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【今日の読み物(スコープなど)】

<スコープ>『反小沢』が公然化 民主七奉行、火付け役

2010年2月2日 紙面から

 小沢一郎幹事長の資金管理団体の政治資金規正法違反事件をめぐり、民主党で小沢氏の辞任を求める動きが公然化し始めた。渡部恒三元衆院副議長を中心とした「七奉行」と呼ばれる実力者が火付け役。沈黙が支配してきた党内だったが、変わりつつある。 (高山晶一)

 渡部氏は一日、国会内で記者団に、小沢氏の進退に関し「捜査の結果を見る」と述べた。一方で「参院選前には、きちんとけじめをつけるからご安心を」とも付け加えた。

 野田佳彦財務副大臣は一月三十一日のNHK報道番組で、小沢氏の問題に関し「参院選で勝利して安定政権をつくるのが大目標。そのためにどういう判断をするかだ」と指摘した。

 枝野幸男元政調会長も三十一日、地元さいたま市での会合で「区切りがついたら国民に説明し、理解を得られなければ一定のけじめを」と要求。前原誠司国土交通相も「新たな局面が生まれた時は、厳しく自浄能力を発揮していかねばならない」と主張した。

 様子見を決め込んでいた渡部氏らが、「小沢降ろし」ののろしを一斉に上げた格好だ。七奉行の一人は「別に示し合わせていない。聞かれたら答えざるを得ない」と説明するが、党内では「党内世論の流れをつくろうと、ようやく言い始めた」(若手)と受け止められている。

 七奉行が動きだしたのには、小沢氏をめぐる環境が日増しに悪化していることがある。

 小沢氏の元秘書で、逮捕された衆院議員石川知裕容疑者は、拘置の期限切れが四日に迫っている。石川氏が起訴されれば、「やましいことはない」と言ってきた小沢氏の立場は悪くなるし、小沢氏自身が立件される可能性も消えていない。

 自民、公明両党は、石川氏が起訴されれば、石川氏の議員辞職勧告決議案を提出し、民主党議員に“踏み絵”を強いる方針だ。民主党内では「決議を採決しなければ、石川氏を守ることになってしまう」(別の中堅)と動揺も起きており、強固な小沢支配も揺らぎ始めた。

 小沢氏側近は、渡部氏らの動きに「自分たちが物事を決めていると勘違いしてるんじゃないか」(若手)と不快感を隠さない。

 しかし、小沢氏と距離を置く議員は「小沢氏の党運営への不満はものすごく大きくなっている。石川氏の起訴後、マグマが爆発するかもしれない」と予測する。

 

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