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太宰治に井伏鱒二、徳富蘇峰も…御坂峠遠望「まるで注文どうり」の富士山 (1/2ページ)
東海道から甲府へつながる「鎌倉往還」の途中に「御坂峠」がある。山梨県富士河口湖町と笛吹市にまたがる「御坂(みさか)峠」。昔なら東海道から甲府へつながる鎌倉往還の途中で、現在は国道137号の旧道となる。富士河口湖町側の新御坂トンネル手前から旧道に入り、車で15分ほど進むと、格別の富士山がそびえる。この眺望に旅人の心が洗われるのは今も昔と変わらない。作家、井出孫六氏は昭和57年出版「日本百名峠」でひとつに数えている。
まるで風呂屋のペンキ画…
昭和の始めに「御坂隧道」ができ、脇に茶屋ができた。
この茶屋から眺める霊峰は大空に浮かぶかのようにそびえる。
真下には河口湖が箱庭のように存在する。文士たちはこの景色に酔った。
茶屋は昭和9年創業で「天下茶屋」といい、現在も営業中。創業当時、「富士見茶屋」とか「天下一茶屋」といったらしいが、徳富蘇峰が茶屋を新聞で「天下茶屋」と紹介したことで、この名が世に定着したという。