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2008-06-25

厚生労働官僚のモラールが崩壊しかかっている件

 年金記録漏れ問題に続き、後期高齢者医療制度でも厳しい批判を浴びた厚生労働省官僚たち。今後は国家プロジェクトと言うべき医療年金介護の総合的な社会保障政策の立案を担わねばならない。ところが官僚たちは社会保障も聖域としない小泉改革継承と、少子高齢化による必然的な負担増のはざまで方向性がつかめず、漂流している。省内には早めに退職して大学教授になろうという転身願望も広がる。厚労官僚の今を報告する。

(略)

 今、省内では大学教師への転職願望が広がっている。04年以降、大学教師に移った幹部は少なくとも11人。局長手前の審議官クラスにあたる78年入省組はキャリア組15人のうち、既に5人が大学教授に転じた。将来の次官候補と言われる若手官僚の中にも、「先生の職を探したい」と口にする人が複数いる。

 医事評論家の水野肇氏は「かつて大学に行くのは将来的に組織の主力になる人ではなかった。今や、一番優秀なのが教授になりたがる」と憂える。

(略)

 70年度には国民所得の5・8%に過ぎなかった社会保障給付費は、25%近くに達した。旧厚生省の掌中にあった社会保障の制度設計は、税制論議を軸にした大きな政府小さな政府かという、国家のあり方の議論なしに成り立たなくなった。

 「これだけ社会保障は大きくなったのに、感覚は昔のまま。みな、その溝を埋められずにいる」。あるOB官僚は漂流感が生まれるのは、役所だけで完結できない限界を感じているためだという。

毎日「士気低下…漂流する厚労官僚 今や「負担増の伝道者」」

厚生労働省において職員のモラールが崩壊しかかっているとは、webmasterが業界内で見てもさもありなんと思われるわけですが、ここでの毎日の分析は甘いといわざるを得ません。一例をあげれば、保革伯仲の中で田中内閣が「福祉元年」をぶち上げたのは1973年。70年代であっても社会保障の制度設計が「旧厚生省の掌中にあった」とは到底いえません。言い換えれば、官僚が昔は自分勝手にやっていたのに、それができなくなったからやりがいが感じられなくなったというのは根拠がありません。

webmasterの考えでは、厚生労働官僚のモラール崩壊の最大の原因は、その場その場で悪役ばかりを押し付けられることにあります。毎日記事でも触れられている後期高齢者医療制度に関しては、たとえば次のような状況がありました。

マグマが噴出したのが02年。前年に就任した小泉純一郎首相が「三方一両損」の改革で、サラリーマン本人の患者負担を2割から3割に上げると決定。怒った族議員は「国民に負担増を強いるなら、現役世代の保険料が支える高齢者医療を含めた抜本改革が必要だ」と、政府に「新しい高齢者医療制度の創設を2年以内に措置する」ことを約束させた。

「75歳以上を対象にした独立型」を推したのが、丹羽雄哉・元厚相だ。公費で5割、高齢者からも保険料負担を求めて、現役世代の負担が重くなりすぎないようにする――。講演会などで繰り返した丹羽氏の主張は、今の政府の説明と重なる。

だが、当時の厚労省は懐疑的だった。医療費のかさむ高齢者だけを集めた独立型は、公費が膨らみ続ける。「非現実的に見え、第1案ではなかった」(同省元幹部)

厚労省は同年12月に発表した医療制度改革の試案に、二つの案を併記した。一つは、高齢者も従来の制度に加入したまま制度間でお金をやりくりする案。坂口力・厚労相(当時)も推していた。自民党が推す「独立型」は第2案だった。

しかし、「坂口案は老健制度と本質が同じ。理解が得られない」と考えた丹羽氏は、坂口氏を説得。翌03年3月、医療改革の「基本方針」が閣議決定された。65〜74歳までの「前期高齢者」の医療費は、坂口案に似た「異なる保険制度の間でお金をやりとりする」仕組みで支え、75歳以上の「後期高齢者」については自民党の「独立型」を採用するという内容だった。

(略)

歴史的大勝を果たした郵政選挙後の05年9月、民間議員奥田碩トヨタ自動車会長(当時、現相談役)は「医療制度改革も様々な利害関係者間で調整が進まず、改革は進んでいない。現状打破が必要」と語った。厚労省と厚労族が仕切る「聖域」への切り込み宣言だった。

諮問会議で尾辻厚労相(当時)は「先に金の話ありきだと非常に議論しづらくなる」と持論を展開した。しかし、小泉首相は「皆保険制度の持続には経済財政を無視するわけにはいかない。来年度も医療費だけで税負担が8兆円を超える。やはり何らかの手法が必要だ」と述べ、民間議員側に軍配を上げた。

諮問会議のプレッシャーを受けながら、厚労省は10月、後期高齢者医療制度を含む医療制度構造改革試案を作り、年末に政府の「医療制度改革大綱」ができた。2025年度の医療給付費を56兆円から48兆円へと抑制する内容。その具体策が70〜74歳の高齢患者の負担の1割から2割への引き上げだった。

勿凝学問149(で引用される朝日「現役負担減に力点 後期高齢者医療制度ができるまで」)

後期高齢者医療制度の是非は措きます。仮に後期高齢者医療制度が批判されるべきものであるとして、であるならばそれが向けられるべきは小泉元総理であり、竹中元経済財政担当大臣であり、経済財政諮問会議でしょう。厚生労働省に対しては批判よりもむしろ、「あなたたちの見通しが正しかった。あのときに抵抗勢力扱いして、あなたたちの声に耳を傾けなかった自分たちが間違っていた」といった謝罪があってしかるべきです(後期高齢者医療制度が批判されるべきならば、という前提に立っています。為念)。しかるに現実は反対で、小泉元総理や竹中元大臣には依然として改革の推進者として賛辞が寄せられ、批判の矢面に立つのは厚生労働省なのですから、やってられなくなるのも無理はありません。

これはこと後期高齢者医療制度に限らず、たとえば医療崩壊問題については、

特筆すべきは、一章を割いて「医師はなぜ病院から立ち去るのか」を論じているところである。その理由として、新臨床研修制度の導入や激務・低報酬の他、コンビニ受診マスコミによる表層的な報道、医療訴訟の増大などが挙げられている。実例として、阿賀野市水原郷病院の医師大量辞職、奈良県橿原市死産事件、福島県立大野病院事件などが述べられている。いずれも、医療関係者のブログではよく知られている話題である。加えて、医療従事者からは見落としがちな一面も著者は指摘する。医療従事者だけだと、「行政や官僚はアホかwwww」となってしまいがちだが、それは一方的な見方かもしれない。

(略)

[現在の国の行う医療政策は、ことごとく現場の医師のやる気を喪失させるものであるようだが、]その原因は、国の行う医療政策の目的が、「医療費の削減」が第一となっていて、国民にとって必要な「医療の質の維持」という目的が後回しになっているためであろう。これは、厚生労働省だけが悪いというわけではない。国全体の政策として「医療費を削減する」という政策目標が設定されている中で、厚生労働省ができることは限界がある。…医療の現場がどれだけ疲弊していても、厚生労働省は医療費の総額を増やすという政策決定をする権限は与えられていない。(P202)(いずれも強調は引用者による)

