いがある……だからこそ、全身全霊でその起源を断つ。招集が掛かった時、彼は呟いた。
「失態を贖う機会にも恵まれた……挑もうと思う」
 不退転の覚悟で挑む、と。
 アラストールの隣には、友人の幾迥・穹(夜明け色の現想・b63322)がいた。浩司の抜けた穴を埋めるべく、そして友人の助けとなるべく、穹はこの地に降り立った。自分の力が、どこまで通用するかは分からない。だが、全力を尽くす。
「ケリをつけてくる」
 日照・戮屠(ラブシュウイチローエターナル・b55057)は、恋人や友人たちにそう告げて、そっと背を向けた。勝利の凱歌と共に必ず戻ると、心に誓い。
「次はない、これで終わらせよう」
 戮屠の言葉に、舛花・深緋(ブルズアイ・b27553)が肯く。
「借りを、返しに行きましょう。そして今度こそ皆無事に、欠ける事なく」
 スカルロードの菫は、そんな深緋の決意に応えるべく、力強く大鎌を振り上げた。
「もう誰も殺させない。終わらせるんだ」
 あの日、果たせなかった約束を果たす。鏡・優樹(瑠璃の誓い・b37405)も強く思う。この場に来れなかった者の思いも、背負っているのだから。
「では往こうか。死地を越えに」
 ポルテ・トルテ(エンドオブティアリングナイト・b37411)は、ゆっくりと歩を進めた。旅立ちの前に、友人たちが送ってくれた激励の声が背中を押してくれる。
 作戦は充分に練ってきたつもりだ。補助の灯りを用意してきた者もいる。
 彼らの後ろには、回復面のサポートをする輪音、月依、翔一の3人の姿もあった。
 決着を付ける為に、彼らはアスファルトを蹴った。
「……あら? どこかで見たことのある方々ですね」
 中世貴族風の豪奢なドレスを身に纏った妖艶な美女――アレキサンドラ・ツァラは、接近してきた集団を見やって、小さく笑った。


「『敵討ち』だとか『今度こそ』だとか言う気は無い。口先の決意じゃなく行動で示す」
 天見・日花(朝明けの風・b00210)の瞳に、強い意志の輝きが宿る。
(「ただ勝つ。信じて、冷静に。最後まで油断せず、確実に」)
 仲間たちの援護が自分の役目。氷狩・蒼哉(氷鏡・b10543)は後方から、その機会を探る。
(「あの時、何も出来なかった。そのせいで尊い命が失われた。そして今もお前は誰かを傷つける。そんな暴挙、これ以上許しはしないさ」)
 達川・薫(射抜く漆黒の瞳・b44475)は自らの位置を確保しながら、高速演算プログラムを起動させる。あの戦いの後、薫が新たに手に入れた力だった。
 その横で、村上・輝(夢見る奏者・b47795)は正八面体の4つの光を召還する。
 また戦う事が出来るのは、不幸なのか幸いなのか僕には分からない。輝の思いが揺れる。あの時伸ばした手が届かなかったことを、今でも悔やんでいた。あと少し、自分の判断が速かったなら、彼を救うことができたかもしれないと。だからその分、自分は背負わなければいけない。
 いきなり毒の霧の洗礼を受けた。
 接近する形の彼らは、どうしても先に敵の射程に飛び込むことになってしまう。毒に冒された者も少なくはなかったが、その為に呼んだサポート陣がいる。もちろん、彼らも闇雲に突っ込んできたわけではない。自己強化ができる者たちは、その間に己を高めている。例え先手を許したとしても、あの時とは状況が違う。
「ツァラァッ! 年増の血吸い鬼に二度も後れをとる我々ではないぞっ!」
 戮屠が言葉でアレキサンドラを挑発する。しかし、アレキサンドラはそんな挑発に眼を細めた。まるで、子供の悪戯を眺めているかのように。
「人数を増やせば、勝てるとでも思ったの? 若いわね。……いいわ。遊んであげる」
 アレキサンドラは、最後方に並んでいる3人のサポート陣を一瞥して、鼻先で笑った。あの日、彼らが敗北を喫したのは、戦力的に劣っていたからではない。戦術面での甘さや、意思統一が不充分だったことが災いしてのことだ。戦力を増やしたとて、それを生かせなければ、あの日と何ら変わりがない。寧ろ、増やしたことにより、心に油断が生じる場合もある。
 アレキサンドラが、優雅に手を翳した。彼女の回りで屯していたゴーストたちに、「行け」と指示をしたのだ。
 2体のフォレストタイガーが、猛然と迫ってきた。狙いはアラストールと日花だ。2人の死角から飛び込んできた2体は、痛烈な一撃を見舞った。
「このくらいで……!」
 怯んではいられないと、日花は前に出る。鈍重な動きで、チェーンソーを構えながら迫ってくる2体のリビングデッドが視界に入った。リビングデッドは戮屠と穹に襲い掛かった。戮屠は身を捻り、その攻撃を避ける。
 アレキサンドラはその場から動かなかった。それは彼らも想定済みだ。あの時と同じく先陣を切ってきた場合と、その場に留まった場合の2通りの状況を想定して作戦を立てている。アレキサンドラが前に出てこないのならば、当面の敵はゴーストのみ。
