誰しもが一度は手にしたことがあるだろうヨーヨーは、たびたびブームを巻き起こしてきた。40代の人ならば覚えているかと思うが、コカコーラのオマケグッズとして始まった1970年代のヨーヨーブームがある。そして、90年代にはバンダイが発売したハイパーヨーヨー が話題になった。そして、今年2月にバンダイから新たにハイパーヨーヨーが全国発売される予定だ。それにより再び、ヨーヨーのブームが訪れるのではないかといわれている。

　だが、このブームの到来を見越したと思われる詐欺的な事例も起きている。昨年、某関東ローカルの情報紙に「2000年の世界チャンピオンになったという男性が現れ、ヨーヨーを普及させるためにチームを作り、イベントやショーを行い、障害児施設の子供たちへ指導もしている」という美談記事が載ったのである。

　この記事を目にした、世界大会に出場経験のあるヨーヨー関係者は「この男性が2000年のチャンピオンである事は全くのデタラメです」と怒りをあらわにする。

　なんと、2000年の世界チャンピオンは別人であるというのだ。また、この情報紙の記事では昨年の大会でも4位に入ったというが、昨年の世界大会4位は別な人物で、この時に参加していた人たちもこの男性がいたのを確認していないという。
　
　ヨーヨー関係者らが情報紙を発行した出版社に「この男性が世界チャンピオンである証拠を見せて欲しい」と質問をあげたが、結局納得の行く返答が充分に得られないままに、この出版社のホームページから美談記事は削除された。 「90年代後半のハイパーヨーヨーブームの時の第一人者はイベントに出演するなどして、当時の日収は数十万円を越えていたと言われています。ヨーヨーのブームが再燃しそうなのを見て、この男性が一儲けしようと考えたのかもしれませんね」（前出・ヨーヨー関係者）

　今後も、ヨーヨー普及の名のもとに、経歴を詐称するような輩が出てくるかもしれない。ブームの陰に潜む詐欺には充分な警戒が必要なようである。

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