医療事故を起こした個人を責めるよりも事故が起こりやすいシステムを改善すべきなのと同様に、行政や官僚の個人を責めても仕方がないのだろう。『国民が、医療政策についてすべて国に「お任せ」で、国の進める医療費縮減政策をよしとしていることが、官僚が政策変更をしないことにつながっている(P204)』。日本は民主主義国家であるからして結局は国民の責任ということだ。選挙などを通じて変えていくしかないのだろうが、現状を鑑みるに日本の医療の未来はあまり明るくないと私には思われる。

「行政学者から見た医療崩壊」(@NATROMの日記1/4付)

とのご指摘があります。NATROMさんは現役のお医者さんですが、「医療従事者だけだと、『行政や官僚はアホかwwww』となってしまいがち」の「行政」「官僚」の指すところは不分明なれど、「厚生労働省だけが悪いというわけではない」という部分を強調されているあたりを見るに、おそらくは厚生労働官僚なのでしょう。webmasterの主観的認識においても、医療関係者による政府批判とはその多くが厚生労働官僚批判です。

#医療崩壊について積極的に発言されている方として本田宏さんがいらっしゃいますが、公共事業費を削って社会保障費に充てろとのそのご主張は、国土交通省批判という意味では厚生労働省批判ではありませんが、「改革」路線を積極的に推進するヴェクトルにおいては同じことです。

このほか、最近ではめっきり話題にもならなくなった障害者自立支援法についても、厚生労働省ばかりが批判されて「改革」路線は無傷であったことはwebmasterがかつてまとめたとおり。旧厚生省に限らずとも、旧労働省ホワイトカラーエグゼンプションについても、同様の傾向ははっきり見られました。

加えて、厚生労働省はここ数年、霞が関の中でもっとも残業の多い役所との調査結果があります(まとまった統計はありませんが、「国家公務員 共闘会議 残業」でぐぐっていただければ)。労多くして益少なしを実現しているのですから、このような状況で厚生労働官僚のモラールが維持されるとしたら、そちらの方がよほど不思議なことです。計算高い人間であれば、内容がなんであれ主張すればするほど評価が高くなり、後になって主張の内容が批判されることがあっても自らがその対象とはならない「改革」側に身を転じるでしょうし、一掬でも良心があったとしても、せめて直接の批判対象にはならない学者、ということになってしまうのでしょう。

とまれ、上記のとおり医療崩壊が叫ばれる中、霞が関においてもまっさきに厚生労働省崩壊が進んでいるとは興味深いことです。まこと国政とは国民の状況を表す鏡であるようで。もちろん事態の推移としては、まずは厚生労働省の財政再建派に対する劣勢があり、それがために医療従事者等からも批判されるようになり、結果としてモラールが崩壊した、という順序ではありましょうが。

BUNTENBUNTEN 2008/06/26 07:46 厚生・福祉関係に関しては総枠でキャップをはめられた支出抑制策が一番の問題なのは確かでしょう。

以下、あくまで憶測ですが…。

日本が福祉国家とかに舵を切った時には、急激な高齢化があったにしても、実質的な負担は経済成長によってかなり軽減されるという読みがあったはずです。それを帳消しにしたのは(私の中では)悪名高き土光臨調。
結果、失われた15(?)年で、そんな低成長はありえないと一部で批判のあった最も悲観的なシナリオが自己実現。でも、そこらのカラクリは見破られることもなく、しまいには改革派に殺されるんだろーな。orz>俺

西麻布夢彦西麻布夢彦 2008/06/26 08:07 > 向けられるべきは小泉元総理であり、

そうだそうだ!

> 竹中元経済財政担当大臣であり、

そうだそうだ!

> 経済財政諮問会議でしょう。

な、なにおぉ〜!!
ヽ(`Д´メ)ノ プンスカ!

財界の元々の要求は、公共事業費削減による財政再建なのに、政府が勝手に「福祉予算切り詰め」に変えてしまったんじゃないかぁ!

> 「あなたたちの見通しが正しかった。あのときに抵抗勢力扱いして、あなたたちの声に耳を傾けなかった自分たちが間違っていた」

い〜や、違う!
僕らは「正しく」「美しい」日本のあり方を示したのに、「抵抗勢力」が換骨奪胎して、負担を低所得層に押しつけたのです。

みなさ〜ん!悪いのは政と官ですからね〜
奥○様は決して悪くありませんからねぇ〜
(個人的には、奥○様の人脈より、××様の人脈に頑張って欲しいのですが、さすがに諮問会議全体を否定できないしなぁ。だいたい、一橋系が悪いのよ。阪大閥は悪くないのよ。ホント)

ま、まじめな話をすると、今の混乱は、本来「道路」を減らすことで達成すべき「歳出削減」を、福祉でやろうとしたことへの付け回しです。
悪いのは厚労省ではありませんよ。

ただ、彼らは厚生年金基金を使い込んだという「原罪」がある以上、決して世間の同情を引くことはないでしょうけど。

木村木村 2008/06/26 08:23 元々モラルなんてものが存在してたらこんな悲惨な事態にはなってなかったと思うんですが。

TANE1978TANE1978 2008/06/26 15:28 モラルというか士気が不思議と維持されていることについては私は同意してます。
あくまで在札幌の末端厚生労働行政に携わっている方々の話ですが・・・

厚労省もそうですがあくまでミクロな部分でしか作用できません。
リフレでも何でも良いのでさっさとアホみたいな「堅実金融主義」(←一般理論的な意味合い)から
世間の人々が脱却すべきだと思いますよ。当然それをどうこうしている財金政策当局者の
罪は非常重いと思います。

札幌は絶望と無力感漂う経済状況ですが少なくとも
北海道労働局の方はしっかりされてました。

さっさとマクロ経済政策を正常化して欲しいモノです
資本主義を破滅に追い込みたいのですかね?

kogekoge 2008/06/26 18:52 ふと思い浮かんだネタ。
「大阪府知事の職員叩きは、待遇でも住民からの評価でももっとひどい状況に置かれている公務員を作り出すことによって、国家公務員やそれ以外の自治体職員の士気を保とうという自民党の陰謀だったんだよ!」
「な、なんだってー!」

>西麻布さん
そもそも財界がなぜ財政再建を求める必要があるのですか?もちろん財務官僚にとっては財政再建を求めるインセンティブがあるのですが、まさか優秀な経済界の皆様が官僚ごときに丸めこまれるはずがないでしょうし。本来なら自分たちの利益を最大化するには、法人税廃止してその分赤字国債で埋めろ、無駄金でもジャンジャン公共事業して儲けさせろとなるはずじゃないんですか?馬鹿であることが自明である官はともかく、それよりはるかに優秀なはずの民でもこの程度であることを自覚してるとしたら、潜在成長率を低く見積もってるのはむしろ当然なのかもしれません。
そもそも、この財政赤字フォビアのほうが、インフレフォビアよりも遥かに根が深く、また再び経済成長する妨げになっているのかも…

ねずみ王様ねずみ王様 2008/06/26 19:56  お久しぶり。ラスパイレスもデフレスパイラルで悲しい色のねずみ王様です。一番合理的に考えると、官庁が優秀な人材を囲い込みすぎるのは民間にとって良くないという議論がかつてあったような記憶もするので、そういうことをやっているのかなという気もするのですが、問題はちょうど良いところでうまく止まるようにどうコントロールするかですね。

ishidaishida 2008/06/26 22:19 モラルとモラールは違います、っていうのは一般的に知られてないんでしょうか。
そういえばモラールってあんまり聞きませんね。

yyyy 2008/06/26 22:32 モラールが「士気」というのは一般常識かと思っていましたが。
でも、軍事用語の感があるので、一般にはあまり使われていないのかもしれませんね。
「戦争論」あたりでお目にかかりそうな言葉です。

KK 2008/06/27 11:42 広報や危機管理がなってなかったと。それとも、事務の品質管理不足が1番大きいかな。
年金記録漏れや後期高齢者医療制度ついては、事務がしっかりしていれば、問題にならなかったのでは?

