それでも出版社が「生き残る」としたら
↑apple「iPad」公式
ついに噂のiPadの全貌が公開されて、ネットもマスコミも上を下への大騒ぎであります。ここに来て、すでに報道されているアマゾンのKindleをはじめ「電子出版」を普及させるための役者(インフラとデバイス)が出揃った感があります。日本ではまだ普及以前の段階ですが、昨今の出版不況を脱出するための突破口は、もはや電子出版しかないというのは、衆目の一致するところではないでしょうか。
さて、かねてから電子出版による「個人出版支援」に力を入れているアマゾンやアップル、ソニー(の米国法人)といった企業は、自社と出版契約を結んだ著者に対して、「印税35%を支払うぞ、いやうちは50%支払う、それならうちは70%だ」という具合に、「印税率競争」をヒートアップさせて著者を引き込もうとしています。日本では印税率は通常8~10%なので、35%と聞いただけで耳がダンボ化する著者は多いでしょう。それが50%、70%ということになったら、「もう出版社は不要になった」と考える人が出たとしても不思議はないと思います。
要するに、これまでは「紙の本」という物理的なパッケージとして著作を出版することしかできなかったので、著作の内容が完成したとしても、そこから製版→印刷→製本→取次→書店というプロセスを経なければ読者のもとへ届けることはできませんでした。特に重要なのが取次で、ここと取引することは素人にはとても敷居が高く、自分の本を書店に配本しようと思ったら、出版社が持つ書籍コードが必要でした。
出版社(と編集者)は、そうした出版プロセスの要に位置していたので、窓口としてはどうしても必要な存在であったわけです(編集者は、多くの場合は企画段階や執筆過程にもアドバイザーとして深く関与している。本によっては編集者が企画者そのものであって、執筆から完成まで編集者主導で制作される場合もある)。
つまり「物理的な本」を作ろうとする限り、版元は必要でした。しかし電子出版になりますと、デジタルコードが本体であって、読むのはモニターに映る映像に過ぎませんので、物理的な実態がありません。すなわちネットに流して課金を回収するための窓口さえあれば、本の制作そのものは著者レベルでも十分可能で、在庫を保管する必要もなく、それなら出版社なんて不要だと考える人が出てきても不思議はないわけです。今流れている電子出版に関する記事の多くに、「出版社不要論」がくっついているのはそのためです。
しかし、その場合「出版責任」は誰がとるのか、という問題が残ります。むろんそれは著者一人が背負えばよいと考える人もいるでしょうが、現実問題として、自分の書いた(描いた)ものに、本当の意味で最後まで責任を負える著者が、どれだけいるというのでしょうか。
「自分の発言や作品に責任を負う」ということは、生やさしいものではありません。ざっと考えても著作権問題や猥褻問題、名誉毀損、果ては「おまえの書いた●●という登場人物は俺だろう。おまえのパソコンで俺の脳波を毎日読み取って書いているんだろう」なんていう「電波」を受信する人の相手まで、場合によってはしなければならないということです。
日本は言論の自由が憲法で保障されてはいますが、多くの場合それがタテマエに過ぎないことは、本を書いて出版したことのある人ならおわかりかと思います。たとえば普通に出版社が介在する本の場合、版元の編集者が、本の内容にうるさく口を出してきますが、これは、
(1) より売れる本にするため。
(2) 内容に出版社としての責任をとるため(出版責任を著者と分担する)。
という、主にふたつの理由で、そうしてくるわけです。特に重要なのが(2)でして、校正・校閲を含めた内容のクオリティ管理だけではなく、その内容に対するクレーム対応(著作権侵害、猥褻関係、名誉毀損その他)などのリスク管理も入ってきます。もちろん原理的には、著者がすべての責任を負う形で自由な内容の著作物を出版(公開)することは可能です。しかしその場合は「著者=編集者=出版社」ということになります。これの意味は、自分の著作を公開することによって生じるすべての責任(クレーム処理を含む)を「個人として」負わなければならない、ということであります。
アマゾンやアップルと著者がどのような出版契約を結ぶのか、まだ俺は具体的な契約書の内容を見ていないのでわからないんですが、アマゾンやアップルが、出版責任を著者と一緒に負うということは考えにくいです。もしそうする場合は、通常の版元と同様、内容に対する厳しいチェックが入ることは当然です。著者印税に35%から70%も支払うということは「当社では表現のリスク管理まではできませんから、何か問題が起きたら、当事者間で解決してね」ということではないかと思うのですが、実際のところどうなんでしょう。
となると、出版物の内容からトラブルが発生した場合を想定して、あらかじめ出版物のすべてに著者の連絡先表記を義務づけるか、またはクレーム元に連絡先をあっさり教えて「あとは当事者間で処理してくれ」と言ってくることになると思うのですが、どなたか詳しい方がいらっしゃいましたらご教授ください(英語が苦手なので、細かいニュアンスを読み取る自信がないのです)。
つまり俺がいいたいことは、
電子出版の時代になっても、出版責任の代行業としての出版社は生き残るのではないか
ということであります。
日本で「個人出版」というと、コミケなど即売会向けのマンガ同人誌がまっさきに頭に浮かびますね。今回のキンドルやiPadの報道を見て「出版社死亡!」とはしゃいでいる人の中には、コミケの同人誌が念頭にある人もいると思います。実は俺も、出版社死亡?と頭の中で嬉しいような悲しいような複雑な思いが渦巻いたんですが、少し冷静になってから、上のようなことに思い立った次第です。
実は、今回こういうエントリを書いたのは、友人のフリージャーナリストであるIさんとの会話がもとになっています。Iさんは昨年からキンドルやタブレットPCによる電子出版の時代が来ることを予見していた人ですが、キンドルの著者印税が35%だと発表されたときには、
「それでも自分は出版社と組みたい」
