朝日や読売のような全国紙が報道しなかったようなので「人の噂も…」になりそうな気配だが、昨年の暮に広島・三原で人の家の庭に車で突っ込んで3人を殺した鬼畜が、殺人はまあ無理なことぐらいはわかるが、起訴にあたって危険運転致死罪すら適用されなかったようだ。 地元紙の中国新聞によると次のとおりだ。 地検、危険運転適用せず '09/1/17この鬼畜 秋保輝行 という名は、絶対に忘れないようにしないと。 地検の説明もふざけている、というか、刑事事件における厳密解釈のエアーポケットに入ってしまったということだろうか。 一般の社会通念に従えば、 「進行の制御が困難な速度が出ていた」のなら→「危険運転致死罪」→最高懲役20年 であるか、そうではなく、 「進行の制御が困難な速度が出ていなかった」のなら→「制御できるのにしなかった」→「故意(面白半分で)に突っ込んだ」→「殺人(最高死刑)」でなくても「傷害致死」→最高懲役20年 なんだから、いずれであっても、最高懲役20年だ。 しかし、この鬼畜 秋保輝行 の場合には、 「進行の制御が困難な速度が出ていたと認定できる証拠はない」 また、 「進行の制御が困難な速度が出ておらず、よって故意に突っ込んだと認定できる証拠もない」 から、論理的には排他的に「危険運転致死罪」または「傷害致死」のいずれかになるはずが、法的にはいずれにも該当しないということになってしまい、結果として、「業務上過失致死傷等(第2項)」で最高懲役7年に過ぎない。 (もちろん、裁判で訴因変更を命じられあるいは勧告される可能性が皆無ではないが、まずないだろう。) この鬼畜は、いまごろ、祝杯をあげていることだろう。 マジでむかつく。 ここらあたり、エアーポケットをなくす立法をすべきだろうと思う。 (追記) 刑法208条の2には危険運転致死傷の要件のひとつとして、第1項後段に「その(自動車の)進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、」と書いてある。 言うまでもないことだと思うんだが、「自動車の進行を制御する」とは、「自動車をその本来の使用方法に従って使用するために制御する」ということだろう。 そして、「本来の使用方法」とは、「公道上で、関係法規(道路交通法等)に従って走行させる」のことであって、「F1レースのような走り方をする」では決してない。 道路交通法には、左折にあたっては、「できる限り道路の左側端に沿つて徐行しなければならない」と第34条1項に書いてある。 「徐行」というのは、明確な定義はされていないが、「危険を感じたときただちに停止できるだけの速度」とされている。 つまり、左折しようとした車両が、危険を感じたにもかかわらず(接触したという程度ではなく)そのまま人を跳ね飛ばしたり引きずったりしたならば、明らかに「進行を制御することが困難な高速度で進行した」のであって、それ以外に何があり得るんだ? それとも、現に人のいる人家の庭に突っ込んだにもかかわらず「危険を感じなかった」とでも言うのか? 「地検の信田昌男次席検事は『進行の制御が困難な速度が出ていたと認定できる証拠はない』と説明している。」というのがそのとおりなら、マジで「税金泥棒、死ね!!!」とでも言いたくなる。 思うに、この鬼畜 秋保輝行 は、「F1レースでは、時速100km程度から急ブレーキ急ハンドルで曲がっている。運転上手なオレにもできる。」と考えてやったんだろう。 それなら、その時点で、「危険運転致死傷罪」の要件を満たしているだろうよ。 |
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起訴状による被告人の認識内容、危険運転致死傷罪の構成要件における故意要素と過失要素をしっかり確認しましょう。 |
通りすがり 2009/02/14 11:03 |
コメントありがとうございます。 |
きんもくせい 2009/02/14 12:31 |
馬鹿にすると言うより、思い込みの意見が激しいと感じたのでは? |
立ち止まり 2009/04/19 22:53 |
古い記事にコメントで恐縮です。 |
アマチュアオートバイレーサー 2009/06/02 12:21 |
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