タスポうざいタスポうざい 2008/06/27 23:48 >結果としてモラールが崩壊した、という順序ではありましょうが。

薬害エイズやC型肝炎やグリーンピアや岡光次官や、更に遡れば集まった年金はバンバン使っちゃえと発言していた初代年金局長?の頃は、モラールとやらは高かったのでしょうか?

bn2islanderbn2islander 2008/06/28 08:59 薬害エイズの頃は高かったんじゃないでしょうか。薬害エイズで一番頑張った人が一番叩かれたので、旧厚生省の役人が事なかれ主義に陥ったと言う、まことしやかな話は聞いたことがあります。

タスポうざい タスポうざい 2008/06/28 10:59 >薬害エイズで一番頑張った人が一番叩かれたので

どの官僚がどう頑張ったか具体的に教えてくれませんか?

もしそうなら、記者クラブを使った情報操作も可能な官僚が、何故実情を報道させて誤解を解こうとしなかったのだろうか。

>旧厚生省の役人が事なかれ主義に陥ったと言う

大きな権力を握る官僚が、事なかれ主義に陥る事など本来許される事ではないでしょう。
やる気を失ったのなら、サッサと退職するべきですよ。
でないと国が滅びます。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/06/28 18:23 西麻布夢彦さん。

>>財界の元々の要求は、公共事業費削減による財政再建なのに、政府が勝手に「福祉予算切り詰め」に変えてしまったんじゃないかぁ!

さすがに事実に反しています。
トヨタの奥○様こそ、医療費の伸び率をGDPの伸び率の範囲内におさめろ、とのソビエトロシア的管理手法をご提唱なされた偉大なる同志首領さまです。
あわせて同志奥○様は自動車ユーザーの受益者負担をたてに最後までガソリン税の一般財源化にご抵抗されました。
あれっ?まるで奥○様が抵抗勢力のようではありませんか!!
そんなはずがないですよね?
市井の医師などは公務員同様存在が悪なので、奥○様の照らし出す改革の光がゆがんで見えるのでしょう。


>タスポうざいさん。
薬害エイズについての「一番頑張った人」はたぶん郡司篤晃元生物製剤課長と思います。
彼はNHKや患者団体からは極悪人扱いされていますが、実際は極めて誠実な努力をされた優秀な官僚と思います。
個人的にはああいう医系技官がいたことを誇りに思っています。

詳しくは小松秀樹「医療崩壊」にも触れられていますので、是非ご一読ください。

タスポうざい タスポうざい 2008/06/28 21:41 市井の勤務医さん、有難うございます。
早速、ネットで調べてみました。

>海外からのおびただしい情報で非加熱製剤の危険性を熟知していた郡司氏は、83年6月の厚生省エイズ研究班の設置、国内の少人数の献血から作るクリオ製剤への転換の検討など、薬害エイズの広がりを食い止めるか否かをめぐる問題すべてに直接かかわった。しかし、アメリカやヨーロッパで血液製剤の加熱処理をし始めてから2年4カ月もの間、日本では汚染された非加熱製剤が血友病患者に投与され続け、2000人もの感染者、500人以上の死者を出すという空前の薬害事件となったのである。
>郡司氏が安部英エイズ研究班長らに、米国製血液製剤の輸入禁止を働きかけていたことはすでに明らかになっている。しかしミドリ十字などとゆ着し、多額の献金を受けていた安部らの反対にあって、被害拡大を防ぐ道をそれ以上、追求しようとはしなかった。
>郡司氏に対する被害者らの非難の声があるが、これも複雑な背景を背負っている。
郡司氏は、民事裁判で被告側の証人であったと同時に、原告側の証人でもあった。原告側の弁護士との事前打ち合わせでも協力的で、国の主張にも配慮しつつ、ある程度、国の責任につながる証言をした人物と言えるだろう。偽証罪での告発は受けたが、不起訴となり刑事被告人とはなっていない。

>川田さんは「毒が入っているとわかっていたのに、なぜ輸入禁止にしなかったんですか」と追及。
郡司は言う「厚生省は素人集団なんですよ。責任を押しつけても仕方がない」
さらに郡司は「40億円というのは企業にとって大きな財産でしょう。企業にはもうけも保障されるべきだという論理も認められますよね」と驚くべき同意を求める始末。


制度上、郡司氏の行動は適法であり、被害者にも協力的だったと言う事なのでしょうね。
研究班や審議会などは、官僚の上手い(ずるい)責任回避システムだとは思いますが。
加えて、被害当事者に対する発言は余りに酷い言い方です。
配慮に欠けると言うか、想像力が欠落していると言うか。
渉外責任者としては失格ですね。
そりゃバッシングされますよ。

公務員が国民に対するサービス業という面も持つ事を自覚するなら、合法か否か・職責を全うしたか否かだけでなく、被害者への説明の仕方にも当然配慮すべきでしょう。
案外、少し工夫を凝らすだけでも官僚への逆風が和らぐように思いますが。
後期高齢者というネーミングで、最近批判を受けたのも同じでしょう。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/06/28 23:21 そのネットの情報はかなり偏ったソースからではないでしょうか?

特に
>>川田さんは「毒が入っているとわかっていたのに、なぜ輸入禁止にしなかったんですか」と追及。
郡司は言う「厚生省は素人集団なんですよ。責任を押しつけても仕方がない」
さらに郡司は「40億円というのは企業にとって大きな財産でしょう。企業にはもうけも保障されるべきだという論理も認められますよね」と驚くべき同意を求める始末。

のあたりは相当に疑問です。

「毒が入っているとわかった」のは後知恵で、郡司氏が生物課長に在職していた時期はまだ血液製剤が感染源とは確定していませんでした。郡司氏の後任の松村氏が不作為による業務上過失致死で刑事罰を問われているのとは全く事案が異なります。

 医療問題はいつでも「被害者がいるんだから」という感情論で後だしジャンケンによる魔女狩りがなされるのですが、まさにそうした部分がタイトルにある厚生労働省官僚や勤務医の逃散につながっていると思われます。

 なお、被害当事者に対する発言の態度ですが、川田参議院議員はいきなり大学の公開授業に来て講義をしている郡司氏を大声で「人殺し」と糾弾たことがあります。
 侮辱罪や威力妨害の成否はさておき、自分は100%の被害者と確信し、糾弾目的の方に「説明」なるものが成立していたのか、疑問は尽きないと思います。