と言っていたわけです。なぜならIさんは在日朝鮮人問題や沖縄問題を取材している社会派のジャーナリストですので、取材の性質上裏社会の人間と接触することも多く、危険と常に隣り合わせだからです。
「俺の書いた記事で、人が死ぬかもしれない。反対に、こっちが殺される可能性だってある。出版社が防波堤になってくれなかったら、命がいくつあっても足りない」
というのが、Iさんが出版社と組みたい最大の理由です。つまり出版社には組織があり、法務部があって、フリーに危険な取材を任せるときは社としてのバックアップ体制をとりますからね。そういう体制がとれる出版社とでなくては、Iさんの仕事は成り立ちません。
そのためIさんは、キンドルで出版する場合も、著者(Iさん)が20%、出版社が15%の割合で取り分とすることをいくつかの版元に打診しているそうです。つまり、出版社が窓口になって出版責任を分担するリスク代金が15%ということですね。(これ以外にも、取材や執筆のサポート料や、校閲料なども含んでいるらしい)。
俺は、さんざんこのブログでも主張しているように、今ある出版界(紙出版)の枠組みは、遠からず崩壊すると思うんですよ。そして主流は電子出版に移行していくと思うんですが、その過程で、必ず「出版責任」を誰が担うのか、という問題が出てくると思うんですね。
だから、俺が現時点で考えていることは、今ある出版社は一度解体して、編集者や営業マンがそれぞれ小さな「編集会社」や「営業会社」を作り、それぞれ看板を掲げて著者を顧客とした出版サポート業を営むという未来です。これまでは、出版社の編集者が著者に依頼して本を書いてもらっていましたが、
これからは著者が編集者や営業マンを雇う時代になるかもしれない。
と俺は思うのです。クオリティの高い本を作って売ろうと思ったら、どうしても「本作りのプロ」の力は必要になるでしょうし、
編集者は、弁護士や税理士のような役割になる
かもしれません。版元や編集者抜きで出版するということは、弁護士抜きで裁判をしたり、税理士や会計士抜きで会社を経営するようなものだからです。
これと同時に、これまで書いてきた
出版責任を担うための出版社はおそらく残っていく
のではないかと思います。同時に「企画主体の出版を編集者中心で行う」というありかたも考えられますが、長くなったので、これはまたの機会に書くことにします。
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コメント
編集さんがついててあげないと本は書けない/描けない、という発想がたけくまさんにないのが不思議です。
企画からレイアウトから内容についてまですべてひとり乃至数人の仲間でできるという前提で論じているように感じます。そこがなんだか胡散臭い。
投稿: Z | 2010年1月30日 (土) 11時20分
編集さんがいなければ書けない著者もいるし、いなくとも書ける著者もいますよ。編集さんを必要とする著者は、これからは編集さんを「雇う」時代になるでしょう。そのあたりのことはまた書きます。
投稿: たけくま | 2010年1月30日 (土) 11時25分
>Zさん
小さな出版社で編集者=社長と言うところは珍しく無いですよ。
投稿: hiro4 | 2010年1月30日 (土) 11時30分
たけくまさんの論の限界をみたような気がします。
編集さんが必要→ならば雇え というロジックがまずむちゃくちゃ。
そもそも誰をどうやって雇うんですか。
弁護士化した編集者なんてもう編集者ではありませぬ。
それに翻訳家はこの場合どうしたらいいんですか。
ひとりで海外の出版社やエージェンシーや著者と折衝して契約して翻訳してレイアウト作って印刷にまわして…
そんなもんできますかいな。
要するにクリエイターはみなハードボイルドなサムライになれって話ですよね。
私は厭です。
投稿: Z | 2010年1月30日 (土) 11時36分
1000円の本を5000回売ったら、iBooks storeでは、350万円ほど手元にはいってきます(いま言われているように制作者側の取り分が70%として、ですが)。
これだけで一年食べていけるようになるわけで、作家になる敷居が全然下がりますよね。もうこの一点だけみても素晴らしいことだと思います。
Zさんはある程度の数がさばけることを前提とした出版業のみを念頭においているようですが、そうではない出版の形も可能になることまで否定しなくてもいいんじゃないでしょうか。
投稿: akira | 2010年1月30日 (土) 12時03分
思いつきの論が多い中、丁寧な思考実験をかさねられたとおぼしきこの文章に出会いなるほどと拝読しました。
編集者として生き残っていくには編集士を目指す、がんばります。
投稿: 編集者側 | 2010年1月30日 (土) 12時08分
iTunes store を見る限り、iBooks storeも出版社を通したモノになる可能性が高いかと思います。※アメリカでは著者が出版エージェントを雇うのが一般的ですから、たけくまさんの言っている日本の編集者の役割を果たしているのかと思われます。
日本での問題は、単価が下がる事と取次店の必要性がなくなっていくことが大きいと思います。
投稿: めきし粉 | 2010年1月30日 (土) 12時22分
そうすると、印税70%の発表は著者向けではなく、逆に出版社や取次に対しての恫喝なのかもしれませんね。
投稿: ネコ七 | 2010年1月30日 (土) 13時21分
>>要するにクリエイターはみなハードボイルドなサムライになれって話ですよね。
私は厭です。
誰もそんなことは言ってません。
「ハードボイルドになれ」論ではなく、「今後の出版社・編集者のあり方」について論じているのです。
投稿: かなやりさ | 2010年1月30日 (土) 13時21分
編集も書き手/描き手も孤高のハードボイルドになれ?よつばのとーちゃんが聞いたら失笑されること必至ですね。
投稿: Z | 2010年1月30日 (土) 13時31分
役者不足です。
デジタルにつきものの不正コピーへの対処
が抜け落ちてないですか?
