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【国際】

パトリオット 米、湾岸4国に配備 核問題 対イラン圧力強める

2010年2月1日 朝刊

 【ワシントン=嶋田昭浩】三十一日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米国が新たに、ペルシャ湾を挟んでイランと向かい合うカタールなど少なくとも四カ国に、イランのミサイルへの迎撃を想定した地対空誘導弾パトリオットを配備し、軍事的圧力を強めていると報じた。オバマ政権は、イラン核問題をめぐり、同国の最高指導者ハメネイ師の強い影響下にある「革命防衛隊」を標的とした制裁強化を目指しており、制裁導入時の報復攻撃を思いとどまらせる狙いとみられる。

 中東地域を担当する米中央軍のペトレアス司令官は二十二日、ワシトンでの講演で「イランはペルシャ湾対岸の国々から深刻な脅威とみられている」と指摘。その上で「二年前には米国のパトリオットがなかった四カ国、計八カ所にパトリオットを配備した。イージス艦によるペルシャ湾の警戒も常時、行っている」と強調した。

 ペトレアス司令官は具体的な配備先を明らかにしなかったが、ニューヨーク・タイムズは、米軍筋の情報として、カタールのほか、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートの三国と報じている。

 同紙はまた、米国自身の軍事的関与の強化をアピールすることで、イスラエルに、イラン核施設などへの空爆を自制させる狙いもあるとしている。

 オバマ大統領は、二十七日の一般教書演説で「イラン指導部が彼らの(国連安全保障理事会決議などの)義務を無視し続ければ、重大な結果に直面するのは疑いなしだ」と核問題解決に取り組む決意を表明していた。

 だが、オバマ政権が台湾への新たな武器売却方針を決めたことに中国が反発。クリントン米国務長官は二十九日、訪問先のパリで、イランへの追加制裁をめぐり中国との足並みの乱れを認めている。

 

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