タスポうざい タスポうざい 2008/06/28 23:57 >郡司氏が生物課長に在職していた時期はまだ血液製剤が感染源とは確定していませんでした。

感染源として確定してなかったとは言え、アメリカやヨーロッパで血液製剤の加熱処理をし始めた情報は得ていたのではないですか。
法的責任は問えなくとも、欧米の担当部局に確認し予防的対応を取れなかったのか、と思うのも被害者の人情でしょう。
その点についての配慮は必要だと思いますが。

川田氏については、最近話題のモンスターペイシェント的傾向の持ち主なのかも知れませんね。

uniuni 2008/06/29 01:54 被害に遇われた方は当の官僚に向かって感情的に糾弾する権利があると思います。
しかし、第三者は冷静に原因を考えるべきでしょう。
そう思っていたので、市井の勤務医さんのような発言をまるで忌み嫌うかのような
90年代の空気に違和感を憶えていました。
漠然と思い続けていたのですが、「医療問題はいつでも「被害者がいるんだから」という感情論で後だしジャンケンによる魔女狩り」が被害を減らすことに何ら役に立たないことを世の中が理解しない限り、自らが受ける医療の質を下げることになると思います。論理的にうまく説明出来ませんが・・・。

医者が危機感を持っているらしい、とは最近ニュースでよく聞きますが、
すでに医療関係者ではない人たちの中にも表層的な医療バッシングが
自らの首を絞めることに危機感を持ち始めている人がいることは
市井の勤務医さんにも知っておいて欲しいと思います。

私が見て貰ったなかで、腹が立つ医者もいましたが、殆どの医者は良くしてくれました。医療関係者や官僚には被害に遇われた当事者の怒りを理解して欲しいと思う一方で、サイレントマジョリティは非合理的な批判感情は持っていないと思いますし、真剣で真面目に働いている医療関係者や官僚に対しては感謝の気持ちをもっていると思います。
そういう集団の声がニュースにならないだけだと思いたいのですが。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/06/29 11:19 >Uniさん。
温かいコメントありがとうございます。

「サイレントマジョリティは非合理的な批判感情は持っていない」
とのご指摘はまさにその通りで、確かに最近医療現場での理不尽なクレームが減ってきていると感じられます。

こうした変化はおそらくマスコミの報道姿勢の変化に起因するのでしょう。
大概の医師は患者さん一般よりも医療不信を煽るマスコミ報道と「世論」に迎合して非科学的な判決を出す司法に不満を抱いていたことを付け加えておきます。

ただ「真剣で真面目に働いている医療関係者や官僚に対しては感謝の気持ちをもっていると思います。」のくだり、官僚はどうでしょうか?

結局、医師に対する風向きが変わったのは勤務医が激務とバッシングに耐えかねて逃散して医療サービスが低下したからこそ、「表層的な医療バッシングが自らの首を絞めることに危機感を持ち始めている」と考える人が増え、世論が変わったのだと思います。
病院が閉鎖すればその地域の患者さんは目に見えて困りますからね・・・。

対照的に官僚機構については、優秀な人が次々逃散して実質的な政策立案、遂行能力が低下したとしても、業務の質が外部からわかりにくく、質の低下が国民に実感しにくいためバッシングがおさまりにくいのではないかと推定されます。

さらに医療に関して、「一度医者がいなくなったほうが日本はよくなる!」という論説は(ありがたいことに)聞いたことがありませんが、官僚機構については「一度霞ヶ関が崩壊したほうが日本は良くなる!」という言説はしょっちゅう見かけますしね・・・。
やはり若手官僚の半分以上が辞めるくらいまでいかないとバッシングはおさまらないのかもしれませんね。
本当に官僚の方には頭が下がります。

PKPK 2008/06/29 16:10 朝日新聞と官僚は取替えができないのが癌だな。
チラシくばりでビルが建ち、何をやっても批判されない新聞
社会保険庁のザマをさらして、まだ消費税か
俺の周囲で自民党に投票するやつんぞいないぞ
お前ら官僚も引きずり下ろしてやる

西麻布夢彦西麻布夢彦 2008/06/30 08:44 > 市井の勤務医様
> 医療費の伸び率をGDPの伸び率の範囲内におさめろ

うん。だから「減らせ」とは言ってない。
GDPは、不況といっても、年率2.4%で伸びてたんだから、さほど非難される話ではありませんね。

ただ正確には「2010年度の公的医療給付費を34兆円から30兆円へ4兆円抑制する」とした意見書「国民が納得して支える医療制度の実現〜2006年度の医療制度改革に向けた日本経団連のスタンス〜」があるので、こちらを指摘されると、「はい、減らせといってます」と言わざるを得ないのですが……

ただ、ここで言っている医療費は、公的医療費であって、自由診療は自由ですから、お医者様に苦言を呈される内容ではありません。


> koge様
> そもそも財界がなぜ財政再建を求める必要があるのですか?

求めてませんよ。
「日本経団連タイムス No.2866 (2007年7月5日)」をご覧ください。

> 昨今の税制改革議論をめぐって、2つの立場がある。1つは、
> 「財政再建路線」である。依然として財政赤字が800兆円を
> 超える上に財政投融資があるので、財政再建は非常に重要な目標である。
> そのために消費税について再検討を行い、法人税や所得税は微調整に
> 努めるという考えである。

まずは反対説(↑)に配慮しつつ、否定して、いよいよ自説(↓)展開です。

> もう1つは、「経済成長路線」である。現内閣(アベのこと)も
> 日本経団連もこの考え方だと思う。これも重要な目的である。
> 経済の成長を止めてしまうわけにはいかない。法人税負担について
> 再検討し、競争力を高めようというものである。

財界は「経済成長路線」で一貫しています。
つーか、法人税(とサラリーマン所得税)は無税にしろ!
ヽ(`Д´メ)ノ プンスカ!

直接税、はんた〜い!!

> 法人税廃止してその分赤字国債で埋めろ、無駄金でもジャンジャン公共事業して儲けさせろとなるはずじゃないんですか?

そんな志の低いことは言わない。
「直間比率の是正(消費税増税)」と無駄遣いの廃止を求めているだけです。

タスポうざいタスポうざい 2008/06/30 13:12 上げ潮派だか財政再建派だか知らんが両方駄目だろ。
通産症と財務症の綱引きに財界が絡んだ案に、実力政治家と称するボケ老人達が二手に分かれて乗っかってんのか。
揃って自己防衛や組織温存を図った上で、結局国民にツケを廻すつもりかよ。

経済成長路線と言っても、グローバル化により大手国際企業と中小内需企業では全く違うし逆相関すらしかねない。
同じく、グローバル化で国際企業の儲けは従来の様に国内に十分還流しない。
消費税を上げて当面の財政問題を片付け、自らの失策や問題の本質に頬被りしようとする財務症案も何をか言わんだ。