Kindleが早くもクラックされ電子書籍のコピーや変換が可能にwww
http://www.oshiete-kun.net/archives/2009/12/kindle.html
手間がかかる紙媒体ですらデジタル化され
ネットでばらまかれているのが現状。
海賊版への対策が不十分だと次々コピーされ
ちゃいます。
対策を強化したらしたで不便さが増して
消費者からの不満が出て、極端な話、電子出版
自体が廃れるなんてこともありえるかも。
投稿: ほげほげ | 2010年1月30日 (土) 13時33分
Zさま
>そもそも誰をどうやって雇うんですか。
腕のいい編集者さん達はきっとネットを使って自身の能力をアピールしてくれる世の中が来るはずなので、そういった有能な方を選んでメールすれば良いのではないでしょうか。
>翻訳家はどうするのか?
翻訳出来るほどの語学力があるなら、翻訳したいと思った海外の本の出版社さんにメールしたら良いのではないでしょうか。
海外の出版社さんは先に契約書を作ってくれるので、日本のように出版社の都合で企画を白紙には出来ないようになっています。
レイアウトが出来ないのでしたら、レイアウトの必要のない本を作るか、レイアウトの出来る有能な方をネットで探してメールしてみたらいかがでしょうか?
印刷するのが出来ないのでしたら、ネットで公開すればいいじゃないですか。
そして上記の色々なこと(主にメール)が苦手でしたら既存の日本の出版社さんに頼れば良いと思います。
大丈夫です、今のところ日本の出版社は沢山生き残っています。
投稿: S | 2010年1月30日 (土) 13時40分
必要なのは出版社というよりエージェンシーだと思うのですが、それはつまりタレントの所属事務所のようなものではないでしょうか?
法務とか、会計とかはそれぞれ弁護士(事務所)、税理士(事務所)にアウトソースすれば良い。
アメリカだとそれが普通なのでは。
投稿: himorogi | 2010年1月30日 (土) 14時26分
ウチを経由すれば、本文レイアウトは当然おまかせ。表紙アイコンもウチで用意するよ。
どうウチのレイアウト、いいでしょ? 表紙グラフィックも格好いいでしょう?
もしお気に入りのレイアウターやグラフィッカーがいるなら、こっちから話持ちかけてもいいよ。
ウチのサイトでプロデュースもするよ。話題の新刊として紹介文のせちゃう。
出版責任?
とるよ。もちろん。
以上含めて、お値段はこの位・・どう?。
てなかんじ?
投稿: ねじ | 2010年1月30日 (土) 14時37分
新エントリ、興味深く拝見しました。
>出版責任
日頃あまり考えた事がない概念だったので、
なるほどと思いました。ただ、今でも
ブログや掲示板等では、みな普通に個人が
自分の意見や見解を発表してますよね?
ブログや掲示板で他人の誹謗中傷をした人が
相手に訴えられた場合、裁判をして負けたら
慰謝料や賠償金を払わなくてはならないはず。
それとどう違うのかよくわかりません。
出版社と組む事でそういうリスクを分散できる
というのはわかりますが、個人出版はお金が
からんでくるからブログ以上に気をつけた
ほうがいいということなのでしょうか?
コミケで売ってる同人誌にも同じリスクは
あると思うのですがどうなのでしょう。
同人作家やブロガーが訴えられたときの為に
弁護士と契約しているという話はあまり
聞きませんが、ブログよりも個人出版の方が
責任がより重くなるのでしょうか?
正直自分はそのあたりはまったくの素人なので
よくわからなかったりするのですが。
今の自分の認識では、電子書籍での個人出版は
同人誌や個人誌の延長という感覚なので、
誹謗中傷をしない、個人情報を勝手に載せない、
盗用をしない、等の常識的なことさえ守って
いれば、そこまで大げさに考える必要があるのか
どうかという気もするのですが、そのあたり
どうなんでしょうか。
もっとも、同人誌の延長程度の部数を
細々と配信するだけなら1人でも充分対応
出来ると思いますが、翻訳して海外にも配信
するとか、アニメ化やゲーム化などという話に
なってくると、個人がたったひとりで全てを
行なうのは荷が重くなってきますから、
そういう作業を代行してくれる会社や
存在は(必ずしも出版社とは限りませんが)
やはり必要になってくると思います。
また、基本的に1人で書ける小説やエッセイなどは
個人配信に移行していく流れになるかと思いますが、
大きな費用をかけなければ作れない本や、
個人ではなく専門家集団が共同で製作する本、
また海外を広範囲に取材しなければ書けない本など、
お金がかかる企画本などは、出版社が企画段階から
かかわって作り上げて行く、という従来の体制も
今まで通り残っていくと思いますので、
単純に出版社が必要なくなるということにはならず、
各出版社ごとの得意分野に特化した企画出版を
行なう事で生き残っていく出版社と、
時代の流れに乗れず淘汰されていく出版社とに
分かれていくのではと考えます。
アニメにしても「ほしのこえ」の新海誠さんや
蛙男商会さんの「秘密結社鷹の爪」のような
個人で作られたアニメがある一方、
ディズニーやピクサーが製作した何十億円もの
制作費のアニメがあり、お互い共存していますが、
個人出版と大手出版社の関係も、それと同じような
感じに収束していくのではないかと思います。
ただ、電子書籍による個人出版が気軽に行なえる
状況になっていく以上、昨今問題になっているような、
個人の著者に対して、出版社や社員編集者が
傍若無人にふるまったり、神のごとく君臨する
ような状況はなくなっていくことと思います。
これは、今まで他に選択肢がなかったばかりに
出版社に命綱を握られ、何をされても
涙を飲むしかなかったような個人作家にとっては
福音となるでしょうし、出版社にとっては
作家を所有物のように扱うようなことはできなくなり、
個人作家と出版社の関係が、従来そうあるべきであった
『健全な対等の関係』に、なっていくと
いう事なのだと思います。
同じ作家の作品でも、ある本は自分1人で出版し、
別の本は出版社と組んで出すなど「使い分け」が
