Nightmare Syndrome

どうしてボクを愛してはくれないんだい？
目が無いのが恐ろしいかい？この口が気持ち悪いかい？ドス黒い肌が不気味かい？消え失せた胴体がおっかないかい？もしキミが、そんなボクの本質ではなくボクのその姿でボクの言葉を拒絶するというのなら、キミはキミを拒絶し、こんなトコロにまで追いやったアイツらと同じイキモノだということになるよ。ハハッ、だってそうだろう？アイツらも、そんな理由でキミを拒絶したはずだ。その目が、その顔が、その声が気色悪いと、キミの本質ではなく、キミの外殻で、キミをそんな風にしやがったんだ。憎いだろう？憎いんだろう？ハハハッ、でも残念だったな。キミもアイツらと同じ、そんな浅はかなイキモノだったというわけだ。ボクはキミを助けようと、キミに優しくしようと、キミを愛そうとしているのに、キミはアイツらと同じだから。そんな風にボクを拒絶するしかないんだ。ハハハハッ、そんなんじゃ、キミ。キミはいつまでたっても救われない。キミはキミの本質は、彼らの行いを遠まわしに肯定しているんだよ。
例えば、こうは思わないかい？メガネの冴えないイジメられっ子が、メガネを外したら小奇麗な顔だったわけだ。そうしてその小奇麗な顔を上手いように使って、イジメや不遇から逃れて立ち直るんだ。この世界にはそんな物語がありふれている。でも、そんなの、何の解決にもなっていない。キミはそうは思わないかい？そんな物語も、キミと同じさ。遠まわしに、その子の外見を理由に暴挙を働いていたヤツらを肯定しているわけだ。メガネの冴えないブサイクは、イジメられて仕方が無いと、迫害されて仕方ないと、そう言っているのと同じじゃないか！何てサイアクな世の中なんだい！？
なぁ、キミ。わかるかい？わかるかい？？キミが救われるためには、本当にブサイクで気持ちの悪い外見をしているボクたちが救われるためには、ボクたちは、キミは、これを肯定しなくてはいけないんだよ。ボクはキミを愛せるよ。ボクはキミを知っている。君の本質を知っている。キミのことを愛しいと思うよ。キミのためなら何だってしようじゃないか。愛するキミのために、ボクは、ボクの全てを差し出そうじゃないか。だから、ホラ。キミも、ボクを愛しておくれよ。

ボクたちの復讐は、ソコからスタートするんだヨ。

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色々な事情でうつ病を患い、学校にも行けなくなった主人公のもとに、何だかよく分からない不気味なイキモノが現れた。
そのイキモノは主人公をそんな風にしたヤツらに復讐をしてくれるという。
絶対不変の、最上級の愛情と引き換えに。

ホラーと純愛は１セットだと思うんだ。