投機マネーの拡大がグローバル化と相俟って、原油高や穀物価格上昇を呼び国際的に社会問題化しているんだから、日本は率先して投機マネーの調整に乗り出すきだ。
高額所得者や資産家に増税し、貧困対策として生活必需品の消費税をゼロにすべし。
負債付き投資用賃貸住宅の相続税免除特例は必要ないし、財団を使った資産家の相続税逃れにメスを入れるなど、不足の税源は富裕層を対象にすべし。
富裕層に集積し海外に流出していた富を国内に廻して内需拡大を図るべきなのだ。
洞爺湖サミットでは、グローバル企業の課税強化を国際協調で行う提案位してみろってんだ。

kanchikanchi 2008/06/30 19:45 私なんかはイランの人質解放の件や東シナ海のガス田共同開発合意のニュースを見たとき
ああ、やっぱり頼りになるのは役人だなあと思いましたよ。
厚労省の方々にもやっぱり役人は頼りになると思わせてくれるニュースがあればいいんですけどね。
官僚叩きやNHK叩きなどの報道を見るたびに国民が自分で自分の首を絞めてる気がしてきますよ。

uniuni 2008/07/01 02:53 >市井の勤務医さん
 他の方のコメントを見るに、官僚云々についてはご指摘の通りかもしれません(笑)

>西麻布夢彦さん
 西麻布さんの芸風(?)というかネタ(?)に反応するのも間の抜けたことかも
しれませんが、
>ただ、ここで言っている医療費は、公的医療費であって、自由診療は自由ですから、お医者様に苦言を呈される内容ではありません。

ここの点が、経済屋さんの指摘の的はずれだと思うところです。
確かに金の流れだけ考えれば医者のサイフにはあまり影響しないでしょう。
私には「自分のサイフには影響しないが、社会的に問題が起こる」と
思っている医者が苦言を呈しているように思われますが。

もちろん自由診療を積極的に導入することで生じるメリットはありますが、
その手の主張をしている人が、自由診療を積極的に導入することによって
生じるデメリットを同じ口から説明しているところを聞いたことがありません。
(あったら是非教えてください)
何が言いたいかというと、良いことだけ挙げて都合の悪いことは説明しない、
という政策提案をする人を信じられるか?と言う問題です。
福祉は拡大するが財源のことは考えてない、と言う政策提案があったとしても
そんなもの信じられないのと同様です。

そもそも自分のサイフに影響しない人間は苦言を呈してはいけないのでしょうか?
まぁ考えてみればそれは経済的に合理的な行動でないですが。
いかんと言うことのようですので、市井の勤務医さんの代わりに、
サイフが痛む側が噛みついて見ました(笑)
あと、関係者が経済的に合理的な行動を取るというのはものを考えるための
単なる仮定であって現実がそうかどうかは別問題ですよね・・・。

uniuni 2008/07/01 03:11 歯医者で治療して貰うときに、銀歯になっても芸能人でもないので
私にとっては生きていく上で困ることはないですが、
命に関わる病気や事故の場合、そう割り切れるものばかりではない気がします。

そういう時に、破産せずにすむような仕組みを求める立場からは、
自由診療でまかなえばいい、歯科医院がすでに上手くいってるではないか、
というのは説得力に欠けると思うわけです。

もちろん公的医療費でまかなうことにした場合も巡り巡って私のサイフは痛みますが(笑)、
私自身は日頃のたいしたこと無い病気の診察代が少々高くなっても納得して払う気はあるので
まったく経済合理性を欠いているつもりではないのですが・・・(苦笑)

・・・と書いてみましたが、経済の専門家からも医療の専門家からもつっこまれそうですね。

西麻布夢彦西麻布夢彦 2008/07/01 08:00 > uni様
> 自由診療を積極的に導入することによって生じるデメリット

「貧乏な人は死ぬ。それも苦しんで」ということに尽きます。

ただ、そこで死ぬ「貧乏な人」と「貧乏な人を支える普通の人」の利益を天秤にかける必要があります。
「全ての貧乏な人を救え」というヒューマニズムあふれる意見は、個人の生き方としては尊敬に値しますが、政策としては不可能であり、ソビエトの崩壊で、むしろ地獄への一里塚でしかないことが証明されました。

問題は、どこで線引きをするかという問題であり(誰が貧乏人で誰が高額所得者かは決めの問題でしかない)、死刑執行命令を誰が下すのかということです。(線引きとは、誰を殺すか決めることに他ならない)

それを現場の医師に委ねるのは、いくら彼らが年収2千万を超えるとはいえ残酷ですので、人間ではないもの、例えば「市場原理」にゆだねた方が人道的だということです。
(まあ、2千万円ももらっているなら、命を選択する原罪を負うべきだという考え方もあるが)

あと、
> ここの点が、経済屋さんの指摘の的はずれだと思うところです。

私は、もともと「経済学否定論」で売り出した人なので、経済屋サンのロジックなど信じてません。

> 命に関わる病気や事故の場合、そう割り切れるものばかりではない気がします。

割り切れませんが、国家は神様ではないので、どうしようもありません。
悲しい現実です。

uniuni 2008/07/01 21:40 >西麻布さん
レスありがとうございます(笑)
別に西麻布さんに言いにくいことを言って貰いたいんじゃなくて、きれい事言ってる人に言って貰いたいだけなので。
お疲れさまでした。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/07/01 23:37 >西麻布夢彦さん。

「貧乏人は死ね!それも苦しんで!国家は万能ではない!」は一つの真理と思います。
ただそれは現場の医師やら厚労省の課長やら諮問会議の民間委員ごときが決めていい話ではありません。
奥田さんにせよ、御手洗さんにせよ、「貧乏人は死ね!」と思うなら諮問会議を隠れ蓑にごちゃごちゃ言ってないで、新党を立ち上げてマニフェストにそう書いて、選挙で勝ってから医療政策を変えてくれ、ということです。

それを「自由化すればもっと安いお金でもっといい医療を受けられる!改革の志だ!」とか大嘘ついて、国民の医療・介護に対する期待感を下げないままその齟齬を全部現場に押し付けるので、医療従事者は頭にくるわけでuniさんもほぼ同じご意見ではないでしょうか?

逆に言えば、奥田さんや八代さんが西麻布さんくらい率直に「貧乏人は死ね!あきらめろ!」と言って下されば文句はないのです。

uniuni 2008/07/02 07:03 >市井の勤務医さん
言いたいことを代弁して頂きました。

政策を提案する側も、支持する側も「貧乏人は死ね!それも苦しんで!」
という話であることを認めた上でそれが選択されるのなら、
それは仕方のないことと思います。

官僚や医療関係者をスケープゴートとした議論に違和感を感じるのは、
政策を提案した人やそれを選択した人が責任を負わずにすんでいることです。
bewaadさんの話を読むまで、後期医療制度は、
厚労省の官僚が率先して提案して、厚労省の官僚が率先して推し進めてきたと
思いこんでいました。

毎日新聞に「医療クライシス:脱「医療費亡国論」」という連載がありました。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080621ddm002040041000c.html

そこでは、「◇日本は「無責任国家」」とした上で、

> 米国に代表される「最低限保障責任国家」。神野教授は「最低限の生活
> は保障しようという政府。そのためには所得再分配が必要なので、豊か
> な人にかける税金のウエートが高くなる。つまり、累進的な所得税のウ
> エートが大きい」と話す。

と書いてあります。
これを読んだらアメリカで暮らしたことの無い人は状況を誤解すると思います。
アメリカで保証されている最低限は日本の最低限と比べて相当にひどい。
西麻布さんの「貧乏人は死ね!それも苦しんで!」というレベルです。
その違いはこの連載を読むだけではわからない。
これを読むと、最低限の違いを誤解したまま、最低限が保証されるのなら
アメリカ型も良いかもしれない、と思う人もでてくるでしょう。
(神野教授ご自身は脱医療費亡国論のスタンスのようですが)

医療に関して日本が無責任国家であるとすれば、それは、
官僚や医療関係者の仕事の仕方が悪いことよりも、
官僚や医療関係者をスケープゴートにしている人たちが責任を負わずにいること
の方が影響大だと思います。

uniuni 2008/07/02 07:18 >西麻布さん
 先ほどのコメントの西麻布さんの云々というくだりは西麻布さんご自身が
書かれた内容ではありませんでした。引用が不適切でした。すみません。

KK 2008/07/02 23:45 後期高齢者医療制度は“破綻救済”が目的!
http://www.dir.co.jp:80/publicity/column/080529.html

こういう風に説明したら、納得してもらえたのではないの?

