小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、東京地検特捜部が小沢氏に対し、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で2回目となる任意の事情聴取をしたことが1日、わかった。小沢氏の関係者によると、聴取は1月31日午後、都内のホテルで2、3時間にわたって行われたという。
特捜部は、同法違反容疑で逮捕した小沢氏の3人の元秘書らの供述や、これまでに収集した証拠を検討。小沢氏の関与の有無について、再度確認したとみられる。小沢氏は23日に1回目の聴取を受けた後、「今後も公正な捜査に協力する」と述べ、再聴取に応じる意向を示していた。
1回目の聴取に続いて特捜部は、陸山会が2004年10月に購入した東京都世田谷区の宅地の購入にあてた4億円の原資や、資金の動きを政治資金収支報告書に記載しなかった理由を聴いたとみられる。
この事件では、いずれも小沢氏の元秘書で事務担当者だった衆院議員の石川知裕(ともひろ)(36)、元秘書の池田光智(32)、会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(たかのり)(48)の3容疑者が同法違反容疑で逮捕されている。石川議員はこれまでの調べに「土地代を払うと陸山会の運転資金が不足するため、大久保秘書とともに小沢氏に相談に行き、小沢氏の個人資産4億円を借りて土地購入費にあてた」と供述。この4億円を故意に04年の収支報告書に記載しなかったことを認め、虚偽記載は大久保秘書にも報告したと供述した。池田元秘書は、07年に小沢氏に4億円を「返済金」として支出し、収支報告書に記載しなかった虚偽記載を認めている。
一方、大久保秘書は「経理は事務担当者任せだった」と否認。小沢氏の指示については、3人とも「逐一指示を受けるような話ではない」と否定しているとされる。