「これ以上悲劇は起こさせない……今度こそ負けられないんだ」
 輝の眼前に浮かんでいる「Licht Flugel」と「Blessed Virgin Mary」が、彼の意志を受けて交差し、強烈な光を生む。光は槍となり、フォレストタイガーに放たれた。
 集中攻撃。
 輝の動きに同調し、薫が雷の魔弾を、深緋がフレイムキャノンを撃ち出した。
「トドメだよ!」
 ポルテが目の前にいたフォレストタイガーの脇腹に、瞬断撃を叩き込んだ。
「……楽しませてくれそうね。さぁ、お行きなさい」
 消滅するフォレストタイガーを見て楽しげに笑むと、アレキサンドラは無数の蝙蝠を羽ばたかせた。放たれた蝙蝠は鋭い牙を立て、戦場にいる全ての者に食らい付き、その体力を奪う。僅かに遅れて、毒霧が吹き付けられる。
 1体残っていたフォレストタイガーは、今度は優樹の死角に回り込んできた。
「くっ……!」
 激痛に優樹の表情が歪んだ。
 1体に攻撃を集中し、確実に葬るその作戦は、ある意味効果的だった。だが、余りにも正直に、攻撃を集中させすぎた。直接攻撃を主とする前衛が攻撃の為に移動すれば、壁に隙間が空く。優樹と穹は、撃破したフォレストタイガーの元に詰めていた為に、その僅かな隙間から2体のリビングデッドの突破を許した。
「まずい!」
 穹が下がる。後衛陣を守らねばならない。
 蒼哉が茨の領域で、2体のリビングデッドの足止めを行う。
「原初の吸血鬼となった、この私に挑むのは、勇猛ではなく無謀」
 アレキサンドラは、余裕の笑みを浮かべた。
「何を言う。水の上に陣取る貴女は、所詮まだ完全ではない。オクタンスと一緒だよ」
 優樹の一言に、アレキサンドラの頬がピクリと波打つ。自分がいるこの場所は、大淀川という「流れる水」の上に架かっている宮崎大橋。
「何を知っているのか知りませんけれど、その意味も知らずに口にするのは、己の身を滅ぼすだけ……」
 正に一瞬だった。気付いた時には、アレキサンドラは優樹の目の前にいた。豪華な飾り付けが成されたレイピアを華麗に振り、アレキサンドラは優雅に躍る。優樹と、そして近くにいたポルテが巻き込まれた。
「お前の相手は、私たちだっ!」
 アレキサンドラの抑え役としての任を受けた、戮屠、日花、アラストールが3方から彼女を囲む。
「背中は任せたよ。こっち片付けるまで待ってて!」
 ポルテは狼のオーラを纏いながら、残っていたフォレストタイガーと対峙した。仲間を信じ、アレキサンドラに背を向ける。
「成る程。面白い作戦ね」
 アレキサンドラは、薄く笑った。
「負けるわけには、いかないんだ」
 蒼哉が再びリビングデッドの足を止める。蒼哉の意識は、どちらかと言えば、味方の治療より敵の足止めに向いていた。味方の回復は、主に輪音、月依、翔一に任せされていた。しかし、残念ながら彼らは充分に仕事ができなかった。回復を彼らに頼りきりにしていたツケは、直ぐに回って来た。


「だがな御老体、所詮は貴女も上役の指図に踊る手駒だ」
 アレキサンドラと刃を交えながら、アラストールは静かに言う。
「私を年寄り扱いするとは、余程死にたいと見えるわね」
 8発目のスラッシュロンドが炸裂していた。アレキサンドラと、その背後にいる怨霊からの毒霧は、日花、アラストール、戮屠の体力を容赦なく奪う。自分1人の治癒力では到底追い付かない。激しい戦闘の最中、安全圏にいるサポートの3人とは距離が離れてしまっていた。彼らを守る為に、優樹も黒き蟲たちの力を解き放っていたが、とうとうそれも尽きてしまった。蒼哉のヤドリギの祝福も、残り僅かしかない。
 サポートの3人は、これ以上前に出れば、確実に怨霊の攻撃を受けることになる。危険を冒してまで前に出ることはできない。
(「また、躱せた……?」)
 そんな中、日花は1人、違和感を覚えていた。確かに、自分は能力的にアレキサンドラと対峙することに向いている。だから抑え役を買って出た。今の回避で3度目。攻撃を躱したのだから、素直に喜ぶべきなのだが、何か腑に落ちない。こんなにも躱せていいのだろうかと。だが、スラッシュロンドは躱せても、怨霊の猛毒の影響から逃れることはできなかった。体を蝕む猛毒の治療が中心となり、用意したデモンストランダムは、まだ本来の効果を発揮できていない。
「僕すら倒せないなら原初としては欠陥品か、オクタンスは遠く及ばないのではないか?」
 傷は浅くはないが、時間稼ぎもしたい。アラストールは「宗剣【Seven Wish】」と「聖鞘【Last Wish】」を構え直し、努めて余裕の表情を作った。
「今回の私のゲームは、町を1つ潰せるか否か。貴方たちには興味はないのです。でも、死にたいのなら殺して差し上げますよ?」
 アレキサンドラは不敵に笑い返した。あの日は、己が原初の吸血鬼となるという野望を優先させた。だから、傷付いた1人を執拗に狙いその命を奪った。だが、今日は違う。数人の能力者の命など、彼女の崇高なる目的の為には粗末なものでしかない。