弥生弥生 2008/07/03 02:38 気になったエントリーがあったので、コメントさせていただければ。
本当は「☆」を付けたいところですが、はてなのアカウントを持っていないので付けられませんので、その代わりです。

○西麻布夢彦 様
> それを現場の医師に委ねるのは、いくら彼らが年収2千万を超えるとはいえ残酷ですので、人間ではないもの、例えば「市場原理」にゆだねた方が人道的だということです。

その考え方で言うと、現行の公的医療保険制度は公費を入れつつも市場原理を取り入れた折衷型の制度といえるのではないかという気もしますが。
現に自己負担割合が増えたので受診を控えるという傾向も一部で出ているという話もありますので、公費負担の割合の増減により暗示的に線引きが可能である気もします。

ところで、治療については保険診療と自由診療の一方のみしか選択できないところですが、それ以外については(抜け道はあるとしても)保険診療は効かないはずです。であるなら、高額所得者は最高級の予防医学を受けられて病気になりにくい生活を送る事が出来るという方向でも公的医療費の削減は達成できそうな気もしますが、その辺はどうなんでしょう。
# もっとも、高額所得を得られる人間は少数に限られ、かつ予防医学はその性質故に軽視されやすいと思われるため、抑制効果は限定的だという気もしますが。

○市井の勤務医 様
> 奥田さんにせよ、御手洗さんにせよ、「貧乏人は死ね!」と思うなら諮問会議を隠れ蓑にごちゃごちゃ言ってないで、新党を立ち上げてマニフェストにそう書いて、選挙で勝ってから医療政策を変えてくれ、ということです。

あくまで個人的な意見ですが、その傾向は第2次小泉政権のときに、経済財政諮問会議を重視する傾向は既にあり、また医療制度については既にそのような発言があったようにも記憶しております。(記憶違いでしたらすみません。)それにもかかわらず2005年の衆院選で大勝した事実から考えると、残念ながら国民はその方向性を支持したと解釈せざるを得ない気がします。
# 郵政民営化のかけ声に騙されたんだといったところで、首班指名では衆議院が優越するという『中学校で習う常識』があるので、当然その他の政策についても考慮して投票しなければ、間接民主制の根幹が揺らいでしまう気がします。

○K 様
おそらくは年金と同じく「官僚が使い込んだから破綻したんだ、けしからん。」となり、やはり理解されないものと思われます。
そもそも、「1年ごとに更新を行う短期保険(単年度会計)のようなもの」と入っておきながら「破綻」という言葉を使っているあたり、この文章を書かれた方も理解されていない気がします。
単年度会計であれば、『その年の医療給付』=『その年の保険料収入』であって、加入単位あたりの医療給付が増大すれば、加入単位あたりの保険料も増大するのは自明であるので破綻という言葉とはほど遠い事になります。逆に言えば、医療給付が増大しているにもかかわらず、大和総研の筆者の言う『破綻』状態になっていないならば、それは過去の保険料が過大であった事に他なりません。

弥生弥生 2008/07/03 03:11 追加で、失礼します。

「破綻」ということばが成立するとすれば、加入者が負担できなくなるほど保険料が上がることぐらいしか
考えられないのですが、そこまでの事態となれば、それは医療技術が高度化し高額になりすぎたor経済が医療費を負担できないほど脆弱になったということであって、そのような場合は、医療費負担のスキームが完全な自由診療であっても「一般人にとって医療は高嶺の花」の状態である事には変わりがないものと思われ、公的医療保険制度とは関係のない話になります。
# 自由診療の場合、健康である若いうちは保険料負担がなくなり余裕があるものの、高齢になり各種疾病を患ったときに、たとえ保険料相当額を貯蓄していたとしても負担すべき医療費を満たせず、高額所得者以外は必要な医療を受ける事が出来ないことが想像される。

いずれにしても、「負担」から目を背ける世論がある限りは理解を得るのは難しいのではないでしょうか。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/07/03 20:23 >弥生さん。

鋭いご指摘ありがとうございます。
まさに郵政選挙の後くらいから、勤務医が「民意」に絶望して逃散する流れが加速したように見受けられます。

でもその理屈だと、与党は参院選や山口補選の結果などに惑わされずに粛々と来年の衆院任期切れまで医療崩壊を促進する義務があるのでしょうね。(笑)

「医療を守れ!」と言いだし、医療費増額を主張する厚労省や与党議員は経団連の改革光線で浄化しなければいけないのでしょう。ぜひ次回の衆院選でも奥田さんや八代さんには「貧乏人はみな死ね!諦めろ!」と公約していただきたいものです。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/07/03 20:23 >弥生さん。

鋭いご指摘ありがとうございます。
まさに郵政選挙の後くらいから、勤務医が「民意」に絶望して逃散する流れが加速したように見受けられます。

でもその理屈だと、与党は参院選や山口補選の結果などに惑わされずに粛々と来年の衆院任期切れまで医療崩壊を促進する義務があるのでしょうね。(笑)

「医療を守れ!」と言いだし、医療費増額を主張する厚労省や与党議員は経団連の改革光線で浄化しなければいけないのでしょう。ぜひ次回の衆院選でも奥田さんや八代さんには「貧乏人はみな死ね!諦めろ!」と公約していただきたいものです。

西麻布夢彦西麻布夢彦 2008/07/03 20:38 > 市井の勤務医様

「貧乏人は死ね!(命令形)」ではありません。
「貧乏人は死”ぬ”(終止形)」です。

事実を述べているだけであって、希望を述べているわけではありません。
落ち着いてください。

ナイフで刺して殺すと言っているのではありません。
巨船が沈むのを手をこまねいて眺めています、と言っているのです。
もはや打つ手無しと……

> 現場の医師やら厚労省の課長やら諮問会議の民間委員ごときが決めていい話ではありません。

ええ、ですので、市場原理という「神」に決めていただくわけです。
(マザーコンピュータでもいいのですが、あまりコンピュータは賢明でないので)

> それを「自由化すればもっと安いお金でもっといい医療を受けられる!改革の志だ!」とか大嘘ついて

そういうことを言っている人もいるかもしれませんが、見識ある人は、そんなことは言いません。
「自由化すれば”良質な”医療が受けられる」というだけです。
値段のことは言いません。
ヒルズクラブに集う客が、カクテルの値段を議論しないようなものです。

> 西麻布さんくらい率直に「貧乏人は死ね!あきらめろ!」と言って下されば
言ってませんよぉ〜
ディカプリオのように最後まで、あきらめず、頑張ってください!