普通になっていくのかもしれません。
最終的には『個人出版のインディーズ本』と、
『大手出版社の企画した企画本』が『並行して栄える』と
いう状況に落ち着いていくのではないでしょうか。
いずれにせよどうなっていくのか、今後の展開を
興味深く見守っていきたいと思います。
(長文で失礼致しました)
投稿: JUN. | 2010年1月30日 (土) 14時47分
意外と見落とされているのが実用書、ビジネス書など。この手の本は本人が書くことはほとんど無く、ライターが代わりに書いています。こうした本の収入はPHPといった出版社にとって主体になります。それからダイヤモンドもかな……、でもタイヤは案外、広告依存が大きいか。
投稿: いわと | 2010年1月30日 (土) 14時48分
素朴な疑問として、Blogのエントリー責任ってだれが取っているのだろうとか思いました。
Blogは書籍とちがって、いつでも変更できるストリーミングだから、著者が(書き直しという)責任をとれるけど、書籍は電子になってもパッケージだから、一人歩きするので、エージェントがいないと不安だという理解でいいのかな。
出版社が解体して、編集者単位になった場合、かれらもまた、責任は背負いきれない。もともとサラリーマンだったわけですし。
そういう小さな編集=著者ユニットに対して、法務とかマーケティングなどを提供するエージェントとかが今後うまれてるのかなとか思いました。
投稿: tomix | 2010年1月30日 (土) 15時00分
訴訟リスクは保険屋さんが解決してくれるかも
音楽もそうだけど、もうこうなるとメジャーと
マイナーの境界がなくなってくるでしょう
とんでも本が大量に出そうですから
と学会メンバーの増員が見込まれます
投稿: イ二 | 2010年1月30日 (土) 15時39分
たけくまさんのお話を聞く限り、やはり大手出版社は
「死なない」というだけで、結局のところ斜陽に拍車が
かかると感じました。
逆に「複数言語への翻訳能力のある」ところや「法に強い」など
何かに特化したベンチャー的な小さな出版社が、少し芽を出して
くるかもしれませんね
投稿: レイス | 2010年1月30日 (土) 16時00分
下手な商業誌よりも部数の多い同人誌はいっぱいあります。流通が取次を通していないというだけで、商業出版と何ら変わるところはない。
盗用だとか、名誉毀損だとかいう抗議も著者たちは受けているでしょうが、全部、自分で対処しています。出版責任を取ってくれる主体が必要だから、マネージャ的な主体が必要だなんて話はない。
出版責任の問題があるのは、ジャーナリズムだけでしょう。
投稿: 井上 晃宏 | 2010年1月30日 (土) 16時24分
非常に可能性が(描き手&書き手)に
生まれてきそうですね。
ただ、オイシイ話しだけですと
「新風社騒動」のような事態が
デジタルで起きますね。
信用のある「エイジェント」が
日本でもほしい!
これが、伝統的に無い世界だったのが
「日本の出版界」。
それと「同人誌」「プロ誌」という
区分けが見えなくなるので、
このクオリティを、どう読者に示すのか。
問題は山積みですね。
小型版実験から
やっていくしか
無いのでしょうね。
でも、楽しみです。
「20歳若返りたい」(笑)
投稿: 長谷邦夫 | 2010年1月30日 (土) 17時11分
漫画の場合、いずれ単独で描いている作家が
こぞってインディーズの電子出版に移行する
可能性は大いにあると思う。そうなったら
出版社は、アメコミやハリウッド映画のような
「プロジェクト製作方式」で
漫画を製作し始めるのではないだろうか。
編集部がプロデュースして、シナリオ、演出等は
外注し、作画チームを立ち上げ、締め切りまでに
ガーッと仕上げて、連載が終わったら
チームはすべて解散、みたいな方式だ。
今まで出版社は、個人の漫画家にリスクを全て
丸投げして、当たれば出版社は大儲け、
外れたら漫画家を切り捨てるだけ、という
出版社にだけ都合の良いやりかたをしてきたが、
プロジェクト方式だと、制作費は全て出版社持ちだから
リスクもそれ相応に負う事になる。
これまでのような「漫画家をいいように利用して
いらなくなったら捨てる」というやり方が通用しなくなる。
また、従来型の個人の作家に原稿料を払うやり方に
比べて当座の制作費もかさむ可能性が大きい。
とはいえ、この方法は出版社にとって悪い事ばかりではない。
このやり方だと、単行本化の際に作家に払う印税は
必要なくなるので、制作費等の面でのリスクはあるものの、
大当たりすれば儲けは全て出版社のものになる。
また「プロデューサー以外全員外注で、
終わったら解散方式」のほうが
有望作家を社員にして丸抱えするよりも
かえってリスクは少なくてすむという利点もある。
出版社が生き残っていく為にはこういったチームでの
プロジェクト製作や、専門分野での企画出版という
方向に行かざるを得なくなるかもしれない。が、
逆にそれがうまくいけば、充分存在価値を見いだして
生き残っていける可能性は大いにあると考える。
投稿: JUN. | 2010年1月30日 (土) 17時39分
出版社というか、ジャニーズ事務所のようなところが求められるようにはなるでしょうね。
すでに有名な人はそういうところに所属する。
そうでない人は、インディーズのような形態で自分の考えを世に問う。
マーケットが複数の次元で成立する現在の音楽業界に似てくるのかな、という気がします。
投稿: wizardrylife | 2010年1月30日 (土) 17時57分
>連載が終わったらチームはすべて解散、みたいな方式だ。
それ(↑)を日本式にやると、
>個人の漫画家にリスクを全て丸投げして、当たれば出版社は大儲け、
>外れたら漫画家を切り捨てるだけ、という出版社にだけ都合の良いやりかた
こう(↑)なるんじゃないの?
それじゃ流石に遺憾から、契約その他しっかりしましょうね? って、たけくまさんが言うてたんではないの? 「チーム解散方式」は、1周回ってまた元に戻ってきただけなんじゃないかな?
