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婚活詐欺女“練炭殺害容疑”で7度目逮捕も否認

 木嶋佳苗容疑者
 木嶋佳苗容疑者
Photo By 共同

 埼玉県警は1日、昨年8月に同県富士見市で遺体が見つかった会社員大出嘉之さん=当時(41)=を殺害したとして、殺人の疑いで東京都の無職木嶋佳苗容疑者(35)=詐欺罪などで起訴=を再逮捕、東入間署に捜査本部を設置した。木嶋容疑者の周辺では、ほかにも不審な死を遂げた男性がおり、千葉県警などが関与を調べている。

 逮捕容疑は昨年8月5日午後7時半から同10時半にかけ、富士見市の駐車場に止めたレンタカー助手席で練炭を燃焼させ、後部座席にいた大出さんを殺害した疑い。

 埼玉県警によると、死因は一酸化炭素(CO)中毒。木嶋容疑者は容疑を否認している。大出さんとは昨年7月、インターネットの結婚相手紹介サイトを通じて知り合い、交際していた。

 木嶋容疑者はこれまでの調べに、昨年8月5日夜、自宅で大出さんと食事をした後にレンタカーで現場の駐車場に一緒に行ったことを認めた上で「けんかをして別れた。その後自殺したのではないか」と、殺害への関与を否認していた。

 しかし、施錠された車内から車の鍵が見つからなかったほか、大出さんの遺体から高濃度の睡眠導入剤を検出。県警は大出さんが自殺ではなく、深い昏睡状態に陥ったまま練炭の燃焼に気付かずに死亡した可能性が高いと判断した。

 検出された睡眠導入剤は、木嶋容疑者が病院で処方された薬と成分が一致したほか、木嶋容疑者がネットで練炭を購入したことも判明した。

 さいたま地検は1日、大出さんと結婚する意思があるように装い、専門学校の学費名目で約470万円をだまし取ったとして、詐欺罪で木嶋容疑者を起訴した。起訴は5回目。

 木嶋容疑者は、紹介サイトで知り合った男性に虚偽の結婚話を持ち掛け、現金をだまし取ったなどとして、詐欺や詐欺未遂などの疑いで昨年9月以降、今年1月までに計6回逮捕された。大出さん以外にも、木嶋容疑者がヘルパーと称して出入りしていた千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=らが、不自然な経緯で死亡している。

 ▼板倉宏・日大名誉教授(刑事法)の話 7回もの逮捕は通常では考えられないが、状況証拠しかない連続不審死の背景を明らかにするためには仕方なかったのだろう。本件は裁判員裁判の対象となり、公判で弁護側は別件逮捕の違法性を主張する可能性がある。起訴された場合、検察側は取り調べの正当性・透明性を裁判員に理解してもらう必要性が出てくる。

 ◆埼玉などの連続不審死 埼玉県富士見市の駐車場に止めたレンタカーの後部座席で昨年8月、会社員大出嘉之さん=当時(41)=が練炭による一酸化炭素中毒で死亡しているのが見つかり、遺体から睡眠導入剤が検出された。施錠された車内に車の鍵がないなど不審な点があり、県警は殺人容疑で捜査。当時の交際相手で、直前まで一緒にいた木嶋佳苗容疑者(35)が浮上した。昨年5月に木嶋容疑者がヘルパーと称して出入りしていた千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=宅から出火し安藤さんが死亡するなど、周辺の男性が不自然な経緯で死亡するケースが相次いだ。

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