……自力で(ぼそ)

> 弥生様
> 現行の公的医療保険制度は公費を入れつつも市場原理を取り入れた折衷型の制度

混合医療ができないので駄目です。

> 高額所得者は最高級の予防医学を受けられて病気になりにくい生活を送る事が出来るという方向でも公的医療費の削減は達成できそうな気もしますが

病気は理屈ではありません。
運の問題です。
予防すれば大丈夫なら、とっくに世界から病気は駆逐されています。
富める者も、貧しき者も、平等に病気と死がやってくるのです。

yyyy 2008/07/03 22:12 >西麻布夢彦さん
相変わらず絶好調ですね(笑)
ちょっと横から茶々を入れさせていただきます。

>ええ、ですので、市場原理という「神」に決めていただくわけです。
これ、ちょっと話がすり替わっているように感じますが。
日本の医療制度を誰が決めるかという話で、「市場原理が決める」では答えになっていないでしょう。
市場原理は人間の行動の集合のいわば結果であって、能動的に制度設計や制度決定の主体になるものではないでしょう。
これはいうなれば「宇宙が決めること」と言うのと同レベルの話であって、この議論上においては意味を持たない話かと。

>富める者も、貧しき者も、平等に病気と死がやってくるのです。これ、要約すると「医療は不要」ってことになりません?(笑)

Marv(ま〜ぶ)Marv(ま〜ぶ) 2008/07/03 22:15  充実した議論が続いていますね。割り込んですいません。
 私も多少は医療・福祉に関係した仕事をしているのですが、
>#医療崩壊について積極的に発言されている方として本田宏さんがいらっしゃいますが、公共事業費を削って社会保障費に充てろとのそのご主張は・・・(本文より)
 
 完全ハズレではないですが、これはちょっと違うと思っているんですね。私が大キライな(笑)破綻した北の大地の某市に来て目立とうとしている、コンサルのヒモ付きの某医師も金に困るや否や同じようなこと言ってますが・・・・・。
 実は日本の地方の小都市がなんとかもっているのは公共事業があるからで、医療崩壊している!!と騒いでいるのも実は大部分そんな小都市の医療だったりするんですね。極論すれば小都市まるまる捏造されているわけで、もし公共事業がなくなり、そこから人が立ち去れば必然的にそこの医療も要らなくなってしまうわけです。
 もし日本全体でコンパクト・シティ化が進み、医療も集約化できれば数字的にはほとんど解決できそうだと思っています。つまりやるべきことは公共事業の金を医療福祉に回すことでなく、その金まるまる新たな都市計画に費やしても良いということです。ただしこれも利権にまみれて理論を軽んずれば台無しになるでしょう。

ちょっと違うようなちょっと違うような 2008/07/03 22:20
> 「自由化すれば”良質な”医療が受けられる」というだけです。
> 値段のことは言いません。
> ヒルズクラブに集う客が、カクテルの値段を議論しないようなものです。

大金持ちにとっては日本の医療は既に自由なんですけど。
全て保険外で診療を受ければすむだけの話ですから。
アメリカと比べても自由。
アメリカはカナダやメキシコから薬の輸入は禁止されているが、
日本は金さえ払えば、アメリカの薬だろうがどこの薬だろうが個人で輸入出来る。

混合医療を解禁せよというのは、実は規制緩和・自由化ではなく、
医療の世界に国の関与を強めてくれという、市場原理の反対を行く規制強化ですよ。

yyyy 2008/07/03 23:35 >弥生さん

>残念ながら国民はその方向性を支持したと解釈せざるを得ない気がします。

間接民主制における民意というのは、いわば白紙委任なのですから、それをもって医療・社会保険制度改革に国民のコンセンサスが得られた、とは言えないのではないでしょうか。
「中学校でならう常識」と仰いますが、たとえば医療制度改革には反対であっても、郵政民営化に賛成であれば小泉政権を支持、というのは当然あり得た話ですし。むしろ、そういった間接民主制の限界は十分に意識されるべきであり、「選挙で勝ったから、民意は我々の全ての政策を支持した」と考えるのは、政治家の傲慢と言うべきではないでしょうか。

ついでに、当時のことについて述べるならば、肝心の郵政民営化においてすら「基金があるから地方のネットワークは維持される」等の発言が政府側からあったように記憶しています。
つまり、まるっきりソーシャルな観点を切り捨てて、貧困層の問題も仕方ないなどという立場で選挙戦を戦ったわけではないということです。
例えば、あのとき小泉首相が「貧困層が医療を受けられなくなるのは当然」という主張を前面に押し出して選挙戦を戦ったら、あのような形で勝利することができたでしょうか。
そうした主張を選挙戦で前面に出さなかったこと自体、国民の間にそういったコンセンサスが得られていなかったことを示しているのではないでしょうか。
個人的には、あの選挙は抵抗勢力というスケープゴートに対して国民の意識を糾合したという以上の意味は感じていません。なにしろ、大勝といっても確か得票数では半数にすら達しておらず、あれはむしろ小選挙区制によるマジックだと思っていますので。

まあ、だからといって間接民主制より良い体制があるというわけではなく、政治家には間接民主制の限界をよくわきまえて、個別の政策については慎重に検討していただきたい、という程度のことなのですが。

大学教員大学教員 2008/07/04 21:34 >将来の次官候補と言われる若手官僚の中にも、「先生の職を探したい」と口にする人が複数いる。

お話の本筋とは少し離れ恐縮ですが、大学の教員も決して約束の地ではありませんよ。
研究者に必要な訓練と資質をお持ちならば、論文に逃げ込むことも可能ですが、ご近所の文科省のお策により今時の学生の資質の低下は著しく、教育に活路を見出すことはよほどの覚悟をお持ちになりませんと、むやみに血圧が上がるばかりです。お仲間にはそのご覚悟のほどをよくお聞かせして差し上げてください。

kogekoge 2008/07/05 03:35 >教育に活路を見出すことはよほどの覚悟をお持ちになりませんと、むやみに血圧が上がるばかり
いや〜、「授業来なくても単位は出す」と言っとけば学級崩壊させるような学生もモンスターペアレントも押し寄せてくることはないんですから、役所で議員様や「市民」様を相手にするよりもよっぽど楽ですよ〜。もっとも、最近の大学教員は教育や研究以外で忙しいという話も聞きますが、それでも霞が関の激務に比べれば遥かに…ねぇ。民間企業よりマシとは言えるかどうかわかりませんが。

市井の勤務医市井の勤務医 2008/07/05 10:30 >西麻布夢彦さん。

>それを「自由化すればもっと安いお金でもっといい医療を受けられる!改革の志だ!」とか大嘘ついて
そういうことを言っている人もいるかもしれませんが、見識ある人は、そんなことは言いません。
「自由化すれば”良質な”医療が受けられる」というだけです。
値段のことは言いません。

誤解があるかもしれませんが西麻布さんの理論には個人的には反感を感じていません。
私の意見とは異なりますが、高度医療期間で働いている医師の間では西麻布さんのような意見がかなり多いという気もします。