何事も夢見てニコニコしてるくらいが丁度いいんでしょうけど、あんまり寝ざめのいい夢でも無さそうなんで、やるならボチボチくらいで。
投稿: 渡辺裕 | 2010年1月30日 (土) 17時57分
みんな夢みたいなことばかり書きこんでる。
たけくまビジョンの弱点その2。
新 人 に チ ャ ン ス が ま わ っ て こ な い !
なぜか?考えればわかる。(わからないひとは考えよう)
投稿: Z | 2010年1月30日 (土) 19時13分
>渡辺さん
プロジェクト方式だと、多人数のチームで
やることになるから、従来の「1人の漫画家が
アシスタント代も全部負担して失敗したら
全責任を負う」にくらべれば1人1人のリスクは
少なくてすむのではと思います。
とはいえ渡辺さんの仰る通り、この方式だと形を
変えた使い捨て方式には変わりありません。
どういう契約にするかにもよりますが・・・。
雇用される側から考えていちばんいいのは
チーム全員を社員として雇って丸抱えする
ことなんでしょうけど、それだと出版社側から
見た場合、毎月の経費もさることながら、
作風を変えた作品を作る際に
対応できるかという問題が出てきます。
もっとも、『スタジオジブリ』が、
アニメーターを社員として丸抱えした上で
今後も引き続き「ジブリ風」の作風で
アニメを作り続けるのと同じように、
一つの出版社がずっと「同じ作風」の漫画を
作り続けるというのであれば、
『チーム全員社員にして丸抱え』にするのが
いちばん理想的なありかたかもしれませんが、
既存の出版社で大手のアニメ会社のような
方法を漫画に対して実際に採用するところが
あるのかと現実的に考えた場合、
スポンサーを募って大掛かりに製作する
ジブリアニメと漫画を同列に考えるのは難しいかと。
ただ、解散型のプロジェクト方式にしたところで
あまりにも条件が悪すぎれば、良い人材が
集まらないでしょうから、そこはちゃんと
考えるのではないかと。それすらもできない
ようなら淘汰されるしかないでしょうし。
投稿: JUN. | 2010年1月30日 (土) 19時31分
『「キンドル」作家、募集中
米アマゾンが自費出版支援』
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100117ATGM1601F17012010.html
『インターネット小売り大手の米アマゾン・
ドット・コムは、全世界を対象に電子書籍端末
「キンドル」向けの著作を自費出版する出版社や
作家の募集を始めた。米国内の出版社や作家に
限って自費出版する仕組みはあったが、
これを米国外にも拡大して仏語や独語にも対応する。
対応言語も増やす考えだ。』
投稿: L | 2010年1月30日 (土) 19時41分
新人にチャンスがない?
いや、いくらでもあるでしょう。
漫画雑誌における新陳代謝は激しく、あだち充や高橋留美子みたいな人は多くない。
投稿: 井上 晃宏 | 2010年1月30日 (土) 19時53分
印税70%ではなく、
書籍データの7掛け委託販売だと考えれば、
それほど驚くような数字じゃないように思います。
出版責任にかんしても、同人誌を模索舎やタコシェに委託するのとさほど変わらないような気が。
投稿: サトロー | 2010年1月30日 (土) 20時55分
>出版責任とトラブル
出版社や編集のフィルターを通さないものも出やすくなると、
暴露、根拠のない中傷、トンデモ系の本も増えて今以上に
揉めやすい部分はあるかもしれませんね。
腹腹時計みたいな爆薬の作り方や、カルト的な思想系の本とか。
面白い部分はあるけど、中傷の対象に自分がなるのは困るし
倫理やプライバシーの面で問題もあるので、なんらかの線引きと
責任の所在の明確化は必要でしょうね。
このへんの問題については、少し前にkindleでも
リモート削除の訴訟がありましたが…現実的にはAmazonとか
Appleとか、もしくはどこかの監督機関が仕切るんでしょうか。
でもこれはこれで、巨大資本や人権団体に自分の本棚の内容を
把握されてしまうキモさもあるので悩ましいですね…。
たとえばシグルイとラインバレル読むために、チャンピオンRED
買ってたら変質者予備軍として登録されてたとか。
燃えるお兄さんやマルコポーロの騒動みたいに、クレーム
受けた記事や他の連載作の煽り食らってデータ消されたとか。
園芸の本と間違えて球根栽培法を買ったらマークされたとか。
そういう杞憂も、多少頭をよぎらないでもありません。
関係ないですが電子書籍だとおっぱいフィギア付録とかの
企画は無理そうですね。
投稿: Fire_Fry | 2010年1月30日 (土) 20時58分
まぁ、新人にチャンスはあるかもしれんけど、使い捨てられる可能性や確率もそれと同じくらい高いんで。最近とみに多いみたいですけど、そういうのを「新陳代謝」って言うんでしたっけ?