「残りは任せた!」
 2体のリビングデッドの始末を仲間たちに任せ、ポルテが加勢に駆け付けてきた。
「もうロンドは無い。一気に畳み掛けよう!」
「さて、どうかしら?」
 アレキサンドラが優雅に舞う。その動きは、踊れないはずの輪舞曲。
「え!? うそ……」
 無惨にも引き裂かれた「流閃桃華」を見て、ポルテは目を見開いた。食らったのだ。スラッシュロンドを。
「まさか……!?」
「そちらのお嬢さんは分かったみたいね」
 顔色を変えた日花に顔を向け、アレキサンドラは愉快そうに笑った。
「私ほどの力があれば、多少の精度は落としても、貴方たちを葬るのは造作もないこと。遊んであげると言わなかったかしら?」
 アレキサンドラは、能力者たちが自分を討ちに来ることを予測していたわけではない。それ故に、準備も不充分だった。体内のゴースト全てを放出し、原初の吸血鬼としての力を発揮できないという、ある意味失態を冒した。護衛のゴーストたちも、意図してこの場に残していたわけではない。町の襲撃に行きそびれた、彼女から言わせれば役立たずが残っていただけにすぎない。
 その一瞬の動揺が、アレキサンドラの突破を許した。残り1体となっていたリビングデッドに、穹を起点にした集中攻撃が仕掛けられたその横をすり抜け、アレキサンドラは後方に位置していた輝、薫、深緋、蒼哉に肉迫する。深緋の危機を悟り、スカルロードの菫がアレキサンドラに突進した。
「これで、こうゆうの、は終わりにしましょう……」
 深緋が渾身のフレイムキャノンを放つ。魔の炎が、アレキサンドラの豪華なドレスを焦がす。
「同じ轍を踏んでたまるか!」
 薫の雷は、狂気の吸血鬼の顔に傷を付けた。
 その代償は、強烈なスラッシュロンド。
 深緋と薫は、堪えきれずにその場に崩れた。
「負けられないって言った!!」
 輝が光の槍で応戦する。アレキサンドラの放った蝙蝠群が、縦横無尽に飛び回る。
「やるしかない!」
 穹が仕掛ける。しかし、自身が予測していた通り、攻撃は掠りもしない。当てる気なら、回数よりも精度を取るべきだったかもしれない。
 戮屠が食い下がり、優樹とポルテが死力を振り絞る。
 無情にも、輪舞曲が流れた。
 何度目かは、もう分からない。
 身を削られる痛みだけが、やけにはっきりと記憶に刷り込まれた。


「どうしたの? 私を倒しに来たのではなかったのかしら?」
 立っている者は5人だった。半数が戦える状態ではない。残っている敵は、アレキサンドラと怨霊のみ。
 アレキサンドラも手傷を負っている。バットストームを撃ってこないのは、尽きてしまったからなのか、それともまだ余裕があるからなのかは分からない。だが、撃たせるわけにはいかなかった。倒れている者の中で、バットストームに巻き込まれてしまうと、命が危うい者もいる。
「何で。どうして……」
 日花が悔しさに身を震わせた。何故、勝てない。何故。
「すまない。修一郎を、幸せにしたいんだ」
 戮屠は恋人の名を口にすると、痛む足を引き摺る。
 無念だが、撤退するしかなかった。倒れた者は、サポート陣が引き受けた。
「僕は、まだ……戦え……る」
 自分の足でどうにか立っているが、アラストールも最早まともに戦える状態ではなかった。アレキサンドラを倒すまでは退かないと、覚悟を決めていた。しかし、その覚悟も彼女1人のもの。残念ながら、それでは奇跡は起こらない。
「死なせるわけにはいかない」
 蒼哉がアラストールを無理矢理に担ぎ上げた。背を向けて、一気に駆け出す。既に、彼らが殿だった。
 去っていく彼らの姿を一瞥し、アレキサンドラは満足そうに笑んだ。
「オクタンス、私は生き残った。私を阻む者は、もうここにはいない。今日この時より、宮崎の地はアレキサンドラ・ツァラが支配する。貴方たちは、この慶事の証人になるのよ」
 アレキサンドラの哄笑が背中に突き刺さる。
「私の可愛い子供たちよ。宮崎の地を蹂躙し、哀れな人間どもを私の元へ捧げよ。この地に、永久(とこしえ)なる闇を――」
 長い、とてつもなく長い夜が、今、始まろうとしていた。


マスター:日向環 紹介ページ
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知 的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2010/01/27
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冒険結果:失敗…
重傷者:舛花・深緋(ブルズアイ・b27553)  達川・薫(射抜く漆黒の瞳・b44475)  幾迥・穹(夜明け色の現想・b63322) 
死亡者:なし
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