医師の多くが奥田、御手洗、八代各氏に頭にきているのは彼らに「見識」もしくは西麻布さんと同じ事をいう勇気がなく、「いい医療を安く受けられないのは日本の医師が無能だからだ。」と責任転嫁しているからです。
経団連が医療に関して主張したことって開業医の保険点数の下げと入院基本料の包括化ですよ。市場市場といいながらなんでここだけソビエト的管理主義マンセーなんだよ、と。

bn2islanderbn2islander 2008/07/05 11:00 >大学教員さん
>文科省のお策により今時の学生の資質の低下は著しく

少子化が著しいのに定員数が変化していないからですね、分かります。ただ、大学も自分たちで選んでおいて、他に原因を求めるのも問題だと思います。入試のレベルを上げればいいだけの話ではないでしょうか。


>市井の勤務医さん
ただ、医師の多くは権丈先生の仰る「負担増」も支持していないようですね。

大学教員大学教員 2008/07/05 17:31 kogeさん
楽をしたいから大学の教員を、という考えはありませんでした。それなら悪い選択ではないかもしれません。いいかげんなことを思いつきで喋っても90分一コマの講義をやり過ごすことはできますので。どこかで定年を迎えたあとに余生を静かに過ごすつもりなら結構ですが、学外の外面ではともかく、腹をくくらないと若い教員からの冷たい視線に肝を冷やすことになると思います。

bn2islander
>入試のレベルを上げればいいだけの話ではないでしょうか。
この点は耳の痛いご指摘です。
経済系の学部で教鞭をとっていますが、3〜4割の学生が微積分や行列を知りません。「微積/行列ができない」のではなく、知らないのですよ。ゆとりとは、こういうことなのかと、遅ればせながら身にしみる毎日です。できないやつにはなだめたりすかしたり、あの手この手でできるように育てたらよいのですが、知らないやつにはその数倍の労力がかかります。取り組む意欲を見せてくれれば、それなりに手は打てます。それが私どものしごとですので。しかしモチベーションを与えることは実に難しい。頭の痛い日々です。

bewaadbewaad 2008/07/06 06:18 >BUNTENさん
殺されるならわたくしの方が先ですから、ご安心を(笑)。
http://bewaad.sakura.ne.jp/20051021.html#p01

>西麻布夢彦さん
では、公共事業削減を行ったならば、社会保障費の事業者負担の削減(基礎年金の税方式への以降等)も必要ない、ということですね!

>木村さん
モラル=倫理、モラール=士気・やる気、でございます。

>TANE1978さん
おっしゃるとおりかと存じます。

>kogeさん
夕張はそれに先立つ竹中元総務大臣の陰謀だったわけですね!(笑)

>ねずみ王様さん
リバタリアニズムに立つならば、何もできないほど無能な政府であればよいわけですから、とことんまで行ってよいのかもしれませんが、あまりに無能ですと何もしないというより積極的に害をなしたりもするわけで。ま、現状がそうだ、というのが大方のご理解であるようには思うのですが。

>ishidaさん、yyさん
補足いただきありがとうございました。

>Kさん
ところが、最近の自民党の無駄撲滅なんとかによると、広報費縮減の方向が示されています・・・あ、そうか、さらに霞が関を叩きやすくするための準備なんですね!

なお、後期高齢者医療制度が破綻処理だ、というのは不正確であるように思います。ロジックは弥生さんがお書きになられているとおりですが、結局はこの制度変更は原資をどう確保するかの仕切りなおしに過ぎず、旧老人保険制度を破綻しているというなら、後期高齢者医療制度だって破綻しています。

>タスポうざいさん
郡司先生については、下記エントリ(わたくしのものではありません。ちなみにわたくし自身、本コメント欄にもご登場のbn2islanderさんからご教示いただいたものです)をご覧いただければと存じます。
http://sleep.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_8439.html

>bn2islanderさん、市井の勤務医さん
補足いただきありがとうございました。

>uniさん
一般論として、自分のかかりつけの医師が具体的に批判されている際に守ることとは違い、一般的な医師批判に当たって医師側を弁護することは、費用と便益が見合いません。ある意味外部性が存在するわけで、だからこそ政府の役割があるはずなのですが・・・。

>kanchiさん
後期高齢者医療制度に後ろ向きだった、というのでは弱いんでしょうねぇ。

>PKさん
新聞は他紙への「取替え」が可能なのではないですか?

>弥生さん
補足いただきありがとうございました。

>Marv(ま〜ぶ)さん
「数学的な解決」にはもうひとつ、開業医と勤務医との分配問題への対処が必要ではないでしょうか?

>ちょっと違うようなさん
海外渡航して現地で医療サービスを受ける、というのもありますよね。

>大学教員さん
実際には民間企業への転職の方がはるかに多いはずです。目立つ(ゆえに注目される)のが大学教員や政治家であるというだけではないでしょうか。

西麻布 夢彦西麻布 夢彦 2008/07/06 23:04 > では、公共事業削減を行ったならば、社会保障費の事業者負担の削減(基礎年金の税方式への以降等)も必要ない、ということですね!

個人的には、そう思うけど、組織的には、そうはいかないでしょうね。
でも、関心事は、それではなくて地方分権のようですよ。

ま、基礎年金の税方式の移行は、企業の負担軽減というよりも、最貧層の救済という意識が強いのですけど。

リーマンの立場からいうと「厚生年金から国民年金を払うんじゃねぇ。あれは、俺たちの貯金だ」ということになりますしね。

年金(掛け金)を払えない人に、年金を支給させるというのは、「保険」としてどうなのか?
素直に、公的扶助にすべきだろう、としか思えません。

bewaadbewaad 2008/07/19 02:12 >西麻布夢彦さん
保険料を納めていないのに年金給付を受けるのは、第3号被保険者だけではないでしょうか?

市井の勤務医市井の勤務医 2008/07/19 13:15 超遅レスです。
年金に関しては未納者には当然受給権がないのですが、30年後に「受給権がないんだから、老後は自助努力でよろしく!」と言ってもなかなか難しく結局生活保護に頼る方針にならざるを得ないと思われます。

生保の需給も国庫負担なんだから、税方式で最低年金分は一律救済しよう、という考えはありうると思います。

ただ税方式の実現可能性は難しいと思います。
年金記録問題の大騒ぎを見れば、厚生省のシミュレーションのうち一番給付の厚い(=負担の重い)シナリオを採用したとしても厚生年金受給者はぶちきれますって。

八代大先生は「現実的でないシナリオ」とか言って一番給付の薄いシナリオを主張していましたが、どこまでKYなんでしょ、この人。最近では自民党政権を崩壊させるため、経団連民主党派から送り込まれた刺客なんじゃないかと空想しております。

bewaadbewaad 2008/07/25 04:14 >市井の勤務医さん
厚生労働省相手に(税方式支持のお立場から)岩本先生が批判を開陳していらっしゃいますが、このシミュレーションに深く関与された権丈先生をお相手にアカデミックな議論が深まればなぁ、とは野次馬の欲張りな思いです。

RainbowCoffeeRainbowCoffee 2010/02/01 10:31 Twitterでは医師しか入手できないような人体開腹画像で人を脅迫する医師が出現しました。世界でも稀な事象でしょうね。報復を開始します。

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