何気に会社の論理ですわな。用語に問題あるかもよ。私が書き手だったら、よほど金銭待遇が良くなければ井上晃宏さんの会社?には関わりたく無いかも。
書き手を老廃物のように扱いなさんな。
投稿: 渡辺裕 | 2010年1月30日 (土) 21時03分
マンガ家Sのブログ
『たけくまメモに相変わらず疑問を感じた』
http://uaa-nikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-988a.html#more
投稿: L | 2010年1月30日 (土) 21時29分
パソ通の時代からiPhoneのアプリ市場まで、ネット界隈ではうんざりするほど繰り返されてきた話のような気がします。
要するに“出版”がどうしようもなく低俗化して、扇情的な作品(モノ)が幅をきかせるようになって、昔の関係者がネットの隅っこの方で嘆息するっていう構図が、2年後くらいにあるのが目に浮かぶ。
もっと言えば、サロンとか映画とか文学とか大学とかロックがなんたら~とかも、根っこは同じ議論のような既視感がある。
投稿: nt | 2010年1月30日 (土) 21時46分
電子書籍では例えば抗議への対処とかは、上でFire_Flyさんの指摘されてる様な、現在の掲示板とかの運用に近い感覚になる気がします。
配信停止とか簡単でしょうから。
出版に当たっての審査とか、レーティングとかが必要になるかもしれません。不法コピー対策そのほか、問題はまだまだありそうです。
投稿: けおら | 2010年1月30日 (土) 22時16分
たけくまさんのデジタル出版の取り上げ方には前から違和感を感じます。
本当に独力で作品を作っている作家って、私の経験上、全体の1/4以下ですよ。作家の多くは編集がハンドリングしたり、そもそもアイデア出してあげないとモノにならないと思うのですが。時事問題系の本なんかも半分以上がゴーストライター(もしくは編集)が書いてるのが現状ですし。
確かに出版点数は多すぎで、クズみたいな本も多いけども、抗議への対応がどうこうとかよりも、コンテンツ作りの根っこのところを論じて欲しい。人間、一人で作業したって、たししたものは作れないです。「三人寄れば文殊の知恵」って言うじゃないですか。残り2人分を出版社が提供してると私は思います。
投稿: ひよこ太郎 | 2010年1月30日 (土) 22時43分
シェイクスピアにも紫式部にも編集者はついてなかったと思います。
投稿: サトロー | 2010年1月30日 (土) 23時06分
ほとんど同意。
出版社って呼ぶかどうかわからないけれど。
本当に独力で書いている人が少ないって言ってる人がいますが、
たしかにその通りだけど、
独力でblogをこれだけ書いている人がいるので、
そういう人の本が出る割合が圧倒的に増えるのは必至でしょう。
編集者がいて(チームで)作って、オモシロイ本ができれば、
それが売れればいいわけだし。
それがいいかどうかとかは関係ない話。
ただ、そうならざるをえない。
たけくまさんはその時は、筆者としてこれを眺めているのですか?
エージェントになる気はないですよねw
投稿: どーん | 2010年1月30日 (土) 23時45分
翻訳ものにはたいていついている謝辞の一番最後は、どれも判で押した様に、“出版エージェント”と“家族”に宛てたものになっているのが不思議だったのですが、その理由の一部がわかりました。
またアメリカの作家志望の人間は、作品の売り込みを出版社だけでは無く、出版エージェントにすることもごく普通にあるそうです。
出版エージェントも弁護士と同じく、会社組織のものから個人営業のものまで様々だそうですが、えてして人気作家を抱えていたり、大出版社とコネがあるところに応募が殺到するとか。
いくら電子出版をしたところで、宣伝してもらえなければ無いのと同じなので、資本や伝統を持っているこれまでの出版社が無くなることはないでしょう。
ただ、広告の形態がネットによって多様化しているので、これからは有力ブロガーとなんらかのコネを持つことなども必要となってくるはずです。
少々脱線しましたが、作品が電子化されることによって、出版に関わるプレイヤーの種類と数が劇的に変わってゆくでしょう。そして乱世に生き残るために一番大切なことは機先を制することです。
ご武運をお祈りもうしあげます。
投稿: byj6 | 2010年1月31日 (日) 00時12分
1500円の本は300円くらいになるのではないでしょうか。中抜きしてるんだから、読者は値下げして欲しいと思うもの。そして、安くなれば部数は出ますが、それも一時的なこと。たくさん本を買っても読むヒマが無いことに、みんな気がつきます。その時物書きさんはどうするべきか考えておいた方が良いですよ。出版社と組むとか組まないとか、それ以前の問題になりそうです。
投稿: テテス | 2010年1月31日 (日) 00時13分
>電子出版の時代になっても、出版責任の代行業としての出版社は生き残るのではないか
ここですが、弁護士の妹と話したら、この件は弁護士仲間の間でも話題に上がっていて「リスクの代行業」への進出を考えている弁護士が何人もいるそうです。
多重債務対応が飽和してきており儲からない仕事と化しており、更に弁護士の数が激増しているので、彼らも新たなマーケット開拓に躍起の模様。
出版社とて、結局は法務管理は弁護士に頼むはずなので、直接引き受けちゃうみたい。
面白くなってきましたね。
出版社はもうダメかも。
投稿: あーちゃん | 2010年1月31日 (日) 01時00分
色々言われているけど、フリーランスは増えると思うよ。
同人誌が商業誌より売れてることもあるみたいに、
すでに出版社の力を借りなくても、
一人で本を作れる人は独立した方が儲かるし。
出版社が、彼らの訴訟リスクの分担などの仕事をとってきて、
稼ぎを少しでも維持するんじゃないかというのは、
かなり妥当な考えだと思う。
そういう一匹狼的な作家以外、
翻訳家とか、新人とか、
今まで通りのディープな関係を必要とする人は確かにいる。
でも、そういう作家もいる、って考えは、
たけくまさんの
独立した作家の訴訟リスクを分担するような
新たな仕事にも乗り出していくのではという考えと、
共存しうる意見だと思うんだけどなぁ。
投稿: うはは | 2010年1月31日 (日) 01時16分
投稿する際に、お名前の後に(立場)を書いて
頂けると読む時に目安になります。
こんな感じに
↓
Tomi++(素人・読者)
お名前(作家)
お名前(ライター)
お名前(編集者)
投稿: Tomi++(射手座) | 2010年1月31日 (日) 01時19分
>>Tomi++(射手座)
うはは(素人・読者)
ってか。
投稿: うはは | 2010年1月31日 (日) 01時20分
匿名とかペンネームで出版すればいいんじゃないですかね?
