さて、今回は魔物化です。というのも、授業の教材で使った作品が「魔物の血を体内に取り込んだらその魔物に」とか、「主人公がラミアの血から作った女体化薬飲んで……」だとか「Sな妹様(ラスボス)がでる」などという悪堕ち好きを木っ端微塵にしてしまおうという恐ろしい設定がオンパレードな、
「はぁぁっ!」
ざしゅっ!
洞窟内に、肉を切る音と同時に鋭い女の悲鳴が上がる。
「へっ、魔物の割にはあんまし強くねぇな」
巨大な剣を背の鞘に収めた女は、事切れる寸前の蛇女――ラミアを見下ろす。
「お、おのれぇ……かくなるうえは……」
びしゃっ!
「うわっ!」
ラミアは自らの血を女の顔を目掛けてかけて来たのだ。思いもよらぬ反撃に女は怯む。だが、それだけしか出来なかったのだろう。ラミアは事切れていた。
「くそっ、妙な臭いがしやがるぜ……」
顔についた血を拭い、女は踵を返してそこを立ち去った。彼女は忘れていた。「魔物の血を浴びたものはその魔物になる」という伝承を……
***
「はぁ……はぁ……はぁ……」
異臭が部屋を漂っている。討伐依頼のあったラミアを撃退して以来、その女ハンターは体に異常を感じていた。時折体が異常なまでに火照り、気が付けば床に座って自慰ばかりを繰り返していた。
「オレは……なにしてんだよ……」
朦朧とする意識の中、己の胸を掴む腕とそれを望む体を抑えながら、彼女は部屋の隅の少し湿り気のある場所に座っていた。既に自ら脱ぎ捨てたためにその体には一糸も纏っておらず、荒い息遣いと口から漏れる嬌声が、部屋に響き渡っていた。幸い住家が山の中なので、その声を誰かに聞かれる心配は無い。
「うはぅ……んんっ!」
右手がするすると下でひくひくと痙攣している女の証まで伸びる。自分の手のはずなのに、まるで見えない意識が腕を乗っ取っているような妙な感覚。
「くぅっん!」
指が証をかすめる。それだけ。そう、それだけだと言うのに、彼女のそこからはねっとりとした液が溢れ出ていた。
「や、やめ……」
液で湿ったその中を、奥底に眠る何かを求めるように、そう、巣穴に潜む獲物を求める蛇の如く、彼女の指はその暗い穴を進んでいく。
そして、彼女は気付いていない。自分の口から黄色い牙が生えてきていることに。肌が健康的な小麦色から血の気を感じない青白いそれへと変わっていることに。
「い、んぁ、い、いぐぅぅじゅぅっ!」
女は果てた。そして、下半身は毒々しい紫色に染まり、彼女の足は互いに融合。てらてらと滑った光を放つ蛇の尾が完成した……
***
一人の新米ハンターである少女が朽ち果てた家に辿り着いた。ラミアが出没するという曰く付きの場所だ。短剣を鞘から抜き放ち、構える少女。その背後に、彼女の先輩の末路が立っていることなど、知る余地も無かった……
終
九千ヒット作品も楽しませていただきました。
これからも楽しい作品お待ちしております。
応援してますねー。