投稿: t | 2010年1月31日 (日) 01時34分
以前、
>電子出版その際アマゾンらが出版内容に責任をもつかどうか、
>出版の範疇に関わるかどうか意味合いが変わってきますね。
というのを、ここの関連エントリにコメント書いたんですが、
実際問題になってきたということは一歩段階が進んだ感じで。
アマゾンやibookが出版内容に責任を持たないのなら、
既存の出版社はどんどん“エージェント&法務”に特化した、
「出版マネージメント業」にシフトしていくと思います。
“信頼の○○”とかブランドを全面に立てたりしてね。
そういう意味では出版社は形態を変容しつつ生き残れると言えますね。
(しかし紙の印刷業はヤバイっすね・・反エコだと叩かれてるし)
投稿: にょろ | 2010年1月31日 (日) 02時19分
あ、上に書いた
「出版マネージメント業」というのは、
「電子出版マネージメント業」です正確には。
投稿: にょろ | 2010年1月31日 (日) 02時22分
売れるか売れないかはまた別の話。
編集者と組もうが、全部1人で描こうが、
実力があれば成功するだろうし、なければ
見向きもされない可能性もある。
それでも、選択の幅が拡がることは書き手に
とっても、読み手にとっても決して悪い事じゃない。
今までは「一つの道」しか存在せず、否応無く
そこを通るしかなかったのが、自分にあった
いろんな方法を選べるようになるのだ。
そのこと自体は「進歩」と呼んでもいいのでは。
投稿: L | 2010年1月31日 (日) 02時23分
そうだなあ、
「南京大虐殺もホロコーストもなかった」
「がんばれアルカイダ」
「マンガでよくわかるテロリスト養成講座」
とか出せるんでしょうか。
とは思うのです。
とりあえず試しに私の詩集とか自分史を売ろうと思った人は一杯居ると思う。
個人的には絶版になってる本を電子出版で”安く”復活させてほしいです。安くがポイント。
投稿: イ二 | 2010年1月31日 (日) 02時58分
要は書き手と出版社の関係に大きな地殻変動が起きるってことですよね。
ただ、印刷屋さんだけは、その時、大地に生じるであろう裂け目の中に真っ逆さまなのは確実…と(笑)。
まあ、書き手と出版社の中には、対処できなくて印刷屋と一緒に裂け目に落ちる方たちもかなりいるでしょうから、どっちにしても今まで通りは通じない。
これをピンチと考えるかチャンスと考えるか。
一足先にデジタルコンテンツ化大地震を迎えている音楽業界、映画業界という先達がいるので、よくよく分析するに越したことはないでしょうね。
地方の弱小ライターからの意見でした。
あー楽しみ。
投稿: ろんろん | 2010年1月31日 (日) 03時45分
出版社自体は、媒体が紙から
電子媒体に変わるだけで
それだけでは、本エントリーのような
劇的な変貌は起きないと思います。
むろん個人出版の間口が広がったことで
著作者出版組合みたいな、新しいビジネス
モデルも誕生してゆくとは思いますが、
事態はもう少し保守的に推移すると思います。
むしろ大打撃を受けるは、コメント欄にも
指摘があります、印刷会社や取次店・書店
などの流通関係ではなかと思われ、
また、紙媒体に慣れており、電子媒体には
拒絶反応をおこす読者層には、今後深刻な
デジタルデバイド問題が惹起する
のではないでしょうか?
投稿: ういうい | 2010年1月31日 (日) 04時53分
新聞なんかは、CATV会社がSTBを貸し出して
番組配信するように、表示端末を地域の新聞販売店が
各家庭に配布して、回線への接続設定と集金業務を
やるかも知れませんね。
そして、各家庭に端末を置く強みで、取次と組んで
書籍の配信事業を始めるんじゃないでしょうか。
代金は月一の新聞料金支払いの時一括で払うとか…。
(料金は端末に都度累計が表示される)
取次は各出版社から新聞社への卸と同時に料金(代金)
振り分け業務をやればいいかと。
出版社はコンテンツ作りに専念、取次は出版社から
新聞社へコンテンツを卸し、出版社へ料金を振り分ける。
新聞社は最下流の配信と料金徴収を行う、という具合に
なるんじゃないかと夢想してます。
(最下流はISPでも良いかも知れませんが、人が足りなそう…)
そうなると新聞には新刊広告が溢れるかも??
投稿: もしかして | 2010年1月31日 (日) 06時41分
個人出版なんてやりやすくなったところで、ろくなことにならない気がするなあ。
今まで出版社に門前払いされてきた作家未満どもの自己満著作物が市場に蔓延る結果になるだけとしか思えない。
もちろん中には驚くべき才能があるかもしれないけど、そもそも出版界って実力さえあれば参入障壁が高いわけじゃないから、埋もれてる才能なんてそう多くないはずだし。
それに印税が高くてもおそらく単価は大幅に下がるわけだし、出版社の力(ブランド、宣伝力)を借りずに孤立無援状態で売らなきゃならないわけでしょ。
違法コピーの問題も個人じゃどうにも出来ないし、アーカイブ化した過去の出版物に個人出版ごときで対抗できるのかも疑問。
電子書籍は超便利だからスタンダードになるのは必然としても、その過程で出版社が滅ぶ必要性なんて全くないと思うんだよな。
やはり品質を保証し、宣伝する機関としての出版社の存在はデカい。
結局、印税がどうこうってのは単にアマゾンやグーグルの貪欲なの囲い込み戦略であって、そこは電子書籍の必要性とは分けて考えるべきじゃないかな、と。
もちろん現実として囲い込みが進んでるわけだから甘ったれたこと言っても仕方ないんだけど、少なくとも、出版社はもう必要のない存在だから消えていくんだヤッホーイ、という論調には違和感を覚える。
投稿: 大金星 | 2010年1月31日 (日) 07時14分
↑もしかして様
>表示端末を地域の新聞販売店が
>各家庭に配布して、回線への接続設定と集金業務をやるかも知れませんね。
なんか、20年以上前のキャプテンシステム(懐かしいですな)を彷彿とさせるイメージに感じました。嫌いではないです(笑)。
本筋に戻すと、「もしかして」様のいう表示端末の役割を果たすのはキンドルでありiPad。
なので、新聞販売店も役割を終えることになるかと。これは個人的に以前から、そうならざるを得ないとは思っていましたが。
それと新聞(それと雑誌も)は、紙媒体のパイを減らし、かといってネットに進出しても利益が得られず、正に四面楚歌。
電子書籍という新しい器に装っても、「サイトのときと何が違うの?」と突っ込まれるのは必至かと。これを説明できないと、ネット上において無料で読めた体験を持ってしまった消費者は決してついてこないでしょう。
逆に言えば、それをちゃんと新しさと違いを説明できれば、新聞と雑誌も生き残る可能性があるわけで。
やはりピンチのときこそ、チャンスなのです。
投稿: ろんろん | 2010年1月31日 (日) 07時21分
↑大金星さま
>今まで出版社に門前払いされてきた作家未満どもの自己満著作物が市場に蔓延る結果になるだけとしか思えない。
年間出版点数が約8万点を数える今の出版市場こそ、まさに“自己満著作物が市場に蔓延る”状況なのでは?
電子書籍の加速によって、この点数が10万点にも20万点にもなるであろうことは容易に予測できますが、消費者もバカじゃないですし、ダメな本は購入すらされないでしょう。自然淘汰ってヤツです。
これって例えるならば、
スパムメールが増えているからって、メールを使うのを辞めようというのと一緒では?
もちろん、そんな理由でメールを捨てる人は聞いたことはありませんが。
投稿: ろんろん | 2010年1月31日 (日) 07時33分
この電子書籍が今後の流通の中で大きな柱になる事は確かですが、全ての著者・出版社・消費者が同じ形態で動かなければいけないというルールはありません。
そして、未だパソコンや携帯電話を持っていない人がいるように、全員が電子書籍用媒体を購入することは考えにくいので、紙媒体は残るでしょう。
なので、新しい流通形態である電子書籍に参入することもできますが、今の出版社は今の体系を守ることを望むこともできるでしょう。
今までの流通に不満があるようであれば、敷居の低くなった出版業界へのベンチャー進出も加速し、業界が多様化し、著者はどの流通形態を取るかを選択できるようになるはずです。
消費者の私としては、よい本が適正な価格が出ていれば、流通なんて何でも良いですが、注目度は高いですね。
投稿: JN | 2010年1月31日 (日) 07時58分
>違法コピーの問題も個人じゃどうにも出来ないし
これは 放置するだろうね
アップルやグーグルは
ソニーみたいに自社でコンテンツをもっている訳ではないし、違法コピーが蔓延しても
ハードが売れれば、収益が上がるようにしてるしね
>新聞なんかは、CATV会社がSTBを貸し出して
番組配信するように、表示端末を地域の新聞販売店が
各家庭に配布して、回線への接続設定と集金業務を
やるかも知れませんね。
インフラの整備からって どんだけだよ
無線LANで端末なりPCなり携帯なりに情報飛ばせばいいだけ。
料金徴収なんてクレカでいい。
持ってないヤツは新聞なんて読まないし、買えない。
んで、ちゃんと金払って購読しているのなら
明治の頃からの新聞のバックナンバーのデータに全てアクセス可能とかの特典付きとかさぁ。
新聞の下の方に載ってる新刊情報から直接、アマゾンとか通さずに本が読めれば便利だけどね。
投稿: もももんが | 2010年1月31日 (日) 08時27分
>消費者もバカじゃないですし、ダメな本は購入すらされないでしょう。自然淘汰ってヤツです。
そのダメな本かどうかということは、誰がどうやって判断するんでしょう。
バカとかそういうことじゃなく、労力の問題だよ。
電子書籍になると、過去の名著がずっと現役で売られるようになるわけで、例えるなら全国の書店がすべて国会図書館並の規模になるわけだ。もちろん最新刊とそうでないものは区別されるだろうけど。
そんな膨大なアーカイブの中で、出版社名のつかない、無名の作家達の個人出版書が大量に並んでいたところで、どこの物好き達がそれを手にとって評するなんていうボランティア活動をやってくれるんだろうか。
そして、そこから売上に結びつくだけの有用なレビューが一体どれだけ集まるだろうか。
忘れてはならないのは、どれだけ書籍の流通が便利になって、タイトル数が増えても、人が読める本の量は同じようには増えないということ。
そう考えていくと、無名の新人が売れるかどうかは限りなく運次第になるわけで、今より健全な競争市場になるとは思えないんだよね。
それなら有名な賞をとったり、広告費を払って宣伝すればいいって結論に達するだろうけど、それこそまさに出版社がやってる仕事なわけです。
投稿: 大金星 | 2010年1月31日 (日) 08時42分
↑JNさま
たしかにその通りですが
近年、エロ本を読む子供というのは壊滅していますよね・・・
全部、ネットで済ますようで
紙の本を読む読者の高齢化というか
高齢者しか紙の本をよまないと言う自体は進行するでしょうね。
紙の本は、場合によっては新刊でも汚いですし
場所をとって邪魔ですし
買うのも、捨てるのも 手間ですし
投稿: もももんが | 2010年1月31日 (日) 08時45分
・・・なんか、♪どーにでもな~あ~れ~っ♪
投稿: q | 2010年1月31日 (日) 09時24分
たぶん、そんなに心配しなくても大丈夫です。今問題になっているのは、もともとの意味を失った情報が氾濫しているからだと思います。いわゆる「情報デフレ」です。
新しいテクノロジは黒船のように見えるかもしれませんが…。冷静に対処しましょう。
ブログの宣伝ですみませんが、そういう記事を書きました。ぜひご参考に。
投稿: hidezumi | 2010年1月31日 (日) 09時56分